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藤井フミヤのツアー期間限定連載。2回目。ツアーがスタートした今、本人が思う事は?

藤井フミヤ | 2012.10.03

 現在、9月上旬からスタートしたツアー「Fumiya Fujii Concert Tour 2012 Life is Beautiful」で、全国を回っている藤井フミヤ。
 機会があり、ツアー初日直前に行われたゲネプロ(註1)を拝見したが、そのライヴは、ひとことで言うならば“等身大”という言葉がぴったりだったと思う。
等身大とは、“ありのままの”という意味であるが、この一般的な意味の他に、もうひとつ、別の意味が加わったのが、藤井フミヤの“等身大”ではあるまいか。
 それは、何か。歴史である。
 本人の歴史に加え、自身が歌って来た歌の歴史……もっと言ってしまえば、その歌の向こうにいる聴き手の歴史も含まれている場合もあるだろう。
幾多の歴史を背負っている。それだけ年齢を重ねている。この事実こそ、藤井フミヤの等身大、ありのままの藤井フミヤなのだ。
 彼は、今日もステージに上がる。等身大の姿で。


―ツアーがスタートして約2週間。今、感じている手ごたえを教えてください。

フミヤ:
すごくまとまりが良くなって来たし、全体的には大人なライヴになっている気がします。今回“あっと言う間に終わってしまっていたライヴ”というのが、自分の中では、ひとつの大切なポイントだったんですよ。セットリストは、必然的にミディアムとバラードが多くなるから、そういう中でもあっという間に……と、感じさせる演出みたいなのは、スタート前からいろいろ考えていったんです。で、いざやってみたら、そこが予想以上にうまくいってるなという印象はありますね。

―今、改めて、初日を振りかえってみて思う事は?

フミヤ:
初日に点数をつけるとしたら、正直やっぱり1番低かった。自分では、緊張している気は無かったけど、結構、力んでいたと思う。だから声もスムースじゃなかったし、ギターも間違えたり。

―“声もスムースじゃなかった”というのは、具体的にはどういう状態だったんですか?

フミヤ:
イメージ通りに歌えていなかった。例えば、歌ってて、いつもは楽勝で出る音域なのに、スムーズに出ない……すごく頑張らないと出ないとか。これは俺の中での感覚なんだけど、普段歌うボーカルのボリュームが、平均90%くらいなんですよね。もちろん、バーンて声を張るところは、100%、それ以上出すんですけど。でも初日は、平均、110%くらいで歌ってた。力んじゃって、明らかに、空回りしてましたね。だからライヴが終わって、打ち上げで居酒屋に行った時、ちょっとテンション、低かったんですよ(笑)。疲れたとかじゃなくて、いろいろ当日のライヴの事を思い出して、反省モードに入ってしまったというか。

―その反省モードから、次のライヴまで、どうやって気持ちをチェンジしていったんでしょうか?

フミヤ:
物理的な問題は、スタッフとすぐに話して改善しますね。でも、結構大切なのは、自分の気の持ち様で。そこは、もう……半分、開き直る感じ(笑)。あれこれ考えないで、力を抜いて気持ちを楽に持った方が、実際に出来がいい時も多いんですよね。

―フミヤさんの中で“出来がいい”と思うライヴの条件は何ですか?

フミヤ:
やっぱり声。イメージ通り、イメージ以上に歌うことが出来ているかって事ですね。そこをクリアするのは最低限なんだけど。あとは、全体的な流れとかかな。お客さんの雰囲気も良くて、いい波に乗る事ができた時は、いいライヴだなって思いますね。

―なるほど。今おっしゃった“いい波”というのを、もう少し具体的に教えてください。

フミヤ:
こう……ライヴで、いろんな事がうまく回っていくと、会場にいい波が立つっていう感じ。で、自分がうまくその波に乗ると、ボードが勝手に進んでいくような感覚があるんですよ。でもこの波は、俺だけで作ろうと思っても、作れる波じゃないんですよ。しかも、会場の大きさとか音の条件とか、観客にファンクラブの会員が多いとか少ないとかは、まったく関係なくて。初めて行った場所でも、すごくいい波が立つ事があるんですね。そういう時は、バンドのサウンドもいいし、MCもすごくいい。ライヴ中に、どんどん良くなっていくんです。ライヴ中、なるべく、そういういい波が立つような状況を作っていく事が、俺の役目だと思ってますね。

―波が立つように、誘導していくような……?

フミヤ:
そう。で、そういう、いいライヴの時は、ハプニングも相乗効果になったりするんですよね。

―例えば、歌詞を間違ったりするような?

