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SPYAIRが豊富な経験による質の高いライブパフォーマンスを魅せる

SPYAIR | 2011.06.17

 じつは彼らのライブを見るのは初めてだったのだが、このバンドに対する評価/イメージは完全に変わった。“オーディエンス全員をガッチリROCKしてやる!”という意志、豊富なライブ経験によって培われた質の高いパフォーマンス、ステージ全体から濃密に伝わってくるメンバー同士の熱い絆。「ライブにこだわってます」と発言するバンドは星の数ほど存在するが、ステージにかける思いがこれほどまでに強く感じられるバンドに出会えることは本当に稀。昨年8月にメジャーデビューを果たしたばかりだが、ライブへのスタンスに関しては、すでに一級品だと思う。

 ライブはまず、メジャー2ndシングル「Last Moment」からスタート。ずっしりとしたへビィネスと心地いい疾走感を兼ね備えたKENTA(Dr)のドラム、正確無比なピッキングで楽曲全体をドライブさせていくMOMIKEN(B)のベース、強烈な音圧とダイナミックなメロディを広げていくUZ(G/Pro)のギター、スクリーミング系のコーラスと“煽り”で会場の熱を上げていくENZEL☆(DJ)のパフォーマンス、そして、ビルドアップされたサウンドを突き抜け、観客ひとりひとりに直接訴えかけるようなIKEのボーカルがひとつになり、SPYAIRの本質そのものがダイレクトに響いてくる。

 さらにタイトなグルーヴが気持ちいい「感情ディスコード」、“歯食いしばって 生きていくのは/おまえ自身なんだよ”というフレーズに心を動かされた「LIAR」(これだけラウドなサウンドのなかでも、はっきりと歌詞が聞こえてくる)、「暴れたいヤツは前に来い!」というIKEの言葉に導かれたへビィロック・チューン「ノンフィクション」、スリリングなスピード感に貫かれた「OVER」、地元・名古屋を離れるときの葛藤を託したというミディアム・ナンバー「Departure」と、際立った個性を持った楽曲が次々と放たれていく。どの曲も完全に血肉化され、生々しいヴァイブレーションを伴っていることに驚かされる。SPYAIRの音楽はライブという場所でこそ、その真価を発揮する--そんな確信が大きく膨らんでいく。

 ライブ中盤では、IKEとUZのアコースティック・セッションによるバラードナンバー「Why」も披露された(IKEのMCによると、名古屋にいたときも上京してからも、ふたりで頻繁にストリート・ライブを行っていたという)。UZは「IKEのいいところが出てると思う。シンプルだからこそ突き刺さることってあると思うし、心して聴いてほしい」とコメントしていたが、まさにそのとおり。濃密なエモーションと美しいメロディがゆったりと重なっていくボーカルからは、“シンガー・IKE”のポテンシャルの高さがはっきりと感じられた。

 「自由な曲なんで、好きなように歌ったり踊ったりしてください!」(IKE)という「FREE」から、ライブは一気にクライマックスへと向かう。サイケデリックな雰囲気を持った「Dead Coaster」、強烈なダンスビートが炸裂した「INCOMPLETE」も良かったが、もっとも心に残ったのはこの日リリースされたばかりのニューシングル「サムライハート(Some Like It Hot!!)」だった。
 しなやかさと力強さを共存させたリズムと激しくもポップなメロディ、そして、「僕だけが僕を作るんだ」というフレーズに象徴される、切実な思い--名古屋・栄公園でのストリート・ライブから始まり、自分たちの力でここまで上ってきたという自負??がガッチリと結びついたこの曲は、SPYAIRの存在をさらなる高みへと連れていくことになるだろう。“Hey!!Hey!!サムライハート”という大合唱を聞きながら、そんなことを思った。

 アンコールでは、震災の後に経験した迷いと“自分にもきっと出来ることがあるはず”という願いが込められたミディアム・バラード「LINK IT ALL」(シングル「サムライハート(Some Like It Hot!!)」収録)、“音楽、歌によって繋がりたい”という根源的なモチベーションを示した「SINGING」を披露し、豊かな感動を生み出した。この日のステージでも告知された通り、10月30日には日比谷野外大音楽堂でのライブも決定。バンド結成当初から野外ライブにこだわってきた彼らにとって(昨年6月には名古屋・栄の野外広場で2000人規模のライブを成功させている)、“初の野音ワンマン”はきわめて大きなターニング・ポイントとなるはず。「ここから、10月の野音に向かって突き進んでいきたい」(IKE)と宣言した彼らが、野音でどんなライブを見せてくれるのか?いまから楽しみでしょうがない。

【取材・文 森 朋之】

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セットリスト

  1. Last Moment
  2. 感情ディスコード
  3. LIAR
  4. ノンフィクション
  5. OVER
  6. Departure
  7. My World
  8. WINDING ROAD
  9. Why
  10. FREE
  11. Dead Coaster
  12. Just One
  13. INCOMPLETE
  14. サムライハート(Some Like It Hot!!)
  15. ジャパニケーション
  16. Encore
  17. LINK IT ALL
  18. SINGING

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