POT×ENTH 同時リリース記念対談 インタビュー動画<後編>

POT/ENTH | 2018.06.20


毎回、注目アーティストを動画でお届けしている『EMTG Stream 』!
今回は6月20日にニューシングル『Love the life』をリリースするPOTと、同じく6月20日にニューシングル『だいぽん起きろ』をリリースするENTHのみなさんをお迎えしました!

愛知県名古屋市のTRUST RECORDSというインディーズレーベル・メイトでもあり、現在フェスにも多数出演。名古屋のメロディックパンクシーンの起爆剤となっている2組が、同時リリースを記念して今回は対談インタビューに答えてくれました!

それではPART.2 <後編>をご覧ください。



【POT×ENTH】撮影後、対談インタビュー!

【POT×ENTH】撮影後、対談インタビュー!

 同じパンクのカテゴリやレーベルメイトながらも、タイプも音楽性もキャラも違うENTHとPOT。仲間、友、ライバルとして共に走り、抜きつ抜かれつを繰り返し、両者は常に自身を高めあってきた。2バンド合わせ「PONTH」と銘打ち、去年、今年と2年連続で共演ライブツアーを行った彼ら。だが、そこには不思議と通例の朋友バンドに伺える和気あいあいさやナアナアな関係性、ベタベタな友情チックさは見られず。むしろ逆に互いに負けじと自己を奮い立たせ、正させ、省みさせる鏡のような存在同士にも映る。そんな両者が同日に、ENTH「だいぽん起きろ」、POT「Love the life」と各々4曲入りのEPを出す。とは言え、この2作に関連性は皆無。むしろ「今回はどちらのカッコ良さが上か勝負だ!」と競り合っているかのようだ。そんな2組による今回の対談。それは、互いにリスペクトや信頼感があっての競い合いや、高めあいであったことを改めて知るに至った場でもあった。

