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東京事変ラストライブ、笑いと涙の、怒涛の2時間半を完全レポート!

東京事変 | 2012.03.08

 電撃解散劇のフィナーレだ。アルバム「大発見」を携えた『Discovery』ツアーで最高のパフォーマンスを披露した東京事変は、バンドとして極まっていた。その後を受けての解散発表だったから、突然とはいえ、ある意味、合点のいくニュースだった。そして、このワン・アンド・オンリーのバンドは、その名誉にふさわしい華麗なエンディングを迎えたのだった。

 会場が暗くなると、いよいよ迫った別れに、悲鳴のような歓声が上がる。スクリーンに画面調整のカラーバーが映され、特製のコンピュータ・ゲームの音に続いてオーケストラの音がフロアに響く。と、スクリーンが真っ二つに割れて、椎名林檎がステージの下からせり上がりで登場。「生きる」を歌いながら階段を降りてくる。スクリーンが左右に開くと、総勢40名のオーケストラが現われた。全員、セイラーカラーのシャツで揃えている。ツアー・タイトルの“ボンボヤージ=よい航海を”に合わせた衣装。指揮者はサウスポーだ。続いて極彩色のコスチュームを着たバンド・メンバーが一斉に演奏を始める。
期待にたがわぬド派手なオープニングに、武道館は一気にピークに達する。が、それで許してくれる東京事変ではない。なんと1曲ごとに異なった演出が用意されていて、めくるめく展開で進むショーはまだ序章に過ぎなかった。
 2曲目「新しい文明開化」では浮雲がエキサイティングなギター・ソロを決める中、カラフルな紙吹雪が舞ったと思ったら、次の「今夜はから騒ぎ」では、なんとお札の吹雪!さらに「OSCA」ではセクシーな女性ダンサーが加わる。言うまでもないが、椎名や浮雲をはじめ、亀田誠治(b)、刄田綴色(dr)、伊澤一葉(ky)は気合の入ったプレイで超ド級のサウンドを叩き出す。

 スクリーンを使ってのメンバー紹介の後、そのスクリーンに男性メンバーをデザインしたトランプカードが映し出されて「海底に巣くう男」。続く「怪ホラーダスト」では伊澤がリードボーカルを取り、代わって林檎がピアノを弾く。「ほんとのところ」で刄田がボーカルを取ると、なんと林檎がドラムを叩く。
 これだけを取っても、音楽的アイデアに満ちあふれる活動をしてきた東京事変のキャリアを凝縮したライブだと言える。そこに強烈な視覚的演出がプラスされるから、オーディエンスは文字どおりの狂喜乱舞。最大規模のスペクタクルと、複雑なキッカケで成り立っている前代未聞のライブだ。たとえば椎名の動きは、演出の意図に合わせて、一歩一歩の幅まで完璧にコントロールされている。それを平然とやってのける5人は、超人的な集中力をキープしていて、見事と言うしかない。

 アッという間に20曲が終わる。「みなさん、雪の中、どうもありがとうございます。ボンボヤってますか?」と浮雲。「僕もボンボヤってます」と刄田。「あとちょっとご用意しています」と椎名が言って深々とお辞儀をすると、ゆっくり頭を上げながら「閃光少女」を歌い始めた。本当に息つく暇もない進行だ。フロントの4人はステージの左右をいっぱいに使ってパフォーマンスし、オーディエンスを楽しませながら、これまでの応援に対しての感謝を表わす。ラストの「空が鳴っている」ではオーケストラもブラスも去って、5人だけの演奏で締めた。

 アンコールでも衣装替えやアクションなど新たな演出で会場を盛り上げる。「丸の内サディスティック」では椎名が「師匠!」とコールして、亀田がベース・ソロを取る。それを彼女はステージの縁に座って見つめていた。ちょっとだけ胸がきゅんとするシーンだった。

 鳴り止まない拍手の中、ダブル・アンコール。伊澤が語り出す。
「映画館でご覧になっているお客さんも、ありがとう。これで最後なんだけど、君たちの中に僕らの音楽は育まれているから、大丈夫。もし足りないと思ったら椎名さんに連絡してください。最後に1曲やります」。伊澤が「透明人間」のイントロをピアノで弾き出すと、今度は椎名が「感無量で言葉もありません」と挨拶。椎名は東京事変のラストソングをしっかりと歌い切った。

笑いと涙の、怒涛の2時間半。稀代の名バンドが燃え尽きた後の底力を見た思いがした。

【取材・文:平山雄一】
【撮影:荒井俊哉】
【撮影:外山繁】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル 東京事変

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リリース情報

東京コレクション

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2012年02月15日

EMIミュージックジャパン

三十二歳の別れ
禁じられた遊び
かつては男と女
キラーチューン
OSCA
ミラーボール
復讐
ピノキオ
閃光少女
透明人間
丸の内サディスティック
スーパースター
群青日和
夢のあと

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セットリスト

  1. 生きる
  2. 新しい文明開化
  3. 今夜はから騒ぎ
  4. OSCA
  5. FOUL
  6. シーズンサヨナラ
        カーネーション
  7. 海底に巣くう男
  8. 怪ホラーダスト
  9. ほんとのところ
  10. sa_i_ta
  11. 能動的三分間
  12. 修羅場
  13. 絶体絶命
  14. アイスクリームの歌
  15. おいしい季節
  16. 女の子は誰でも
  17. 御祭騒ぎ
  18. 天国へようこそ
  19. タイムカプセル
  20. 電波通信
  21. 閃光少女
  22. 勝ち戦
  23. キラーチューン
  24. 空が鳴っている
ENCORE-1
  1. 丸の内サディスティック
  2. 群青日和
  3. 青春の瞬き
ENCORE-2
  1. 透明人間

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