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UNISON SQUARE GARDENが行った春のツアーの東京公演の模様をレポート!

UNISON SQUARE GARDEN | 2012.05.02

 UNISON SQUARE GARDENの『ONEMAN TOUR 2012 SPECIAL ~Spring Spring Spring~』の東京公演。会場に入ると、リリース・タイミングのライヴではないにも関わらず、2階席まで人と熱気でびっしりと埋め尽くされている。さらに、開演を告げるアナウンスが終わると、大歓声が巻き起こる。この時点で、バンドそのものが純粋に求められていることが伝わってきて、清々しい気持ちになった。

 間もなくオン・ステージ。三者三様の音色が絡む「inst~Spring Spring Spring~」で幕を開けると、斎藤宏介(Vo&G)の「おまたせ」という歯切れのいい一言から、インディーズ時代から愛されている名曲「フルカラープログラム」に雪崩れ込む。この流れ、ドキッとするほどカッコよかった! いきなり今の彼らの自信や勢いを固めて投げてきたみたいだった。オーディエンスも、フロアの後方まで惹き付けられて、手を伸ばしている。さらに、田淵智也(B)が大きく足を振り下ろし、鈴木貴雄(Dr)が立ち上がって叩いて曲を終えると、そのままド派手に「プロトラクト・カウントダウン」に突入。こんなに、華やかな立ち振る舞いと、イキ切っている感情と、メジャーフィールドでも戦えるポピュラリティを兼ね備えているバンドって、なかなかいないと思う。

 最初のMCでは、斎藤が「ZEPP TOKYOでライヴをやっている夢を見ました」と話し出す。どうやら、演奏がグッチャグチャで、お客さんにも憐みの目で見られて、気づいたらマネージャーがステージの上にいて「一旦楽屋に帰ろう」と言われる、という夢だったそうで……「正夢にならなくてよかった」と笑顔で締め括っていた。それだけ、このライヴに賭ける思いが強かったのだろう。

 その後も、「空の飛び方」「デイライ協奏楽団」「スカースデイル」と、キラーチューンに?次ぐキラーチューン。イントロで起きる歓声は、まるで”殺される~!”という嬉しい悲鳴のようだ。そして、新曲「誰かが忘れているかも知れない僕らに大事な001の事【新曲】」も披露。ストレートなポップチューンに、さっそくフロアからは手が挙がる。しかし、彼らのライヴの魅力は楽曲だけではない。ブレないテクニックを本能で突き動かしていくような鈴木、自己の世界観に浸かっていたかと思えば挑発してみせる田淵、そんな演奏陣に支えられながら悠々と歌う斎藤。主張と個性を持った3人が共存している様子は、それだけでエンタテインメントとして成り立っていると思う。堪らんとばかりに、「田淵ー!」、「貴雄ー!」という声が飛び交う(野郎の声も多い)と、斎藤が「あれ、斎藤は?」と苦笑い。フロントマンにこんなことを言わせてしまうなんて! 贅沢なトライアングルの証拠だ。

 ここからは、さらに大きな見せ場となった。斎藤の「曲が増えてきて、1回のライヴでやりたい曲ができなくなりつつあって」という言葉から、何と8曲を20分ぶっ続けで演奏するメドレーへ! 「MR.アンディ」「センチメンタルピリオド」といった、ずっとライヴを盛り上げてきた楽曲から、「CAPACITY超える」などのライヴで醍醐味を味わえる楽曲まで、ここぞというキメを残したアレンジで畳み掛けていく。彼らにとってはやりたい曲であり、オーディエンスにとっては聴きたい曲。相互作用で、さらにライヴはヒートアップ! 加え、鈴木はドラムソロまで挟むのだから、物凄いタフである。ドラムソロの後に、光の如くステージに戻ってきて、上手(かみて)から下手(しもて)まで走り回っていた田淵も、負けていなかったけれど。
続いては斎藤が「7月にシングルが出ます!」と発表するも「普通はその曲をやる流れだろうけど、違う新曲を」と言って、「シャンデリア・ワルツ」がスタート。その捻くれ加減にニヤっとする間もなく、ロマンティックなメロディと疾走感が融合した新曲に心が奪われていく。それから、しっとりと「クローバー」を響かせた後、「秋にツアーを廻ります」と、この日二つ目の告知が。「俺が楽しいんだって言えるように準備して待っているから、また会おうね」と斎藤は言っていた。一見我儘に聞こえるかもしれないけれど、そうじゃない。彼らのライヴは、誰よりも彼ら自身が楽しんでいることが伝わってくるから、オーディエンスも楽しくなれるのだ。

