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2日間で36000人を動員。ファンモン、さいたまスーパーアリーナ!

FUNKY MONKEY BABYS | 2012.05.02

 1月下旬から、初のアリーナツアー【FUNKY MONKEY BABYS 1st ARENA TOUR 笑って歌ってもりあがァリーナ ~行くぞ日本!!~】で、日本列島を回っているFUNKY MONKEY BABYS。全国13カ所で23公演を行う本ツアーも、ラスト・スパート。4月21日、22日の2日間、さいたまスーパーアリーナでライヴが行われた。関東エリアでの最終公演となった、4月22日。さいたまスーパーアリーナは、スタンドのてっぺんまで、観客でびっしり埋め尽くされていた。  16時過ぎ。スタッフが2名、ステージに登場。衣装も体操の先生さながら、彼らの声に合わせて、観客全員で準備体操へ。“ファンモン・エクササイズ”と呼ばれるこの体操は、ファンモンのライヴではすっかりお馴染のコーナー。そして、ファンモンのライヴでしか見られない光景でもある。“先生’S”の誘導で、ゆっくりと首を回していた女の子が、私のすぐ後ろで大きな声を出した。
 「やばい! どうしよう! 始まるんだと思うと、嬉しいけど、終わると思うと淋しい?っ」

 16時20分過ぎ。会場が暗転。ステージバックの一面を覆う巨大なスクリーン。さらに、ステージ左右&上空に設置されたスクリーンに、CG映像が浮かび上がる。映像が展開し、立体で飛び出してきたのは“FUNKY MONKEY BABYS”の文字。宇宙と交差するこの名前に、「もしかして“猿の惑星”ともかかっているのか?」と、自分のイメージも展開。このように、どんどんイメージが膨らんでいくほど、キャッチーで、スピード感と予感にあふれる、オープニングにぴったりの映像だった。

 大音量で鳴り響く、トリッキーなリズムとケルティッシュなフレーズ。しょっぱなからお祭りモード全開の中、DJケミカルが、姿を表した。その様子に、大観衆が、大歓声を返す。ケミカルが叫ぶ。「さいたまスーパーアリーナ! 行くぞ! ファンキーモンキーベイビーズだぁあああああ!」

 レゲトン調のアッパーなビートに乗り、ファンキー加藤とモン吉が、ステージに走りだしてくる。オープニングを飾ったのは「アワービート」。加藤は、早いリズムに合わせてステップを踏みながら、左手を高く掲げ、挑むような顔でダンス。モン吉は、右手をぶんぶん振回しながら、見事な高速ラップを見せ、会場のテンションとBPMを上げていく。途中、歌詞に合わせ ♪ あっは?ん ♪ と叫ぶ場面では、スクリーンの映像がしっかりリンク。アメコミ風のティストで「AHHAAAAN!」の文字が映し出され、観客の ♪ あっは?ん ♪ のレスポンスを後押しした。次の曲のイントロにのり、口に水を含んだ加藤が、上に向かってしぶきを上げる。「逢いたかったぜーっ! さいたまーっ!」と加藤が叫び、ハウス・トラックが印象的なアップ・ナンバー「ナツミ」、立て続けにアップ・チューンを披露した。加藤が「ライヴハウス、さいたまスーパーアリーナへようこそ! FUNKY MONKEY BABYSです」と挨拶。「120%のおまえ達でかかってこい!」と、超満員の客席をあおった後、次の曲を告げた。

 スクリーンに、会場にいる観客の顔が映し出される。画面に映っている自分に気が付き、びっくりする観客。次の瞬間、それまで以上にくしゃっと笑顔になり、友人に手を振るように、スクリーンに手を振った。  この「会場にいるお客さん達」を、スクリーンに映し出す演出は、ファンモンのライヴのひとつの名物だ。彼らのライヴは、観客との距離が他のアーティストと比べて非常に近く感じられ、そこが魅力のひとつだと、以前に書いた事があるが、前述した「お客さんを映す」という演出が、その魅力に一役買っている事は間違いない。観客は、他の人の笑顔を観て、一緒に楽しんでいる事をしっかりと、感じることができるのだ。
 この“一緒に”と感じる気持ちが、ライヴの一体感につながっている。

 中盤では、最新アルバム『ファンキーモンキーベイビーズ 4』で、ひときわ異彩を放っていたクールなハウス・トラック「空」を、違和感なくライヴに組み込むなど、ライヴの実績と新境地を感じさせるシーンも。ロック色強いアップ・チューン「悲しみなんて笑い飛ばせ」などを挟み、後半へ向かう前には、バラードを3曲続けて披露。ステージ上の本人達のモード・チェンジも含め、お祭り騒ぎと、歌を聴かせるパートの違いが良く分かる、メリハリある構成でライヴを展開。このメリハリは、新旧のバラード曲が、彼らの中で育ったから……つまり、バラード曲に対して自信や確信が出てきたゆえの、成長の証だと思う。アップチューンに負けないほど、バラード曲もダイナミックに響かせらるようになったーーどのバラードでも、そう感じさせたのが、その証拠だ。

 ライヴは終盤へ向かう。モン吉がイントロで「みんな、手をあげてみてー!」と叫び、観客が一斉に拳を振り上げるパワー・ナンバー「ALWAYS」へ。ケミカルが両手で丸を作り、それを双眼鏡に見立て、客席をぐるりと見回していく。手を外した直後、“皆さん、ばっちりです”という感じで、満足げな笑顔をみせた。

 関東エリアの最終公演ということもあり、メンバーそれぞれの気合いが、きちんとパフォーマンスに表れ、観客に届いている……そう思う、エネルギッシュなライヴだった。

ライヴが終わった後の、ファンキー加藤のふらふらっぷり、久々に拝見したような気がする。本人は大変だろうけど、やっぱりいいなと感じずにはいられなかった。

【FUNKY MONKEY BABYS 1st ARENA TOUR 笑って歌ってもりあがァリーナ ~行くぞ日本!!~】のファイナル公演は、5月3日&4日の2日間。宮城県・仙台セキスイハイムスーパーアリーナで行われる。
ファンキー加藤が、ツアー開始前のインタビューで語った、本ツアーへの想いを最後に記しておこうと思う。
要約すると、内容はこんな感じだった。
「最後が仙台なのは、偶然なんですよね。でもせっかくだから、全国回って、いろんな場所のたくさんの人から笑顔とパワーをもらって、そのパワーを、最後に仙台に届ける……そういう気持ちで、ライヴをやっていきたいと思ってます」

【取材・文:伊藤亜希】

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1. 悲しみなんて笑い飛ばせ
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4. ラブレター
5. HAPPY BIRTHDAY
6. サヨナラの向こう側
7. アワービート
8. 八王子純愛物語
9. あとひとつ
10. ランウェイ☆ビート
11. 愛の歌
12. 未来の君へ
14. LOVE SONG
15. 真夏のマジック

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お知らせ

■ライブ情報

『FUNKY MONKEY BABYS 1st ARENA TOUR 笑って歌ってもりあがァリーナ ~行くぞ日本!!~』
2012/05/03(木)仙台セキスイハイムスーパーアリーナ
2012/05/04(金/祝)仙台セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ21)

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2012/09/09(日)横浜スタジアム
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2012/09/29(土)京セラドーム大阪

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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