EMTG:まず、POTの今作からは、従来のPOTらしさを基調に、更に新しい要素が加味された印象を受けました。
織田(POT:Vo&Gt):ありがとうございます。聴き返して、「キチンと段階が踏めているな」と自分たちでも感じていて。従来できてなかった面もクリアできてるし、前作を越えた作品を作り続けられたとの自負も凄くあるんです。
EMTG:これまで比較的、<POT=ハッピー>な楽曲イメージに対し、今作ではそのハッピーに向かう過程や、そこに行き着く為にも必要な「何か」まで歌われている気がしました。
よっぴー(POT:Vo&Ba):それは凄くあります。もちろんハッピーさが大前提でしたが、違った方面からのハッピーさも感じて欲しかったんですよね。ハッピーじゃない自分を突かれる方が気が楽になり、ハッピーになれる時ってあるじゃないですか。そんな曲が今作では多いかなって。
EMTG:それは、どハッピーよりは、むしろ色々と経験を経たからこそ得られたハッピーさ?
よっぴー:そうです。そうです。いわゆる温い(ぬくい)ハッピーさとでも言うか…。
EMTG:POT的には今作で目指していた着地点等があったんですか?
織田:今回は候補曲を沢山作りましたね。数多く作って、その中から選んで収録したんです。特にコンセプトもなく、選んだ4曲がたまたまこうなってたって感じで。どう感じたか? 何を得れたか? は聴き手の判断に任せてもいいかなって。
まこと(Dr):今回も作った曲をガーッと並べ、それをメンバーでドラフト制みたいに収録する曲を選んで行ったんです。
よっぴー:それこそ選考基準もやりたい曲、やっていて自分たちも楽しめるし、お客さんも楽しめる曲だったし。中には2曲の気に入った部分を合体させ、1曲にしたものもありましたからね。
daipon(ENTH:Vo&Ba):そういった作り方、羨ましいね。
Naoki(ENTH:Gt&Cho):楽曲がよりどりみどりなのはいいよなぁ。
daipon:俺たち収録楽曲以上の曲を作って、そこから選んだことなんて一度も無いですから。ストック曲も一切ないし。毎度、収録予定数ギリギリに作って、結果「1曲足りない」と言われたり(笑)。
EMTG:足りない…ですか?
daipon:毎回、制作段階の最終に、「あと1曲欲しい」と言われて。その度にヒーヒー言ってひねり出してます(笑)。なので、今後はちょっと作り溜めておこうかなと。その為に今度パソコンを導入する予定なんです。
EMTG:今回の1曲目「URCHIN PHANTOM」もそうですが、ENTHの場合、追加で作るその1曲が作品を代表する曲になったりしているのが面白いです。
daipon:ですが、あれ、むっちゃストレスなんですよね。
Naoki:身体に悪い。端で見ていて分かる(笑)。レコーディングがやっと終わるって時に、さらっと告げられますから(笑)。
daipon:「URCHIN PHANTOM」に関しては元々数年前に作っていた曲で、それを再アレンジして再度録音したんです。元々やけくそ気味でしたが、緊急でもっとやけくそになり、結果いい具合になったかなって。
EMTG:今回の2作品で対照的だったのは、その各曲の長さだったんです。POTは4~5分代、対してENTHはほぼ2~3分の曲じゃないですか。
daipon:最近のモードなんですよね、「短い分数内でキッチリ伝え切ろう」ってのが。
EMTG:それには何か理由でも?
daipon:長い曲だとイベント等のステージでは、結局セトリに入れづらくなっちゃうんです。特にうちらの場合、曲調の落差も激しいんで、それを崩したくなくて。あえて各曲短くしてます。今作の最後に入っている「SWAY」にしても、エモい曲なので、これまでだったらもっと長かったでしょうが、あえて短くともキッチリと伝えてみました。
Naoki:コンパクトに伝えた方が受け手も聴きやすいし親しみやすいでしょうし。
daipon:あと、何周も繰り返し聴いてもらいたくて。うちらの曲は展開も多く目まぐるしいんで。それこそ何回も聴いて身体で曲を覚えて欲しいんです。
よっぴー:俺らは逆の考え方の時もあります。「限られた30分の中で、どうやってこの日は伝えようか?」「物語を作っていこうか?」って。
EMTG:対してPOTの今作の方は、これまで以上にリリックや伝えたいことがシンプルへと移った感があります。
織田:作詞しといてなんですが、僕自身、他の方の作詞者の意図を汲むのがヘタクソで(笑)。それもあり、段々難しいことを避けるようになってきたからでしょう。
EMTG:あと、POTに関しては、ようやく「シオン」のようなミッドテンポの良い曲が入れられましたね。
まこと:自分がいちリスナーとして、「こんな曲がPOTとして聴きたい」と作ってもらった感じです。
織田:いやー、大変でしたよ。過去にも挑戦はしてきましたが、なかなか理想通りにはいかず。今回、改めてゼロベースから作ったんですが、思いのほか理想的な曲が出来ました。
よっぴー:やってて、“遅っそ~”って感じでした。レコーディング中は、「こんなに遅くて大丈夫かな?」と思ってましたが、結果、いい感じで。自分たち的にはバラードのつもりでしたが、エンジニアさん曰く「バラードと呼ぶにはまだテンポが速い」と(笑)。
よしくん(Vo&Gt):でもやっていて楽しかったですよ。ギターソロにしても、秘めたエモさや景色観を出したくて、顔で弾き(陶酔しながら弾く)ましたから(笑)。ライブで演るのが楽しみです。
EMTG:対してENTHも凄く今回は景色観のある曲が多い気がします。
Naoki:特に3、4曲目はその辺りを感じてもらえるかなと。主にライブでのフロアの景色なんですが、例えば、大きなフェスのステージでライティングが映えるものから、狭いライブハウスでお客さんが展開毎で色々な楽しみ方をしているとか。曲毎にその光景を思い浮かべながら弾きましたからね。
daipon:うちら基本、季節や光景的な景色観ではなく、ライブを演っている時のイメージや光景での景色観の方ですから。イメージとして例えば、「自分たち主催の大型フェスで、日が暮れて、照明が映えてき出して、若干風で涼しくなってくる、本編の一番最後の曲」みたいな。そんな伝え方の共有で、これらの曲が生まれたりしたんです。
よっぴー:その辺りはむっちゃ伝わってきました。俺らにはなかなか出せないな…なんて思ったり。
織田:やっぱりENTHは、そのむちゃくちゃな感じと、こういったダイナミズムのある曲の同居が魅力ですからね。「負けたくない! 俺たちも俺たちのスタイルで更にいいものを作ってやる!!」と、聴かせてもらって改めて思いました。
EMTG:2人バンド共、仲はいいですが、変にベタベタした連帯感がないですもんね。切磋琢磨し、良きライバルで居続けているというか。
daipon:抜きつ抜かれつをこれからも繰り返してお互いどんどん前に進んでいきたいんです。お互いスタイルも魅せ方も違うけど、あまり文系じゃない部分は共通してたりするし。歌詞で伝えることはむちゃくちゃお互いシンプルでストレートですからね。あとはアプローチは違えどお互い、自分たちを集まったお客さんに見せるだけって姿勢も同じだし。そこで一緒に戦ってくれる仲間がいるからこそ、俺たちもガンガンに攻められるところはあります。相手の信頼関係があるからこそ、お互い戦えるし、「あいつらには負けないぞ!!」と言える。そんな間柄ですから、うちらは。
よっぴー:一緒に戦って、一緒に高め合ってますから。ENTHがカッコ良ければ、俺らはその上を行くかっこ良さじゃないとダメだし。それもあり、ENTHにはもっともっとカッコ良くなってもらいたいし、それが自分たちを更にカッコ良くさせるのに結びついていくんだろうなって。それこそ今後もENTHには、ガンガン行って欲しい。俺らも負けへんように、横を走ったり、時には抜かしたりしますんで。
daipon:お互い、常に気を抜けない存在であり続けたい。ちょっとでもダサいところを見せたら、この関係値は崩れちゃいますから。
Naoki:互いにヤバい景色を一緒に見続けたいよね。
daipon:それこそお互いずっとライバルで居続けたいですね。

【取材・文:池田スカオ和宏】


tag一覧 動画インタビュー POT ENTH

リリース情報

[POT]Love the life

[POT]Love the life

2018年06月20日

TRUST RECORDS

1.Supra
2.Dawn
3.Hang in there
4.シオン

リリース情報

[ENTH]だいぽん起きろ

[ENTH]だいぽん起きろ

2018年06月20日

TRUST RECORDS

1. URCHIN PHANTOM
2. だいぽん起きろ
3. ZAZA
4. SWAY

お知らせ

■ライブ情報

FREEDOM NAGOYA2018
06/23(土) 名古屋大高緑地内特設ステージ

POT&ENTH presents POT"Love the life" & ENTH"だいぽん起きろ"リリース記念アウトストアライブ
06/21(木)新宿ACB HALL
06/25(月)大阪Pangea

POT presents "Love the life" Release Party 「Love the life you live」
07/12(木)名古屋ell FIT’S ALL
07/20(金)代官山UNIT
07/31(火)梅田CLUB QUATTRO

ENTH 3rd Single"だいぽん起きろ"Release Party[だいぽん爆睡ツアー]
07/13(金)大阪MUSE
07/24(火)恵比寿LIQUID ROOM

ENTHニューシングルレコ発イベント
07/27(金)名古屋CLUB QUATTRO

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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