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ナオト・インティライミ、初のホールツアー・ファイナルをレポート

ナオト・インティライミ | 2012.07.13

 梅雨まっただ中の東京は高温多湿のグロッキー状態。同じ暑いなら自ら熱くなっちゃえ!とばかりに国際フォーラムが揺れに揺れた2時間半。いや、もう簡単に「人間力」という言葉を使うのはやめようと反省するほど、この日のナオトとオーディエンスはすさまじかった。全国14ヶ所16公演全てを完売して迎えた初のホールツアー・ファイナル。オンタイムに巨大液晶画面に流れたのは開演5分前からの(長っ!)カウントダウン表示。10秒前からの大歓声から液晶がゼロを指して、オープナーは新作『風歌(かざうた)キャラバン』の中でも最新鋭のエレクトロR&B「Yeah!」。4人のダンサーを率いたダンスは切れ味鋭く、しかもストーリー性を伴って進行していく。続く「テキナビート」は導入がナオトのヒューマン・ビートボックスという趣向も憎い。

 すると一転、アコギを持って聴かせるナンバーを連投。特に「国際フォーラムで2日もライブができるなんて10年前の自分に見せてやりたい。引きこもってたし、電話にも出れないし、ホントにキツかった」と、暗黒時代を振り返り、今、キツい思いをしている誰かにも届くように歌われた「Message」。そしてツアーでライブをした仙台は石巻の様子を「全然、復興って感じじゃない。震災のことは本当に風化させちゃいけない」と、その地で自ら重機の免許を取り、未だ行方不明の家族を探している、ある女性のことにも触れ、「声をかけ続けなきゃいけない」という生身で感じた言葉に続き歌われた「Hello」は、みぞおちの辺りが揺さぶられるような感覚を覚えた。震災を機に世界中を孤独の中で旅していた頃の思いが甦り、少なからず新作に影響したことはまちがいないが、ツアーを経て楽曲はさらに強い説得力を備えていた。

 中盤にはおなじみ弾き語りによる「ご当地もの即興SONG」コーナーが。各地で仕入れたご当地ネタへの反応の良さに湧く会場。そうなのだ。この祝福すべきファイナルには全国各地からファンが集結していたのだから驚きだ。そして弾き語りスタイルのまま、会場一体になっての「ありがとう」の大合唱とハンズクラップが巻き起こった「こころことば」の多幸感ったらない。再びダンサーが登場、舞台を想起させるような振り付けに惹きつけられる「Let me…」。この人のアスリート並の運動能力は今更多くを語る必要はないと思うが、この痛快さの源はなんなんだろう?と考えるに、パフォーマンスの一つひとつの「体幹」が揺るぎないのだ。舞台人でもなかなかナオトのような人はいないだろう。

 本編終盤はほぼ回していない人が見当たらないほどタオルがブン回る「マワセ マワセ」「起志快晴」と、ラテンリズムがさく裂。ドリフ顔負けの身体性ギャグと言えそうな展開も幅広い世代をファンに持つ彼らしい演出だ。そして本編ラストはキッズダンサーも加わっての記念すべきデビュー曲「カーニバる?」。日常の憂さもストレスも全部!俺が引き受けて発散させてやるからな!と言わんばかりのナオトの全力パフォーマンスに乗るどころか倍がえしで応えるオーディエンス。「全員参加」がモットーの彼のライブに初めてきた人も巻き込まれ、全員がパワーを交歓する。どこを見ても笑顔しかなかった。

 そこに怒号のように起こるナオト・コール。こりゃもうカーニバルそのものだ。そこへファンへの感謝とこの場への祝福をたたえる笑顔でアンコールに応えるナオト。歌い出しをオフマイクで披露した「今のキミを忘れない」、初のドラマ主題歌にして、このフォーラム2daysで初披露された新曲「ナイテタッテ」は彼らしいラテンのりのエールソング。ツアーという長いキャラバンを終えることを心から惜しみながら、またまた全員参加でサンバを踊ったラストの「はなうたキャラバン」。繰り返しになるが、日々はこんなに笑顔に溢れてはいない。でもナオトはここで発散してもらうことだけで良しとは思わないだろう。ライブで感じたユーモアや優しさや、何より自分に秘められた力、それは体力だってなんだっていいのである。それを皆の毎日にきっと持って帰ってほしいのだ。チャートNo.1を獲得した人に申し訳ないが、もしあなたがナオト・インティライミの楽曲を1曲も知らなくてもここに来れば笑顔になれる。まちがいない。

【取材・文:石角友香】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル ナオト・インティライミ

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リリース情報

風歌キャラバン(初回盤)

風歌キャラバン(初回盤)

2012年04月18日

ユニバーサル・シグマ

ディスク:1
1. Yeah!
2. 君に逢いたかった
3. ガムシャララ
4. 起志快晴
5. Que sera sera
6. Let me…
7. トリステーザ
8. Message
9. はなうたキャラバン
10. Hello
11. こころことば
12. 愛してた
ディスク:2
1. Hello(MV)
2. 君に逢いたかった(MV)
3. 愛してた(MV)
4. Brave (Live at 両国国技館)
5. 今のキミを忘れない (Live at 両国国技館)
6. タカラモノ ~この声がなくなるまで~ (Live at 両国国技館 )

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セットリスト

  1. Yeah!
  2. テキナビート
  3. ガムシャララ
  4. 君に逢いたかった
  5. Message
  6. ありったけのLove Song
  7. タカラモノ~この声がなくなるまで~
  8. Hello
  9. こころことば
  10. Brave
  11. Let me…
  12. Dreammaker
  13. マワセ マワセ
  14. おまかせピーターパン
  15. 起志快晴
  16. カーニバる?
ENCORE
  1. 愛してた
  2. 今のキミを忘れない
  3. ナイテタッテ
  4. はなうたキャラバン

お知らせ

■ライブ情報

JOIN ALIVE 2012
2012/07/21(土)いわみざわ公園

アサヒビールpresents
情熱大陸 SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA ’12

2012/07/28(土)セントレア屋外特設会場
2012/08/04(土)万博記念公演もみじ川芝生広場
2012/08/11(土)夢の島公園陸上競技場
2012/08/25(土)いわみざわ公園野外音楽堂キタオン

HIGHER GROUND 2012 FINAL
2012/07/29(日)海の中道海浜公園野外劇場

ap bank fes ’12 Fund for Japan 淡路島
2012/08/05(日)淡路島国営明石海峡公園

東日本大震災復興チャリティー 2012 神宮外苑 花火大会
2012/08/10(金)神宮球場

MTV ZUSHI FES 12 supported by RIVIERA
2012/08/12(日)神奈川・リビエラ逗子マリーナ特設会場

ap bank fes ’12 Fund for Japan みちのく
2012/08/18(土)国営みちのく杜の湖畔公園

SETSTOCK’12 10th Anniversary in Bihoku
2012/08/19(日)国営備北丘陵公園

めざましライブ2012
2012/08/28(火)お台場合衆国サンサンアイライド「合衆国 MY BEAT スタジアム」

※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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