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Mr.Children デビュー20年目の京セラドーム大阪でのメモリアルなライヴを緊急レポート!!

Mr.Children | 2012.05.18

 4月14日の京セラドーム公演を皮切りに、約2年半ぶりとなる全国ドームツアー『Mr.Children TOUR POPSAURUS 2012』(6ヶ所14公演)をスタートさせた、Mr.Children。彼らのファンならば、“POPSAURUS”というツアー・タイトルが、約11年前に彼らが初めてベスト・アルバムを発表した後に行ったツアーに名付けたタイトルと同じだと、もちろん気づいているだろう。そして、その時のツアーを見た人ならば、彼らが新旧取り混ぜた選曲をし、Mr.Childrenの軌跡を浮かび上がらせたステージを届けた事を記憶しているはずだ。あれから約11年。この5月10日に2枚のベストアルバム『Mr.Children 2001?2005<micro>』『Mr.Children 2005?2010<macro>』を発表する彼らが、11年という月日を経て、再び“POPSAURUS”という名前を付けたツアーを行う。しかも、8公演目の大阪・京セラドーム公演は、Mr.Childrenが92年5月10日にミニアルバム『EVERYTHING』でデビューしてから、ちょうど20年目を迎えるメモリアルディ。この日のステージは、Mr.Childrenの20年の軌跡を記したライブになることは間違いなかった。そう、京セラドームに集結した約4万人の観客は、大きな節目となる記念すべきアニバーサリー・ライブの目撃者。彼らと共にこの特別な日を祝う事ができる貴重な人たちだったのだ。

 客電が落ちると、身震いが起きてしまうほどの大きな歓声が沸き起こる。待ちに待ったライブの始まり。Mr.Childrenはオープニングから急加速で観客をステージへと引き込んでいく。小刻みに身体を揺らし、リズムを取りながらギターを弾く、田原健一。黙々とリズムを刻む、中川敬輔。まるで強靭なアスリートのように、でっかいステージを走り回る、桜井和寿。「ワン、ツー、スリー、フォー」と、今日も鈴木英哉はでっかい声でカウントしていた。そんな彼らの姿はライブで見慣れているはずなのに、今日という記念日には特別に見えた。それは、常に音楽と向き合ってきた20年という年月の1日1日が、今までの様々な出来事が、今夜のライブに繋がっているんだなと思えたからだろう。そして、これまでの自分たちをさらりと飛び越えている今の4人の姿が、なによりもいちばん輝いていて、とても頼もしく見えたからかもしれない。

「ついにこの日が来た! ありがたい事に、本日をもちまして、Mr.Childrenはデビューしてちょうど20周年を迎えました。ホントに幸せ者だと思います!」
 オープニングから何曲か歌った後の最初のMCで、桜井はとびきりの笑顔でそう言った。

 この20年間、数多くのヒット曲を世に送り出してきたMr.Childrenだけに、アニバーサリーなライブでベストセレクション的なステージをやってのけることは、とても簡単だろう。彼ら自身も「終わりなき旅」「しるし」「Sign」「光の射す方へ」など、みんなが聴きたいと思っているヒット曲を、きっと観客と一緒に歌いたくて、メニューに加えたはずだ。また、今回のツアーに“POPSAURUS”という名前を付けた彼らは、11年前の“POPSAURUS”のように、ここのところのライブではやっていなかった曲や今までライブで演奏したことがなかった曲を、ヒット曲や代表曲が並んだメニューに取り入れることを、迷うことなく決めたんだと思った。その曲たちは発表されてから何年も経っているのに、しかもライブでもなかなか聞くことができなかった曲なのに(つまり、私たちがCDで聞こうとしなければ聞けなかった曲)、歌に刻まれたメッセージや願いは、一気に時を超えて、今の時代にも違和感なく重なり合っていた。2012年のMr.Childrenが放つ力強い音。新たな輝きを持った歌。ありきたりな言い方かもしれないけれど、Mr.Childrenの歌はそれぞれの時代を刻みながらも、今の時代にも生きる事ができる歌なんだと思わせてくれたのだった。

 この日、彼らは約3時間半のライブで、最新シングル曲「祈り?涙の軌道」「End of the day」を含む27曲を演奏した。その27曲は、188曲あるオリジナル曲のほんの7分の1。けれども、その厳選された歌は20年の軌跡を感じさせるだけではなく、これからもMr.Childrenの音楽が、私たちの日々の生活と共にあるのだという事を再確認させてくれた。これからどんな時代になろうとも、その時代時代の色と輝きを纏って生き続けていくMr.Childrenの歌がある。デビュー20周年という大きな節目に、そんなふうに未来に向けた思いを抱けるのは、とても幸せな事だと思えた。

【取材・文:松浦靖恵】
【撮影:石渡憲一】

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リリース情報

Mr.Children 2001-2005 〈micro〉(初回限定盤)

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2012年05月18日

TOY’S FACTORY Inc.

ディスク:1
1. 優しい歌
2. youthful days
3. 君が好き
4. 蘇生
5. Drawing
6. いつでも微笑みを
7. Any
8. HERO
9. タガタメ
10. 掌
11. くるみ
12. Sign
13. and I love you
14. 未来
15. ランニングハイ
ディスク:2
1. 優しい歌 (Music Videos)
2. youthful days (Music Videos)
3. 君が好き (Music Videos)
4. Any (Music Videos)
5. HERO (Music Videos)
6. 掌 (Music Videos)
7. くるみ (Music Videos)
8. Sign (Music Videos)
9. and I love you (Music Videos)
10. 未来 (Music Videos)

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リリース情報

Mr.Children 2005-2010 〈macro〉(初回限定盤)

Mr.Children 2005-2010 〈macro〉(初回限定盤)

2012年05月10日

TOY’S FACTORY Inc.

ディスク:1
1. Worlds end
2. 僕らの音
3. 箒星
4. しるし
5. フェイク
6. 彩り
7. 旅立ちの唄
8. GIFT
9. HANABI
10. 花の匂い
11. エソラ
12. fanfare
13. 擬態
14. 365日
ディスク:2
1. Worlds end (Music Videos)
2. 箒星 (Music Videos)
3. しるし (Music Videos)
4. フェイク (Music Videos)
5. 彩り (Music Videos)
6. 旅立ちの唄 (Music Videos)
7. GIFT (Music Videos)
8. HANABI (Music Videos)
9. 花の匂い (Music Videos)
10. エソラ (Music Videos)

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お知らせ

■ライブ情報

MR.CHILDREN -TOUR- POPSAURUS 2012
2012/04/14(土)京セラドーム大阪
2012/04/15(日)京セラドーム大阪
2012/04/21(土)西武ドーム[追加公演]
2012/04/22(日)西武ドーム[追加公演]
2012/04/29(日/祝)福岡 Yahoo! JAPANドーム
2012/04/30(月/休)福岡 Yahoo! JAPANドーム
2012/05/09(水)京セラドーム大阪[追加公演]
2012/05/10(木)京セラドーム大阪[追加公演]
2012/05/19(土)札幌ドーム
2012/05/23(水)東京ドーム
2012/05/25(金)東京ドーム
2012/06/05(火)ナゴヤドーム
2012/06/06(水)ナゴヤドーム

※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルHPをご覧ください。

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