メジャーとしては初リリースとなったシングル「distance」が、オリコンのウィークリーチャートで堂々の初登場6位を記録。飛躍的に注目度を上げてきたMAN WITH A MISSION。そのシングルをかかげ、全国ツアー『DON’T FEEL THEDISTANCE?8カ所だョ！全員集合 ONE MAN TOUR?』を行った。東京公演は5月27日、SHIYA-AXで開催され、会場は肉食系ワイルドなファンでパンパンにふくれあがった。

さて、開演直前、 客電が落ちた会場には野太い歓声があがる。男性ファンが多いのも彼らの特徴だ。オープニングは映像をフィーチャーした構成で、宇宙から謎の生命体（？）であるオオカミ達がひとり……いや、1匹ずつステージに降臨するという演出。ドラムセットの後ろからスモークと共に現れるオオカミ達。全メンバーがそろい、ワクワク感満載の1曲目は「distance」。最新ヒットシングルチューンをド頭に持ってくるとはさすが！　オーディエンスも“待ってました！”と言わんばかりにモッシュを始める。2曲目の「WELCOME TO THE NEWWORLD」のあと、最初のMCタイムを迎える。メンバーの中では唯一人間の言葉をしゃべれるというJean-Ken Johnny（ジャンケン・ジョニー）がMCを担当した。

「タブン、アト30回ハ言ウト思イマスケド、皆サン、ホントニアリガトウゴザイマシタ！　イツモ通リデスガ、全力デガウガウイタシマスノデ、全力デ受ケ取ッテクダサイ！」　思いのほか（？）誠意のある言葉に、観客も大声援で応える。3曲目の「Feel and Think」以降も、ハードでアガる爆音サウンドを連発。場内はもはや、フェスのような空気。メンバーもオーディエンスも、その盛り上がりを双方が楽しんでいる感じだ。5曲目の「DON’T LOOSE YOURSELF」のあと、映像タイムへ。アグレッシヴなパフォーマンスのあとに流れた映像は、Jean-Ken Johnnyを中心に山梨県探訪というホノボノタッチ（笑）のもの。富士河口湖の観光課長、渡辺氏まで出演してオオカミとからむシュールな図に場内は爆笑の渦。だが、このあと穏やかな空気は一変、ライブは再びハードチューンで肉食モードに。「NEVERFXXKIN’ MIND THE RULES」から「NOTHING’S GONNA CHANGE MY WAY」、そして彼ららしいダンスロックナンバー「DANCE EVERYBODY」と続く。

中盤では「SCENT OF YESTERDAY」「RAIN OF JULY」といった、メロディーが強調された楽曲を聴かせる。前向きな気持ちにさせてくれる歌詞にもグッとくる。 感動したところで、再び映像タイム。先ほどの流れから一行は富士急ハイランドへ移動、Jean-Ken Johnnyは案の定、絶叫マシンの高飛車に乗り込むハメに（なぜかKamikaze Boy（カミカゼ・ボーイ）も参加）。

ここで再度爆笑をさらってから、ライブはいよいよ本編後半へ。上映のあいだ、楽屋に戻っていたメンバー達もステージに再登場。日本人魂を歌った「ワビ・サビ・ワサビ」、そしてライブにおける起爆剤にもなっているニルヴァーナのカバー曲「Smells Like Teen Spirit」で、フロアは大熱狂！　ラストの「PANORAMA RADIO」まで、バンドもオーディエンスも激しく暴れまくった。

さて、アンコールだが、MAN WITH A MISSIONにおけるアンコールのかけ声は“焼肉コール”。「や?きにく！」という大声援に応え、オオカミ達がアンコールに登場。

「TAKE ME HOME」、そしてサビでの一体感が気持ちいいライブのマストチューン「FLY AGAIN」までパワフルなノリを生み出して、アンコールはフィニッシュ。ここでメンバーも観客も、相当なスタミナを消費したはずだが、さすがは肉食系ライブ、再度アンコールの声援がわき上がる。MAN WITH A MISSIONのメンバーも、ここでバテてはオオカミがすたるというもの。予定外のダブルアンコールに応え、「1997」で、もうひと暴れさせてくれたのだった。

この日、7月18日にニューアルバム『MASH UP THE WORLD』のリリースやMASH UP THE WORLD TOUR、サマソニへの出演決定など、アクティヴな情報も告知され、今年後半はさらなる話題を提供してくれそうMAN WITH A MISSION。オオカミ達が世界のミュージックシーンを席巻する日も、そう遠くはなさそうだ。

【取材・文：海江敦士】
【撮影：NOBUYUKI KOBAYASHI】