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UVERworldという守るべき大切なモノ

UVERworld | 2013.02.18

 2012年11月28日に、UVERworldがこの世に産み落としたアルバム『THE ONE』。
 そこには、2010年の11月27日に立った東京ドームの1曲目として作られた「NO.1」から現在までの想いと、一丸となってこのアルバム作りに挑めた自負が込められているという。
 この日。私は、彼らがこのアルバムに詰め込んだ、揺るがぬプライドと、UVERworldというバンドを愛するオーディエンスのプライドを見せつけられることとなった。

 2013年1月31日Zepp Diver City。
開演時間が近づくと、オーディエンスはところどころで円陣を組み、今、間のなく始まろうとしているUVERworldと共に過ごす時間に、力強い声を上げ、気合い入れを始めた。かなりやる気である。さすがUVERworldファン。本気のバンドには本気のファンが付くモノだ。ライヴ前に、こんなにも気持ちを駆り立てられたのは初めてと言ってもいい。もはや、この時点で、この日のライヴの成功は見えていた。
 フロアの照明が落とされ、SEの「THE ONE」が流れると、オーディエンスは砂浜に押し寄せる波のように、一気にステージへと攻め込んだ。“UVERworld”という女性ボーカルのフレーズに声を重ねるオーディエンス。その声に答えるように、真太郎は力強いドラムソロを返した。始まった。克哉、信人、彰は定位置に付くと間髪入れずに爆音を放ち、TAKUYA∞はステージ下手から全力でステージ上手まで走り出た。そのまま走り抜けてしまうのではないかと思ったほどの勢い。全力疾走の短距離走を思わす勢いである。フロアで気合い入れをするオーディエンスに負けちゃいられない、と言ったところであろうか。ぶつけ合う熱さにたまらなく胸が締め付けられた。

「覚悟決めろよ! 今日、俺の声の寿命、全部持ってく覚悟でぶつかって来いよ! 俺も、俺の声の寿命、今日全部ここで使い果たしてもいい覚悟でやっからよ! オマエらも覚悟決めてかかって来いよ!」
 TAKUYA∞は叫んだ。
いつも全力でぶつかっているTAKUYA∞故、私はこのとき、その言葉の意味をそこまで深く探ろうとしなかったのだが、終演後、メンバー3人が酷く風邪をひいていたことを知ったのだ(後日、倒れたほど酷い風邪だったという)。TAKUYA∞もそう。終演後の挨拶も気丈に、いつもの明るさで大勢の関係者と挨拶を交わしてはいたが、その喉は限界をとっくに超えていたに違いない。だからこそ、彼はこの日、自分に負けたくなかったのだ。だからこそ、いつも以上に自分を奮い立たせていたのだ。まったくTAKUYA∞らしくて呆れてしまった。そんなTAKUYA∞をしっかりとサウンドで支えようと、克哉、彰、信人、真太郎もいつも以上に我武者らだったという訳である。

 「好きなようにやれ。そして、俺に指図をするな」
TAKUYA∞の言葉から始まる「Don’t Think. Feel」。TAKUYA∞、そして、UVERworldの生き様そのものを歌った『THE ONE』のリードトラックでもあるこの曲に、オーディエンスは力強い拳で応えた。このアルバムから新たなるUVERworldを切り開いた彼ら。マイクを両手に持ち、声質を使い分け、歌を楽器のようにサウンドに絡めていくTAKUYA∞の声に、克哉、彰、信人も声を重ねる。

 “このスタイルは、誰にも奪えはしない???”
まさに。彼らこそのスタイルがそこにはあった。多くの若者が、彼らの生き方に憧れる意味を改めて噛み締めた。
 かと思えば、おきまりの真太郎の下ネタ混じりの(いや、混じりではない、純度100%の下ネタであるが・笑)MC。しかし。これも、重要な箸休め。熱いばかりではなく、ストイックばかりで自分を押し殺すのではなく、実に素晴しくこの緩さを持ち合わせられるのは、ドラマーとしてももちろん、人間としても尊敬すべきところであると常々思う。
 柔らかい印象でありながらも、しっかりと自分の意見を持ち、真っ直ぐにギターを愛する克哉と、ムードメーカーでありながら、好奇心旺盛にサウンドに向き合う信人と、最年少とは思えない落ち着きを持ち、ストイックでアーティスト気質の彰。最年長でありながら、一番やんちゃで猪突猛進。絶対に負けは認めないという、すべてのことに真っ向勝負な、呆れるほど素直な男TAKUYA∞。UVERworldは、実にいいバランスで成り立っているバンドなのである。
 絶対的な存在感を放っていた「NO.1」と、ロックバンドとしてのスキルを見せつけられたインストの「Massive」、そして、UVERworldというバンドが初めてアップライトという楽器をそのサウンドに取り入れた、新境地でもあった「REVERSI」。
 それらの楽曲たちは、しっかりと『THE ONE』の意味をオーディエンスに知らしめたことだろう。

