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吉井和哉がサプライズ出演!!TRICERATOPSの第8回”おとといミーティングin 大阪”!!

TRICERATOPS | 2012.05.01

 実力派ロックバンドTRICERATOPSがいつもとは違う顔を見せる人気イベント“12-Bar”(トゥエルブ・バー)が、第8回目にして大阪に初進出。梅田AKASOには満員のオーディエンスが詰めかけた。

 このイベントの特長は三つ。まず演奏は、すべてアコースティック・セットで行なわれる。そして音楽を題材にした良質の遊びがあちこちにちりばめられていること。三つ目は開演前からライブがユーストリームで生中継される。各所に素晴らしい音楽と、しょうもないギャグ(失礼!)が満載で、言ってみれば内容盛りだくさんな、楽しい音楽バラエティ・ライブ。何が飛び出すかわからないスリルと、超リラックスしたグダグダ空間が混在して、予測不能の傑作エンターテイメントになっている。

 開演前の楽屋の映像が梅田AKASOのステージ・スクリーンに映し出され、なんと6月から始まる“15TH ANNIVERSARY TOUR”の対バンの詳細をこの場で発表。会場から歓声が上がる。メンバー3人と、イベント企画者の音楽ライター森田恭子さんが時間までトークショーをして、いよいよ開演だ。

 和田唱(g)、林幸治(b)、吉田佳史(dr)の3人がステージに登場。和田と林はスーツ、吉田はシャツという“らしい”コスチュームにメンバーのリラックスぶりが表われている。アコースティック・ギターを抱えた和田と、同じくアコースティック・ベースを持った林がスツールに座り、「こんばんは! ユーストリームのカメラはあそこにあります」と和田が言って会場後方のカメラを指さして挨拶。「そして何より、会場のみなさん!」とフロアを見渡して、1曲目「1000LOVE」が始まった。

 オールドスタイルのブルースロックが、軽快に響く。ただエレキを生に持ち替えただけというわけではなく、アコースティックならではのサウンドとグルーヴを表現する。さすがTRICERATOPSと言えるパフォーマンスだ。その真価が発揮されたのは、3曲目「シラフの月」だった。イントロのギターはシンプルだが、実は高度なテクニックが要求されるフレーズ。それをいとも簡単に弾いてみせる和田。後で打ち上げの席で「あのフレーズはしっかり集中しないと弾けないんだ」と和田が語ってくれたが、本番ではまったくそんなことを感じさせず、グルーヴィーな演奏になった。

「昨日、表参道に靴を買いに行ったんだけど、サイズがなくて。調べてもらったら、梅田阪急にあるって。今日、大阪に来ることになってから、もうこれは・・・(和田は履いていた白い靴を脱いで、会場に見せて)、これが日本に一足しかない靴!」。後ろでは吉田が「ありがとうございます、ありがとうございます」と大阪弁のイントネーションで、訳のわからない呪文のように繰り返している。客席は含み笑いから爆笑へ変わっていく。
 が、音楽が始まると、ハイクオリティの演奏が会場を包む。毎回、J-POPの名曲のカバーが宿題に出され、この日の課題曲は山下達郎の先生とも言える巨匠・大滝詠一の傑作「A面で恋をして」(アルバム『ナイアガラトライアングル vol.2』収録)。アメリカン・ポップス風味のコーラスサウドを、TRICERATOPS流に染め上げる。かっこいい! 爆笑からスリルへ。この激しい落差が、“12-Bar”の面白さだ。

 ここからは“フリーコーナー”に突入。平井堅やaikoなどのモノ真似が飛び出す。ほとんど反則寸前の音楽ギャグ。だが、ある意味、それこそTRICERATOPSにしかできないショーなのかもしれない。

 3人がBOΦWYのモノ真似(あまり似ていない)をしていると、本物そっくりな声が聴こえてきた。それはシークレット・ゲスト吉井和哉の声だった。オーディエンスから大歓声と拍手が上がる。このまま吉井もグダグダペースに巻き込まれると思ったら、TRICERATOPSのアップチューン「I GO WILD」を吉井がハモをばっちり決めてオーディエンスをうならせる。このジェットコースターっぷりが“12-Bar”。さらにイエローモンキーの名曲「JAM」を、4人で感動的に聴かせてくれたのだった。

 イベントはいよいよ終盤に入っていく。「せっかくの“12-Bar”だから、ずいぶんやってなかったレアな曲をやります」と「COMIC HERO」。

「“番外編”にこんなに集まってくれて、ありがとう!」と林が叫ぶ。オーディエンスも立ち上がって、盛り上がる。ユーストリームはここまでで終了。

 アンコール。「ユーストリームも終わって、約束どおり、みんなと僕たちだけです」と和田。会場から大きな拍手が上がる。力強いロックンロール「MECHANICAL FRIEND」、ミディアム・ロックの「MADE IN LOVE」を思い切り演奏する。まぎれもない、アンプラグドのTRICERATOPSの魅力が全開になる。さすがのパフォーマンスに、初めて“12-Bar”にやって来た大阪のオーディエンスたちは大喜びしたのだった。

 すべてが終わって、最後に3人がステージからサヨナラを言う。と、林がBOΦWYの真似をしてモニター・スピーカーに足をかけ、「ありがと!」。あぁ、油断も隙もない。最後までやってくれるぜ。この素晴らしいイベントの打ち上げは、もちろん深夜まで続いたのだった。

【取材・文:平山雄一】
【撮影:山本倫子】

連載・おとといミーティングライブレポート連続掲載中!!

vol.6 シークレットゲスト:土岐麻子
vol.7 シークレットゲスト:杏子

tag一覧 ライブ 男性ボーカル おとといミーティング TRICERATOPS

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リリース情報

LOVE IS LIVE

LOVE IS LIVE

2011年12月21日

tearbridge

ディスク1
01. ENTER!
02. LOVE IS LIVE
03. SILLY SCANDALS
04. GREEN
05. 2020
06. CAN’T TAKE MY EYES OFF OF YOU
07. 仲直り
08. WAITING FOR YOU
09. プロポーズ
10. LIP CREAM
11. GOTHIC RING
12. MILK&SUGAR
13. RASPBERRY
ディスク2
“mod surfer” at AKASAKA BLITZ July 29,2011
01. JEWEL
02. PRETTY WINGS
03. WALK IN THE PARK
04. あのね Baby
05. トランスフォーマー

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お知らせ

■ライブ情報

TRICERATOPS "15TH ANNIVERSARY TOUR"
06/02(土)横浜BLITZ
06/06(水)水戸LIGHT HOUSE
06/09(土)埼玉HEAVEN’S ROCK VJ-3
06/10(日)新潟LOTS
06/13(水)新宿LOFT
06/16(土)長野CLUB JUNK BOX
06/17(日)高崎CLUB FLEEZ
06/22(金)札幌cube garden
07/01(日)福岡IMS HALL
07/06(金)名古屋CLUB QUATTRO
07/08(日)大阪BIGCAT
07/13(金)仙台darwin
07/14(土)柏PALOOZA
07/16(月/祝)静岡LiveHouse 浜松窓枠
07/19(木)渋谷La.mama
07/21(土)東京日比谷野外音楽堂

※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルHPをご覧ください。

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