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Base Ball Bear、飛び入りゲストも登場したツアーファイナルの模様をレポート!

Base Ball Bear | 2012.07.23

 ツアー“新呼吸”のファイナルだ。ちょうどこの日、Base Ball Bearの セカンド・ミニアルバム「初恋」がリリースになったのだが、新曲3曲に加えて何とこのツアー初日Zepp TOKYOのライブ音源が60分収録されているのだ。つまりツアーが終わった途端、そのライブと新曲が聴けるという、超スピードの展開。それにはどんな意図があるのかもチェックしようと思いながら、AXに臨んだ。

 立ち上がりは、単刀直入にアルバム『新呼吸』の世界に入っていく。1曲目「深朝」、2曲目「ダビングデイズ」とアルバム曲順どおりのセットリスト。3曲目「ELECTRIC SUMMER」はメジャー・ファースト・シングルで、ベースの関根史織がステージサイドに置かれた台上に上がってオーディエンスをアオる。アッパーなオープニングに、フロアは一気に盛り上がる。
「AX追加公演に、ご来場ありがとう。そしてインターネットをご覧のみなさん、Base Ball Bearです。アルバム『新呼吸』を味わっていただく最後のチャンスです」とギター&ボーカルの小出祐介が挨拶する。そう、この日のライブは“ニコ生”で全世界中継されているのだ。そんなハイテンションのまま、ライブは進んでいく。

「去年のツアー・ファイナルも、ここAXだったので、一周した感じ。ここで提案です。次に堀之内(大介、ドラム)さんがしゃべります。今日のライブが大成功するには、ここで大爆笑を起こしたいんですが、おそらくしゃべりの完成度は低い(笑)。どうかよろしく」と小出が堀之内を紹介。堀之内は、自分の部屋に出現した“ヤモリ”をネタに話し出すと、会場は大笑い。小出は「やっぱりホームは最高だぜ! でも次はしっとりした曲だぜ!」とこれまた笑わせる。すっかりAXがなごんだところで、DJ風に曲を立て続けに演奏するポップなパートに突入した。今度はギターの湯浅将平も台上に上がって、「SHE IS BACK」では関根とソロ・バトルを決める。中で光っていたのは、ドラマ主題歌になった 「ヒカリナ」から「夜空1/2」へ続くシークエンスだった。小出の歌う美しいメロディと、それをサポートする関根のハーモニー・ボーカルが、Base Ball Bearの 音楽の良さをしっかり伝える。オーディエンスは自分の心をすべてバンドに預けて楽しんでいた。
 終盤まで盛り上がって、最後はアルバム・タイトル曲の「新呼吸」。新しい世界の到来を待ち焦がれて、♪あたらしい朝が来れば 僕は変われるかな♪と歌うコンセプチャルな曲を、オーディエンスと共に歌うBase Ball Bearに、すっかり根付いた彼らのメッセージを確信する。

 アンコールでは、ニュー・ミニアルバム『初恋』に参加してくれた“ヒャダイン”こと前山田健一を呼び込む。「僕らの生演奏に鍵盤が入るのは初めて。ヒャダインさんも初めての“バンド体験”です」と、小出とヒャダインが共作した新曲「ぼくらのfrai awei」を初披露。ヒャダインの初体験とは思えない堂々の“バンド・パフォーマンス”に会場は大喜びで応える。小出が“EMTG Stream(当サイトの動画インタビュー)”で語っていたように、『新呼吸』から一歩吹っ切れて進化したBase Ball Bearの、リアルタイムの魅力を爆発させたのだった。そして08年にリリースされたシングル「changes」で、ライブは歓喜のラストを迎えた。
 それでもオーディエンスの声援は収まらない。間もなくメンバー4人がステージに戻ってきて、特別にダブル・アンコールとして「祭のあと」を歌った。
全体に演奏がこなれ過ぎていてラフな部分もあったが、そこにかえってまとまりを拒否して溢れ出すエネルギーを感じた。だからツアー・ファイナルというより、バンドがさらにすっきりとポップに向かう決意に満ちた“新たなスタート”のようなライブとなった。

【取材・文:平山雄一】
【撮影:橋本塁(SOUND SHOOTER)】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル Base Ball Bear

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リリース情報

初恋(初回限定盤)

初恋(初回限定盤)

2012年07月11日

EMIミュージックジャパン

1. 初恋
2. ぼくらのfrai awei
3. 君はノンフィクション
4. 60-Minute Live Track From “TOUR 新呼吸” (2012/5/20 @ Zepp Tokyo)

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セットリスト

  1. 深朝
  2. ダビングデイズ
  3. ELECTRIC SUMMER
  4. school zone
  5. Transfer Girl
  6. 転校生
  7. スローモーションをもう一度
  8. short hair
  9. SHE IS BACK
  10. 青い春.虚無
  11. ヒカリナ
  12. 夜空1/2
  13. kodoku no synthesizer
  14. 4D界隈
  15. yoakemae
  16. 新呼吸
ENCORE
  1. ぼくらのfrai awei
  2. changes
ENCORE2
  1. 祭のあと

お知らせ

■ライブ情報

LÄ-PPISCH 25th Anniversary
-Tug of war-Vol.5

2012/07/26(木) 恵比寿LIQUIDROOM

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012
2012/08/05(日)国営ひたち海浜公園

Talking Rock! FES.2012
2012/08/09(木)Zepp Namba

SCHOOL OF LOCK!主催
「閃光ライオット2012」

2012/09/02(日)日比谷野外大音楽堂

中村一義 デビュー15周年記念ライブ
2012/09/29(木)大阪 なんばHatch
2012/09/30(金)大阪 なんばHatch

テレビ朝日ドリームフェスティバル2012
2012/10/06(土)SHIBUYA-AX

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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