「俺さ。もう悩むのやめたんだよ。昔、みんなに話したことあったよな。俺に、“もうCDも売れなくなってきて、音楽業界も先が見えないから、TAKUYA∞くんも今のうちから飲食業とか服飾とか、なんか潰しがきくモノ持っといた方がいいよ”って言ってきたレコード会社の偉いオジさんが居たって。その人にさ、またこの前会っちゃったんだよ。そしたらさ、また“もう音楽業界はダメだ。CDも売れなくなっちゃって”って同じこと言ってたんだよ! 俺さ、心ん中で、“オマエは何年同じことで悩んでんだよ!”って突っ込んじゃったんだよね。それ聞いたらさ、なんか、悩むのバカバカしくなっちゃって。もう悩まず生きていこうって思ったんだよね。やりたいことおもいっきりやって、とことん楽しんで生きてやろうって。そしたらさ、すっげぇ楽になったし、楽しくなってきたんだよ、人生がさ。いいか、兄弟! オマエらも、俺で言うコイツら(克哉、彰、信人、真太郎)みたいな、UVERworldみたいなもん見つけろよ! どうか、大切なモノを持って、プライド持って生きて下さい」

 そして。TAKUYA∞はこう付け加えた。
【ただ、ここで熱くなるだけじゃダメなんだよ! オマエら自身で見つけるんだぞ! 熱くなれるモノ。守れるモノを。俺が、何年もかけてコイツらとプライドかけて作ってきたUVERworldみたいなもんを、オマエらも、どうか見つけて下さい! そして、悔いなく生きて下さい!】
 と???。その言葉に、轟音のような大きな叫び声を響かせたオーディエンス。
 ファンたちを“兄弟”と呼ぶ彼らと、彼らに“兄弟”と呼ばせる熱さを宿すファンたちを、こんなにも、全てを注げる情熱がある彼らとオーディエンスを、心の底から愛しく思った。
 そう。ただ熱くなるだけではダメ。
最初は、彼らの生き方を真似するのもいい。でも、いつか自分だけにしかない大切なモノを見つけ、しっかりと目指すところを決め、自分の信じた道を一歩ずつ前に進んでいってほしい。賛否をくれる人たちとの出逢いは必然。成功ばかりではなく、失敗も必然。経験したそのすべては、いつか自分の糧となる。そう信じて、TAKUYA∞の言うように強く生きてほしい。
 2013年1月31日。UVERworldというプライドに、背中を押された夜だった。

【取材・文:武市尚子】
【撮影:鳥居洋介】

tag一覧 UVERworld 男性ボーカル ライブ

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リリース情報

REVERSI(初回盤)

REVERSI(初回盤)

2012年12月25日

ソニー・ミュージックレコーズ

ディスク:1
1. REVERSI
2. セオリーとの決別の研究+81
3. ace of ace [LIVE at Yokohama Arena 2012.07.08]
4. CORE PRIDE [LIVE at ZEPP TOKYO 2011.07.27]
ディスク:2
1. Talking about “U”-THE ONE- ~interview with UVERworld~
2. バーベル ~皇帝の新しい服ver.~ [LIVE at Yokohama Arena 2012.07.08]

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■ライブ情報

UVERworld LIVE TOUR 2012~13 秋冬
2013/02/21(木)仙台RENSA
2013/02/25(月)ZEPP NAMBA
2013/02/26(火)ZEPP NAMBA
2013/02/28(木)ZEPP DiverCity

UVERworld ARENA LIVE 2013
2013/03/06(水)大阪城ホール
2013/03/07(木)大阪城ホール
2013/03/13(水)横浜アリーナ
2013/03/14(木)横浜アリーナ

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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