フミヤ:
いや、もっとデカいハプニング。例えば、音が途中で出なくなっちゃうとか。演奏を途中で止めなくちゃいけないくらいの大きなもの。

―どちらかというと、ハプニングよりも、アクシデントに近いような出来事。

フミヤ:
そう。まさにそんな感じの(笑)。

―では、現ツアーの話からは少し脱線しますが……これまでのライヴの中で、最大のハプニングは?

フミヤ:
初めてF-BLOODでライヴ(※註2)やった時。場所は福岡だったんだけど、雪で交通がストップして、会場に楽器がまったく届かなかったという(笑)。

―えぇええ?!(一同驚)それで、どうしたんですか?

フミヤ:
急遽、地元の楽器屋から借りました。当日、朝からスタッフが走り回ってとにかく楽器あるだけ掻き集めて。当時のバンドはキーボードが2人いたから,
キーボードだけでも……8台以上必要だったはずなんですよね。ギターも2人いて、軽く10本以上は使ってたから、掻き集めても、全然足りなかった(笑)。なんかもう……全員開き直って”どうにかなるだろう”って。逆にいつもよりも、なんか燃えちゃったりしてた(笑)。結局、ギターなんて2バンドで使い回しだったし、パーカッションで入ってた、スティーヴ(衛藤)なんて、その辺からドラム缶拾ってきて、やってたからね(一同大爆笑)。どうにかなる、じゃなくて、もう……正確にはどうにかしたって感じで。スタッフもメンバーも、みんなすごかったですよ。“あぁ、こういう時対処できるのが、プロなんだな”って思いましたね。でも、その日は、すごくいいライヴになったのを覚えてますね。

―すごいエピソードですね(笑)。その日の打ち上げは、違う意味で盛り上がったんじゃないんですか?

フミヤ:
異様にテンションが高かったですよ(笑)。こういうハプニングも、うまくライヴの流れに乗る場合もあるんですよ。で、そういう時は、本当に誰も想像できないような良さが出てきたりする。それがわかってるかどうかは知らないけど、お客さんも、ハプニングを喜んだりしますね。

―そうですね。ハプニングが、お客さんにとって、その日だけのスペシャル感、ライヴのレア度を上げるというのもあると思います。

フミヤ:
あぁ、なるほど。そういうのもあるかもしれないですよね。

―現在進行しているツアーでの、自分の中での目標、テーマは?

フミヤ:
今回のツアーは初めて行く場所も多いし、俺のライヴを初めて観る人も多いと思うんですよ。だからその人達の心を掴むために、藤井フミヤの持っている全てのテクニックを、全力で出していこう、というのは、すごくありますね。新しいファンに、たくさん出会いたいと思うから。

―その、テクニックというのは、ボーカルのテクニックという意味?

フミヤ:
そう。基本にあるのは、いつでも歌だから。

―では、他に要素があるとしたら?

フミヤ:
年相応という言葉が適切かわからないけど、今の年齢なりのライヴを見せたいと思ってます。頑張り過ぎてもいないし、もちろん手を抜いてもいない。そういう等身大の自分を見せたいなと思ってますね。

―なるほど。今の年齢を感じさせるライヴという事ですよね。そこで伺いたいのは、巷がイメージしている50歳と、フミヤさんの中での50歳って、違いがあるんじゃないかって事なんですよ。例えば「今年で50歳になりました、藤井フミヤです」って自己紹介したら、たいていの人は、50歳に見えないと驚く。そこの違いは、どうとらえてます?年齢について考える事あります?

フミヤ:
あぁ、なるほど。……その話の答えに直接つながらないかもしれないんだけど、昨日、自分の年齢を考える機会があって。たまたまテレビを観ていたんだけど、その番組の中で、55歳のおじさん4人と11歳の子供4人でリレーをしていたんですね。55歳って、俺の5年後の年齢じゃないですか。で、その人達の走り方を見て、愕然としちゃったんですよね(笑)。“えぇええ! 55歳って、こんな走り方するのか!”ってくらいに、驚いたんですよ。普通に考えたら、5年後の自分もこうなっているかも……いかんいかん、俺も気をつけなきゃ、と。 5年後この走り方してたら、俺ヤバいな―って、ちょっと真剣に考えたりしたんですよね。

―それは、大丈夫だと思いますよ。ほぼ毎年ツアーして、あれだけ動いて、しっかり足腰の筋肉を使ってるんですから。

フミヤ:
うん、それなりには。だからやっぱり、動けるうちは、しっかりパフォーマンスしますよ。

―体が、自分のイメージ通りに動くうちは、踊りも見見せたいという意識もあると?

