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極めてシンプルで自身らしいやり方にて貫かれた、キマグレン初の日本武道館ライヴ

キマグレン | 2012.10.29

 デビュー5周年YEARのクライマックスとも言える初の日本武道館ワンマンをキマグレンは極めてシンプルで彼ららしいやり方で貫いた。

 ライブのタイトルの「ON THE BEACH ?武道館を海にしよう?」、波のBGMと深いブルーのライトが包み、ふだん以上に幅広い世代のレンジャー(=ファン)が開演を待ちわびる中、なんとKUREIとISEKIはアリーナの観客用の扉から登場!いつもどおり白シャツ、白短パン、もちろん裸足の二人に降り注ぐ歓声、嬌声、男子の野太い声! そのままアリーナ後方に設置された小さなステージに駆け上がり、1曲目は二人だけの「君を忘れない」。<♪壊れかけた言葉や想いを 紡いでいく気持ち♪>このフレーズに彼ら自身のこれまで、と同時に今の日本(というと少し大げさだが)に自然と思いを馳せてしまい早くも熱いものがこみ上げる。 強い所信表明ともいえるオープニングからステージへダッシュした二人。「ここはどこー?」(KUREI)、「武道館―!」(お客さん)、「え??ここはどこー?」(KUREI)、「海―!」(お客さん)と“武道館を海にしよう大?作戦“に会場中が乗っての「海岸中央通り」のアッパーなラテンテイストに、先ほど入場前に北の丸公園で感じたキンモクセイの薫りを忘れるほど夏に引き戻される。ISEKIはアコギをかき鳴らし、伸びやかな声をさらに遠くまで届くように放ち、KUREIはステージの端から端まで動きまくる。最初のMC「一言だけ最初に言わせて。“遊びに来てくれてありがとう”じゃなくて、ここにはみんなが連れてきてくれたんだよ!」(KUREI)にさらに盛り上がるレンジャー。祝福感が高まっていく。

 ベストアルバムの選曲を踏襲した9月の音霊とも違って、インディーズ時代から今に至るキャリアからの選曲もいいバランスで、イントロ一発で女子の黄色い歓声が響いた「ハナレテワカルコト」の切ない歌詞とダンスホールテイストの曲調のハマり具合、ジャングルの夜のような鳥の声とプリミティヴなビートが誘うロマンティックな「月光浴」、大きなステージならではのバンドアンサンブルの精緻さが光った「約束の丘」は、前半のハイライトだった。そして一転、ISEKIが恋の病にかかった風小芝居(失礼!)を打って始まった「SUKI」での「♪す?き?♪」の大きな大きなシンガロング。思えばこんなに大きな声で「好き」って言わないなぁ、うまいなぁなんて感心する。意識して作られてはいないと思うけれど、結果としてキマグレンの歌は誰でもどこか参加できるようにできている。

 全員参加といえばボサノヴァの名曲「マシュ・ケ・ナダ」を歌いながらサンバの裏拍の手拍子を促し、さらには手拍子をしながら左右にスイング、それを波に見立てるというムチャぶりコーナー、これが意外と波に見える!笑えるのが<♪オパー、オパー、オパー♪>の後に<ハイハイ!>の合いの手が入るあたり、ボサノヴァと盆踊りの融合かっ!と大笑いしてしまう。サンバつながりで「愛NEED」に突入したあたりから武道館を“ホーム化”、温かなプロポーズソング「トコシエ2012」ではKUREIが両手を大きく広げて何千人一人ひとりの声を受け止めるアクション。歌い終えて深々とおじぎをする二人に、派手な演出やギミックがここまで何もないことを逆に思い出された。しかし気は利いている。「キマグレンさま、緊急のお電話が入っております」(またまた小芝居)という場内アナウンスにレンジャー騒然、電話の相手がゆずとわかってさらに騒然。ぶしつけな(演技)先輩からのエールを力に換えて、終盤までさらにエネルギーを加速させる二人、そしてバンド。ISEKIのギターのイントロ一発に凄まじい歓声が沸いた「LIFE」は同時にタオルもブン回り、この日最高の熱量が武道館を覆う。そして本編を終える前のMCで再び、「ここにいるのはみんなのおかげ」と感謝を繰り返しつつ、「でもここがゴールじゃなくてスタート。そういう思いを込めて歌います」(KUREI)の言葉通り、より丹念に思いを込めた「I BELIEVE」。オフマイクでKUREIが「聴かせてもっとー!」と声を出すたびに大きくなっていく<♪フレー、フレー♪>のシンガロング。ステージ上もアリーナもスタンドも力を出せば出すほど、温かな気持ちになる、そんなキマグレンならではの大舞台の戦い方・楽しみ方を目の当たりにした本編ラストだった。渾身の本編23曲。

