Acid Black Cherryがデビュー4周年企画の一環として行った野外フリーライブ（愛知、大阪、そして富士急ハイランド・コニファーフォレスト）で、計4万人を動員。パワフルなパフォーマンスで各地のオーディエンスを熱狂させた。今回のライブ（3ヶ所）に入場できたのは、オフィシャルサイトからの募集に当選した幸運な人々。計40,000人の定員に対し、応募総数は16万通！　ゆえにライブに参加できたのは相当な幸運の持ち主と言えそうだ。

　さて、3ヶ所の最終地となるコニファーフォレストには15,000人が集結。7月23日の土曜日で、夏休みが始まったばかりのタイミングだけに、3会場の中では最も多くのオーディエンスが集まった。

　さっそく当日のレポをお届けしよう。

　スタンディングということもあり、広い会場を埋め尽くした観客の多さが圧巻。とはいえ、開演前の会場周辺には野外ライブ独特のなごやかな空気が漂い、日差しは強かったものの心地いい風で野外らしさが満喫できた。こうして、まだ明るい空の下、ヘヴィーなBGMが流れる。観客が手拍子が出迎える中、ステージ上にバンドメンバーが登場した。
yasuが最後に現れると、声援も一段と大きくなる。
オープニングナンバーはサビメロが美しい「冬の幻」。季節は違えど、曲の持つ空気感と野外の清々しさがハマる。2曲目の「楽園」からライブはハードに展開。ボーカル、yasuの「咲け?！」という煽りに、両手を広げて応える観衆の一体感が見事だ。MCでは得意の下ネタを交えたyasuのトークも炸裂。中盤ではヒットナンバー「愛してない」などをじっくり聴かせたが、彼らのライブは激しさと同時に、そういったメロディアスな楽曲の混ざり具合が絶妙。このメリハリで時間の経過を感じさせない。

　こうしてライブは瞬く間に後半へ。
「cord name【JUSTICE】」から「Re:birth」、そしてビッグバンドテイストを取り入れた「Black Cherry」（バンドでこういうアプローチができるのはAcid BlackCherryならでは）と、イヤでも盛り上がる曲が続く。本編ラストはデビューシングルでもある「SPELL MAGIC」。yasuもバンドメンバーも、そして観客も激しく頭を振りまくり、本編が終了した。

　アンコールではメンバーが全員、花道の先端にあるセンターステージに移動。夕暮れの迫ってきたシチュエーションにはピッタリの「この青空の向こうに」と「Maria」をアコースティック・サウンドで披露。曲終わりで暖かい拍手を受けながら、その後のMCでは「9月に新曲が出るぜ！　さっそくですが、その新曲を聴いていただきます！」と、新曲「ピストル」（9月21日発売）をお披露目。ハードでアグレッシヴな曲で、このシングルから5ヶ月連続リリースに挑むという。次なる展開も見せ、yasuも「またな！」と楽屋に引っ込んだものの、再度ダブルアンコールに応えて登場。
キャッチーな「DRAGON CARNIVAL」では、yasuが思わずステージを降りるというハプニングもあって、さらにヒートアップ。大ラスにはもう1曲、予定外の「20+∞Century Boys」を演奏して全行程終了。天候に恵まれ、yasuは会場を埋めたファンに対し、最後まで「ありがとう！」と隅々にまで手を振った。

　叙情的でもあり、激しくもあり、もちろん文句なく盛り上がる彼らのサウンドは、夏本番の気分を連れてきてくれた。
　今年は何とa-nationにも参加（8月21日　大阪：長居スタジアム、27日　東京：味の素スタジアム）するとのことで、Acid Black Cherryにとっての夏は、まだまだ終わりそうにない！

【 取材・文：海江敦士 】