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さめざめ、渋谷WWWで行なわれた3度目の単独公演「12年7月、チャック全開」の模様をレポート!

さめざめ | 2012.07.20

 早耳な音楽リスナーの間で注目を集めているアーティスト、さめざめ。ボーカルで作詞・作曲を手がける笛田さおりが描く歌世界──例えば、<コンドームをつけないこの勇気を愛してよ>とか<下着をつけたまま愛せるもんなら愛してみなよ>とか、血気盛んな青少年男子には、聞くだけでテンションが上がってしまうような──そんな“女性の性”を、真っすぐに包み隠さず伝える表現が、女性に共感を、男性に衝撃を与えている。

 そんなさめざめが、7月10日に渋谷WWWで、3度目の単独公演「12年7月、チャック全開」を開催。笛田さおり本人がアナウンスしたライヴ前の諸注意では、途中で放送禁止のピー音が入るなど、ライヴ前からさめざめワールドを炸裂させていた(ちなみに、ライヴのことは“本番行為”と説明されていた)。

 1曲目は7月4日にリリースされた最新シングルの「スカートめくり」。黒いノースリーブのワンピースを着た笛田は、真っ赤なピンスポットが当てられた中、マイクを両手で握りしめて歌う。そして、“渋谷駅のモヤイ像の前で、男子に平手打ちをしたことがキッカケで出来た”という、「ズボンのチャック」へ。

 笛田は、あまり動かない。「ズボンのチャック」は疾走感のある曲なのだが、例えばマイクを持って、ステージを右に左に、ということをしない。もちろんリズムに乗ってステップを踏んだり、時に全てを目に焼きつけるように大きく見開いたり、そのまた逆に何も見たくないとギュッと目を閉じてみたり、表情の変化はとてもあるのだが、ほぼマイクスタンドの前にいる。それを両手で握りしめるか、もしくは右手でマイクを持ち、客席に身体をやや斜めに傾けて歌うのだが、その佇まいに往年の歌姫の品格を感じさせる(「ディーバ」ではなく、あくまでも「歌姫」)。アーティスト写真を公開していないということもあるのだろうか、オーディエンス全員が彼女の一挙手一投足を一瞬でも見逃すまいと、食い入るようにステージを見つめていた。

 そんな中、衝撃だったのは、間奏中に突如スカートの中に手をまさぐり入れ、リコーダーを取り出す(!)という、「いま、中学生」のパフォーマンス。歌詞の途中に<リコーダーを吹く唇がやわらかそうと思ったの>というフレーズが出てくるものの、まさかそんなところから本当に出てくるとは思わなかった。そして、それを吹いた後、そっと床に置く。まぁ、何となく置いたのかもしれないが“そこに何か意味があるんじゃないだろうか?”と勘繰らずにはいられなくなってしまう魅力に溢れている。そういったアーティスト性を感じさせるところも、今のシーンでは稀有な存在だろう。

 この日は未発表曲も披露。“新曲。”と、ひとことだけつぶやいた後にスタートした「みんなおバカさん」は<バカバカバカバカバカ>と連呼し、シャウト気味に歌い上げるアッパーチューン。そして、言葉をぎゅうぎゅうに詰めまくって、<ブリッコしたってよくないですか?>と歌う「ぶりっこぶりっこ」は、可愛い雰囲気のポップソングで、どちらも一瞬で覚えてしまうぐらいインパクト抜群。さめざめの曲は歌詞に着目されることが多いが、メロディーがとにかく良いものが多い。曲はとにかくメロディアス、されど、歌詞は過激で鮮烈。それは、圧倒的な中毒症状を生むのに充分過ぎる要因だ。

「私にとってさめざめは人生の賭けでした。どんなに頑張っても思い通りにいかなかったり、人を信じることが出来なくなってしまったり、私の人生って所詮こんなものなのかなって諦めようとしたこともあったんです。それでも、私にしか出来ないことって絶対にあるんじゃないのかなって、最後の最後で自分自身を信じてみました」

 そんな自分の全ての想いを託したのが、バラードナンバー「愛とか夢とか恋とかSEXとか」。こみ上げる感情を必死に抑えながらも、熱く、しとやかに歌う姿に、多くのオーディエンスが心を撃たれていた。

 アンコールでは、未発表曲の「ハートノイローゼ」を披露。まさにライヴのカーテンコールのような曲調だったのだが、手でハートの形を作った後に、中指を突き立て、親指を下に降ろすサインをするという振り付けつき。しかも、<あんなにHしたのに>というフレーズもと飛び出す、さめざめらしいお別れの曲で、この日のライヴは終了した。

 さめざめは、11月2日に心斎橋Pangeaにて初の大阪単独公演「12年11月、ハート限界」を、11月9日に渋谷WWWにて主催イベント「恋の119番通報」を開催する。おそらく、というか間違いなく、曲のテーマ性もあって、さめざめはこれから多くの注目を集めることになるだろう。ただ、かなり直接的な表現が多い分、そこには否定的な意見もあるかもしれない。しかし、そんな圧倒的なリアルを歌い上げるさめざめの世界を、私は断固支持したい。男性ゆえに、共感出来るというよりは衝撃を受ける側だと思うのだが、その強力な求心力で、世の中を席巻してほしいと思っている。これから先に巻き起こるとんでもない可能性を感じることの出来た、最高の夜だった。

【取材・文:山口哲生】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル さめざめ

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リリース情報

ズボンのチャック/スカートめくり

ズボンのチャック/スカートめくり

2012年07月04日

samezame RECORDS

1. ズボンのチャック
2. スカートめくり
3. コンドームをつけないこの勇気を愛してよ(カラオケバージョン)
4. 恋人みたいに。(カラオケバージョン)

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セットリスト

  1. スカートめくり
  2. ぐるぐる禁断ラブ
  3. ズボンのチャック
  4. コンドームをつけないこの勇気を愛してよ
  5. みんなおバカさん(未発表曲)
  6. 恋人みたいに。
  7. きみまみれ
  8. いま、中学生
  9. あたしがいなくなれば
  10. あたしの女の子
  11. 呑んだくれガール
  12. ぶりっこぶりっこ(未発表曲)
  13. 愛とか夢とか恋とかSEXとか
ENCORE
  1. ハートノイローゼ(未発表曲)

お知らせ

■ライブ情報

TREASURE05X〜glowing treasures 1st day〜
2012/08/11(土)名古屋ELL/ell.FITS ALL/ell.SIZE

いいにおいのする大人の事情コンサート1
夏休みだろきちゃいなよ!編

2012/08/12(日)心斎橋conpass

さめざめpresents “12年11月、ハート限界”
2012/11/02(金)心斎橋Pangea

さめざめpresents “恋の119番通報”
2012/11/09(金)渋谷WWW

※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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