 すぐさま始まる「LIFE」のシンガロングに導かれるように登場し、アンコールに応える。中でもこの日最強の嬌声をもって迎えられたゲスト、小田和正(!)との「笑顔の花」が聴けるというサプライズも。大先輩の登場にむしろ和んだという肝の据わったISEKIは心持ちその後さらに力強く歌い上げ、KUREIはこの日のために用意した詩「歩(あゆみ)」を朗読。最新にして、この先の未来に繋がる大切な1曲「バトン」でしっかりと足跡を残すように、この日のライブを締めくくった。

【取材・文:石角友香】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル キマグレン

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リリース情報

ON THE BEACH~きまぐれBEST~(初回限定盤)

ON THE BEACH~きまぐれBEST~(初回限定盤)

2012年07月11日

ユニバーサル シグマ

ディスク:1
1. LIFE
2. リメンバー
3. 愛NEED
4. two友
5. IT’S MY 勇気
6. ENDLESS SUMMER
7. 海岸中央通り (Album ver.)
8. トコシエ2012
9. 君のいない世界
10. サヨナラの朝
11. 蛍灯
12. あえないウタ
13. I BELIEVE
14. 笑顔の花
15. バトン
ディスク:2
1. 天国の郵便ポスト
2. あえないウタ
3. 君のいない世界
4. 蛍灯 (English Ver.)
5. LIFE (Smart Sports ver.) (STUDIO APARTMENT Remix)
6. two友 (Remix Ver.)
7. リメンバー (DAISHI DANCE Remix)
8. バトン (STUDIO APARTMENT Remix)

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セットリスト

キマグレン LIVE at BUDOKAN 2012
ON THE BEACH~武道館を海にしよう!~
2012.10.14@日本武道館

  1. 君を忘れない
  2. 海岸中央通り
  3. P.S
  4. ガンバレロボ
  5. IT’S MY勇気
  6. ハナレテワカルコト
  7. 相アイ傘
  8. 月光浴
  9. 約束の丘
  10. サヨナラの朝
  11. SUKI
  12. BEACH BOYZ
  13. 想い思い
  14. 泥だらけのHERO
  15. 愛NEED
  16. 君のいない世界
  17. 真夏の夜のシンデレラ
  18. トコシエ2012
  19. 恋がよんでる
  20. ENDLESS SUMMER
  21. リメンバー
  22. LIFE
  23. I BELIEVE
ENCORE
  1. あえないウタ
  2. 笑顔の花 feat. 小田和正
  3. 僕の住む街
  4. Hello
  5. バトン
  6. 恋熱

お知らせ

■ライブ情報

KIRIN プラス-アイ presents
“100万人でつくろう元気のうた”LIVE
KAN×キマグレン×一青窈

2012/11/05(月)SHIBUYA-AX

四国大学第52回芳藍祭
2012/11/10(土)四国大学 体育館特設ステージ

RollingStone presents
THE ROCK FACTORY Vol.3 WEST

2012/11/23(金・祝)堂島リバーフォーラム

吉田山田×キマグレン
2012/12/10(月)名古屋クラブクアトロ

音霊番外編 〜聖夜までの7日間〜2日目
2012/12/18(火)横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール

アメリカン・エキスプレスカード
“MY GREEN WAY 世界記録に挑戦!プロジェクト”

2013/03/05(火)SHIBUYA-AX

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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