フミヤ:
うん、そこはもちろん、ありますね。前回のインタビューでも名前が出たけど、大先生みたいないい見本として、ミックジャガーがいるし。近くに寄ったら50代だけど、引いて見たら、そうじゃない、全然若い、みたいな(笑)。そういう……自分にとっても無理のない見え方が、一番いいと思ってます。

■註1
初日の前に、本番同様に行うリハーサル。

■註2
F-BLOODとは、藤井フミヤと藤井尚之の実兄弟ユニット。両者は、1983年、チェッカーズのメンバー(兄:フミヤがボーカル。弟:尚之がサックス)として共にデビュー。チェッカーズ解散後は、それぞれソロ活動を行っている。話に登場する“初ライヴ”とは、1995年12月27日、尚之の誕生日に福岡マリンメッセに行われた兄弟のジョイントライヴの事。当時、このユニットは正式には活動しておらず、この日のライヴのタイトルにもなった「F-BLOOD」が、後日、活動スタートする際、ユニット名になった。

【構成・取材・文:伊藤亜希】

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リリース情報

Life is Beautiful

Life is Beautiful

2012年07月11日

SMAR

1. Life is Beautiful
2. なんかいいこと
3. 三毛猫のキーホルダー
4. 今、君に言っておこう
5. 点線
6. 赤いスイッチ
7. 突然に完全な空前の一目惚れ (2012Album Mix)
8. Me too I love you
9. Next Dream
10. 君に会えてよかった (2012Album Mix)
11. 銀河放浪
12. 僕らの人生 (2012 Album Mix)
13. 愚か者の詩

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Winter String(初回盤)

Winter String(初回盤)

2012年10月31日

SMAR

ディスク:1
1. Another Orion (Strings Orchestra ver.)
2. 透明人間
3. Endless Snow (Still Snowing Mix)
4. Snow Crystal (Chamber Orchestra ver.)
5. 彼女のタンバリン
6. へそまがりSweetHeart
7. 終わらないでクリスマスイブ (GOTA Re-Mix)

ディスク:2 (DVD)
"Life is Beautiful"Premium Live
supported by Billboard Live Tokyo
1. TRUE LOVE
2. 突然に完全な空前の一目惚れ
3. なんかいいこと
4. 今、君に言っておこう
5. Another Orion
6. わらの犬
7. 点線
8. 愚か者の詩
9. Life is Beautiful

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お知らせ

■ライブ情報

Fumiya Fujii Concert tour 2012
Life is Beautiful

2012/09/09(日)札幌市教育文化会館大ホール
2012/09/13(木)瀬戸市文化センター
2012/09/15(土)びわ湖ホール・大ホール
2012/09/16(日)熊本市民会館
2012/09/21(金)渋谷公会堂
2012/09/22(土・祝) 渋谷公会堂
2012/09/29(土)オリックス劇場
2012/09/30(日)オリックス劇場
2012/10/03(水)六カ所村文化交流プラザ スワニー
2012/10/05(金)黒磯文化会館
2012/10/06(土)仙台イズミティ21
2012/10/08(月・祝)中標津町総合文化会館しるべっとホール
2012/10/10(水)音更町文化センター
2012/10/13(土)大宮ソニックシティ・大ホール
2012/10/14(日)大宮ソニックシティ・大ホール
2012/10/18(木)たつの市総合文化会館赤とんぼ文化ホール
2012/10/20(土)サンポートホール高松・大ホール
2012/10/27(土)紀南文化会館
2012/10/28(日)堺市民会館
2012/10/31(水)大阪国際会議場メインホール
2012/11/01(木)三島市民文化会館
2012/11/03(土・祝) 越前市文化センター
2012/11/04(日)加古川市民会館大ホール
2012/11/08(木)戸田市文化会館
2012/11/10(土)神戸国際会館こくさいホール
2012/11/11(日)守山市民ホール
2012/11/14(水)かつしかシンフォニーヒルズモーツァルトホール
2012/11/17(土)渋川市民会館
2012/11/18(日)秦野市文化会館
2012/11/21(水)東金文化会館 大ホール
2012/11/23(金・祝)名古屋国際会議場センチュリーホール
2012/11/25(日)結城市民文化センターアクロス
2012/12/01(土)新潟県民会館
2012/12/02(日)須坂市文化会館メセナホール
2012/12/06(木)Bunkamuraオーチャードホール
2012/12/07(金)Bunkamuraオーチャードホール

Fumiya Fujii Special Live 2012
Winter String

2012/12/15(土)神奈川県立県民ホール 大ホール
2012/12/16(日)大阪国際会議場メインホール
2012/12/23(日)広島アステールプラザ・大ホール
2012/12/24(月・祝)福岡サンパレス
2012/12/28(金)大阪国際会議場メインホール
2012/12/30(日)東京国際フォーラムホールA
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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