 終盤は、鈴木のスティック回しも増えるくらい(!!)、魅せて聴かせて突っ走っていく。本編ラストの「場違いハミングバード」を終えると、斎藤は「バイバイ!」とだけ言ってクルリとステージを後にしたけれど、フロアの熱狂が鎮火するわけがない! 盛大なアンコールが巻き起こる。3人が戻ってくると、今日はじめて田淵が口を開く。「何だか楽しそうだな? 君たちの聴いているUNISON SQUARE GARDENっていうのは、そんなにカッコいいのか?」と問い掛けると、フロアからは「ウォー!」という熱い呼応! それに対する「だったら、今度CD貸してくれ」という田淵の言葉が、何とも彼らしかった。そしてはじまった「アイラブニージュー」では、大きなバルーンが3つ投下される。圧巻だったのは、途中で斎藤の近くにふわふわとバルーンが落ちてきたのだが、彼はそれをパンッと割ってからギターソロに突入したのだ。偶然のタイミングと、抜群の演出力に、痺れずにはいられなかった。ラストは「kid,I like quartet」。飛び出した銀テープに彩られて、たくさんの笑顔が見えた。これまで積み上げてきた実力と、これから切り開かれていくワクワクが、真価となって表れた、心底楽しめるライヴだった。

【取材・文:高橋美穂】
【撮影:森 久】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル UNISON SQUARE GARDEN

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リリース情報

Populus Populus

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2011年07月06日

トイズファクトリー

1. 3 minutes replay
2. kid,I like quartet
3. プロトラクト・カウントダウン
4. きみのもとへ
5. 僕らのその先
6. スカースデイル
7. ワールドワイド・スーパーガール
8. CAPACITY超える
9. 場違いハミングバード
10. カウンターアイデンティティ
11. 未完成デイジー
12. オリオンをなぞる
13. シュプレヒコール~世界が終わる前に~

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セットリスト

  1. inst~Spring Spring Spring~
  2. フルカラープログラム
  3. プロトラクト・カウントダウン
  4. 23:25
  5. 空の飛び方
  6. デイライ協奏楽団
  7. スカースデイル
  8. 誰かが忘れているかも知れない僕らに大事な001の事(新曲)
  9. マスターボリューム
  10. スペシャルメドレー
    • ライドオンタイム
    • 等身大の地球
    • MR.アンディ
    • CAPACITY 超える
    • ワールドワイド・スーパーガ―ル
    • コーヒーカップシンドローム
    • センチメンタルピリオド
    • ドラムsolo
    • ガリレオのショーケース
    • シャンデリア・ワルツ(新曲)
  11. クローバー
  12. シュプレヒコール~世界が終わる前に~
  13. cody beats
  14. オリオンをなぞる
  15. 場違いハミングバード
ENCORE
  1. アイラブニージュ―
  2. サンポサキマイライフ
  3. kid,I like quartet

お知らせ

■ライブ情報
SWEET LOVE SHOWER 2012 SPRING
2012/05/12(土)大阪城音楽堂

COME BACK TO "fun time" 2012/06/03(日)仙台 Rensa

TRICERATOPS "15TH ANNIVERSARY TOUR" 2012/06/06(水)水戸 LIGHT HOUSE

AFOC presents VS tour"(LOVE IS LIKE A) SUMMERTIME BLUES The Circuit" 2012/06/22(金)club SONIC iwaki
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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