Applicat Spectraが、渋谷パルコpart１に拠点を持つSOCIAL TV STATION『2.5D』と連携し、ある種、実験的とも言える『Applicat Spectra LIVE STREAM「Netscapes 1stGIG」supported by 2.5D』を行なった。この試みは、3ヶ月連続で行われるもの。かつての取材でも“映像とコラボしてみたい”とメンバー自身も語っていたくらいだから、非常に興味深い。
2.5Dスタジオは「3面プロジェクション」……つまり、ステージが白い壁に囲まれ、ここに映像を投影し、独特の雰囲気が体感できる場所。さらに、当日の様子は生配信され、かつ会場では実際のライブも楽しめる。
第1回目となった11月22日は、「私立恵比寿中学」「world’s end girlfriend」などの制作も手がけるGraphersRockが映像演出。そこに、ソーシャルメディアを中心に活動するMaltine Recordsの主催者でもＤＪでも活躍中のTomadが参加。

　まず開演時間になるとTomadが登場、プロジェクターで映し出される映像に、覚醒的なサウンドをからめていく。そう、まずはこのDJタイムで場内はクラブのようなムードへ。通常のライブ空間とは異なる空気に驚くファンもいたかもしれないが、ライブに向けてDJが盛り上げるスタイルは、昨今ではポピュラーだ。さて、このあとにいよいよApplicat Spectraがステージへ。目まぐるしく展開する映像の中、「アルペジオ」「イロドリの種」などをプレイ。サウンドと映像が交差して、すごく不思議な感覚に陥る。MCでギターのイシカワケンスケは「ネットの中継もあって、いろんな人に見てもらえて嬉しいです。いろんな方とコラボしていきたい」と、今回の試みに対する抱負を語った。そして3曲目には新曲「インスピレーション」をお披露目。後半は「神様のすみか」、そして「セントエルモ」など、ライブでもおなじみのナンバーをプレイし、ライブを盛り上げた。目の前のオーディエンスはもちろんだが、おそらく画面越しにライブを楽しんだファンも大勢いたことだろう。ベース＆ボーカルのナカノシンイチも「画面を見ている人にも向かってしゃべります」と、広がりを意識した言葉での挨拶が印象的だった。トータル5曲はあっという間だったが、新たな楽曲の表現方法という意味に置いて、新鮮なライブだったことは間違いない。

　続く12月20（木）の第2弾では、「Day Tripper Records」を主宰するseihoと新進気鋭のトラックメイカーAvec Avecのユニット・Sugar’s Campaignと、seihoの盟友でもある映像作家・UKYO Inabaの出演が決定。

　さらに第3弾では、ニコニコ動画で注目を集め、「ボカロ界の貴公子」としてカリスマ的な人気を誇る『八王子P』が登場する。また、VJにはネット系クリエイター「ヒゲドライバー」とコラボした映像作品を制作して話題の吉田恭之が参加するとのことで、この先も目が離せないコラボが控える。これから足を運ぶファンには、ライブという概念にとらわれず、ぜひリラックスして音と映像に身をゆだねていただきたい。

【取材・文：海江敦士】