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日々の出来事に光を当て大きなパワーへと変換して行くケツメイシのツアーをレポート!

ケツメイシ | 2011.07.27

とにかく暑くて、雨は降っても長続きしなくて、でもジメジメ感だけはしっかりあって、“こんなんだったらもう猛暑でも酷暑でもなんでもいいからとっとと来てくれよ、夏!!”とマジで思った今年の梅雨。結果的には去年より1週間以上も早く明けたのだけれど、この日の横浜アリーナにはひと足早く夏を、それもただの夏ではない、3年越しの夏を感じたくてウズウズしてる老若男女が大集結していた。

そう、実に3年振りとなるケツメイシの全国ツアー“あれっ?このおじさん達見たことある!そうです!下の方でFes2011 テッテレー♪”の追加公演がついに横浜にやって来たのだ。

ほとんどがツアーTシャツに短パン、中には上半身ビキニになっちゃってる女性客もちらほらいる客席は開演前からBGMに合わせてタオルがぐるんぐるん振られていて、そこにいきなり、ステージを覆っていた幕が振り落とされると同時に銀テープが大量発射されたもんだから、オーディエンスのテンションは早速MAX。1曲目の「マジでライブする5秒前」でダンサーを従えながらDJ KOHNO、Ryo、大蔵、Ryojiが1人ずつ登場したときの歓声は本当にすごかった。

ちなみにRyoによるとこの3年間、大蔵はAV男優として活躍していたものの良い作品に恵まれず音楽業界に復帰、Ryojiは持ち前の体格を活かして角界に入門するも八百長問題が勃発、8月にみちのくプロレスで再起を図るまでの間ケツメイシのツアーに参加、DJ KOHNOはひとつの穴に向かって突き進み、Ryo自身は昨年のKTM48総選挙において苦汁を飲み、下積み生活を送っていたところ先日の総選挙でうまいこと流れに乗って戻って来たのだそうだ(笑)。

3年振りのツアーということで、セットリストは今年3月に発売された『ケツノポリス7』と前回のツアー直後にリリースされた『ケツノポリス6』がメイン。そしてそれは世界漫遊記というか時間旅行というか、オーディエンスを音源以上にいろんな国や時代や季節に連れて行ってくれた。例えばLEDスクリーンに清らかな川の流れや若葉生い茂る木々の映像が映し出された「流れ」は緑豊かな森、ダンサーが男女ペアを組んでフォークダンスっぽく踊った「空」は開拓時代のアメリカ、そのダンサーがマリンルックに早替わりした「お二人Summer」は夏の海、スクリーンに映し出される映像と照明がまるでプラネタリウムにいるような気分にさせてくれた「「S.O.S」」は宇宙遊泳と、ミクロからマクロまで時空を超えた旅を堪能させてくれたのだ。

さらに恒例のコントではステージセットそのものが夏祭りの屋台にチェンジ。その前で法被(ハッピ)を着たメンバーが小ネタを挟みつつLEDスクリーンに次々に花火を打ち上げて行き、最後は大蔵自身が打ち上げられて煤で真っ白になった顔がオーディエンスの大爆笑を誘発すると、そのセットのまま雪崩れ込んだ「祭り」では揃いの法被姿に身を包んだダンサーも交えて文字通りのお祭り騒ぎが繰り広げられた。

と思ったら、誰もが待ってたキラーチューン「さくら」では夏祭りのセットを隠した幕に満開の桜が映し出され、さらに桜吹雪が宙を舞う。“あっという間に春は去ってしまいましたが、もう一度花を咲かせませんか”という大蔵の呼びかけに、サビを大合唱するオーディエンスの中には手を繋いだり体をぴったりと寄せ合うカップルがあちこちに見られた。

そして旅は、満天の星が瞬いた「バラード」や、一気に大自然へ飛んだ「伝えたいこと」から、最終目的地であると同時に出発点でもある日常へと戻って行った。

「最終ブロック、もうちょい体力使ってもらいますけど、大丈夫ですか?この日のために仕事とかの都合つけてきたんでしょ?日々がんばってるみなさんに贈ります!!」(大蔵)

懸命に日々を戦う人々を讃えた「現実は戦場」。ステージから放たれるエネルギーをオーディエンスが掌を広げて受け止めた「ライフ イズ ビューティフル」。Ryo先生の“君達もこれから人生にいろんなことがあると思います。2つの道に分かれたとき、先生の授業を受けた君達は間違いなく険しい道を選ぶと思う。卒業おめでとう!!”という言葉と共に届けられた「オレの道オマエの道」。アンコールに入ってからも4人は「スタジオKTM」と最新シングル「こだま」でオーディエンスの脳裏に大切な人の顔を思い起こさせながら、「闘え!サラリーマン」と「三十路ボンバイエ」で明日からまた戦場へと向かう勇気を与えてくれたのだった。

つい見落としてしまいそうな日々の小さな出来事に光を当て、それを大きなパワーへと変換して行くケツメイシ。サンバのリズムで全員が踊りまくったラストの「カーニバル」は、4人の顔にもダンサーにも、そしてオーディエンス1人1人にも眩しい笑顔が輝いていた。

【 取材・文:加藤祐介】
【 写真:三吉ツカサ 】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル ケツメイシ

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リリース情報

こだま

こだま

2011年06月08日

トイズファクトリー

1. こだま
2. ありのまま
3. きみがすき

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セットリスト

  1. マジでライブする5秒前
  2. リディムドライバー
  3. 流れ
  4. 侍ジャポン
  5. We love music
  6. お二人Summer←
  7. 君とつくる未来
  8. フューチャートラックス
  9. 『S.O.S』
  10. 祭り
  11. さくら
  12. 激情
  13. バラード
  14. 出会いは成長の種
  15. 仲間
  16. 伝えたいこと
  17. 現実は戦場
  18. ライフ イズ ビューティフル
  19. オレの道オマエの道
  20. Encore
  21. スタジオKTM
  22. こだま
  23. 闘え!サラリーマン
  24. 三十路ボンバイエ
  25. カーニバル

INFORMATION

■ライブ情報

♪東日本大震災復興応援企画
『みちのく力くらべ』~いぐべおめぇだづ~

◆2011年9月10日(土)
国営みちのく杜の湖畔公園
みちのく公園北地区『風の草原』

※ライブの詳細はオフィシャルサイトをご確認下さい

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