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集大成と未来のそれぞれを感じさせた、ゆずの横浜アリーナ6Daysの初日をレポート!!

ゆず | 2013.03.05

 北川と岩沢とがステージ上で握手して、ライブが始まっていった。『YUZU ARENA TOUR 2012/13 YUZU YOU ~みんなと、どこまでも~』の横浜アリーナ6DAYSの初日、2月8日。「虹」のサビを導入部にして、「1~ONE~」へ突入していくスケールの大きなオープニングだ。伸びやかな歌声とダイナミックな演奏がグイグイ入ってくる。この曲の中の“♪僕等は1つ”という歌詞どおりにゆずの歌声と会場内の歌声とがひとつになっていく。「シシカバブー」では音玉が炸裂して、ダンサーが6人登場するというど派手な演出の中でエネルギッシュな演奏。ゆずと“YUZU YOU BAND”とのアンサンブルをバッチリ見せる。「帰ってきました~。ただいま~!」という北川の挨拶に、「おかえり~」という客席からの返答。冬のツアーということで、冬が舞台の懐かしいナンバーも演奏された。雪の映像が流れる中で、人懐こいゆずの歌声と人間味あふれるバンドの演奏が会場内を温めてていく「みぞれ雪」、せつない北川の歌声がじわじわと染みてくる「しんしん」。岩沢の包容力を備えた深みのある歌声が絶品だったのは「from」だ。

「ツアーやってて、色んなことがありました。年越しライブ、誕生日ライブ、インフルエンザ。ご心配をおかけしましたが、完全復活してますので、よろしくお願いします」と北川。実は北川がインフルエンザにかかって福井公演が延期になるアクシデントもあったのだが、この日はゆずのふたりの気合いがガンガン伝わってくるステージだった。「またあえる日まで」では観客が年代別に歌に参加する演出。80代の観客もいた。ツアータイトルの“みんな”とは本当に“みんな”だった。幅広い年齢層が一緒になって歌う光景も感動的だった。これはゆずならではと言えるだろう。

 圧巻だったのは「Wonderfurusato 2 YOU」と名づけられたメドレー。「ワンダフルワールド」、「虹」、「HAMO」、「Hey和」、そしてまた「ワンダフルワールド」へ。それぞれの歌の世界が連動していて、組曲的な構成になっていて、場面転換も見事だった。彼らが社会や世界と向き合って楽曲制作してきた成果がこのメドレーに現れていた。過去のツアーで使われたセットも効果的に使われていて最近の5年間のツアーの集大成的メドレーでもあった。

 壮大な歌の世界がある一方で、パーソナルな歌、身近な歌もある。その振り幅の大きさもゆずの魅力だ。客席の間を歩いて、サブステージへと移動して、ふたりだけの弾き語りコーナーでは「地下街」と「サヨナラバス」が披露された。「地下街」の一節、“♪あなたが好きだから♪”が“♪横浜が好きだから♪”と変えて歌われると、すごい歓声。メインステージに戻っての「陽はまた昇る」では会場内で観客がタオルを回す光景がきれいだった。最新シングル「REASON」ではゆずの多面的な魅力が伝わってきた。1曲の中でこれだけの情報量が詰まった曲はそうはない。そしてこの曲の根底から伝わってきたのは、前に進んでいくんだというアグレッシヴな意志だった。ノスタルジックな雰囲気も漂っているけれど、やはり未来へのまなざしが感じ取れる「また明日」でのみずみずしい歌と演奏も魅力的だった。「いちご」では“いちごダンサー”が登場して、さらに北川が『サタデイナイト・フィーバー』のジョン・トラボルタ風の衣装に早変わりして歌うシーンもあった。「栄光の架橋」はおなじみの名曲だが、この日、彼らの最新の思いが吹き込まれた最新の曲のように響いてきた。本編最後の「with you」はすべての楽曲を受けとめていく器の大きさを備えたナンバー。この曲の後半では「虹」のサビが歌われた。つまり本編が「虹」で始まり、「虹」で終わるという構成となっていて、中盤のメドレーだけでなく、ライブ全体がひとつの組曲のようでもあった。アンコールも“おまけ”ではなくて、思いっ切り凝っていた。アンコールラストの「夏色」では北川が肉まんに生まれ変わって歌う場面もあった。今回のツアー、毎回、ご当地にちなんだものに生まれ変わっていたようだ。サービス精神旺盛。実に盛りだくさんな16年をギュッと凝縮したような3時間あまり。北川のこんなMCも印象的だった。

「インフルエンザになって、こうやってステージに立てること、みんなに会えること、当たり前じゃないんだって、深く深く痛感してます。これからも長くやってく中では病気とかケンカとか、色んなことがあると思うけど何度でも立ち上がって、20年、30年、40年、50年。100年は無理かもしれないけれど、僕たちの音楽を待ってくれている人がいる限り、僕たちの音楽を届け続けます」

 デビューしてから16年の集大成的なステージであるとともに、未来へと向かっていく決意が伝わってくるステージ。“みんなと、どこまでも”というツアー・タイトルに偽りはない。こちらももろろん100年は無理だけれど、できるだけ長生きしてゆずを見続けていきたくなった。

【取材・文:長谷川誠】

tag一覧 男性ボーカル ライブ ゆず

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リリース情報

REASON 【ゆず Ver.】 [初回盤]

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2013年01月09日

トイズファクトリー

ディスク:1
1. REASON
2. 時刻表
ディスク:2
1. YUZU LIVE CIRCUIT 2012 YUZU YOU ~二人で、どこへでも~

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セットリスト

YUZU ARENA TOUR 2012-2013 YUZU YOU ~みんなと、どこまでも~
2013.2.8@横浜アリーナ

  • 01. 1~ONE~
  • 02.シシカバブー
  • 03. みぞれ雪
  • 04. しんしん
  • 05. from
  • 06. またあえる日まで
  • 07. ワンダフルワールド~虹~HAMO~Hey和~ワンダフルワールド
  • 08. 地下街
  • 09. サヨナラバス
  • 10. 陽はまた昇る
  • 11. 桜会
  • 12. REASON
  • 13. また明日
  • 14. いちご
  • 15. 少年
  • 16. 栄光の架橋
  • 17. with you
ENCORE
  • En-1. 翔
  • En-2. T.W.L.
  • En-3. 夏色

お知らせ

■ライブ情報

YUZU ARENA TOUR 2013 GO LAND
2013/06/15(土)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
2013/06/22(土)和歌山ビッグホエール
2013/06/23(日)和歌山ビッグホエール
2013/06/29(土)別府ビーコンプラザ コンベンションホール
2013/06/30(日)別府ビーコンプラザ コンベンションホール
2013/07/06(土)さいたまスーパーアリーナ
2013/07/07(日)さいたまスーパーアリーナ
2013/07/14(日)国立代々木競技場第一体育館
2013/07/15(祝)国立代々木競技場第一体育館
2013/07/20(土)横浜アリーナ
2013/07/21(日)横浜アリーナ
2013/08/03(土)長野ビッグハット
2013/08/10(土)広島グリーンアリーナ
2013/08/17(土)静岡エコパアリーナ
2013/08/21(水)日本ガイシホール
2013/08/22(木)日本ガイシホール
2013/08/25(日)朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
2013/08/31(土)宮城セキスイハイムスーパーアリーナ
2013/09/03(火)大阪城ホール
2013/09/04(水)大阪城ホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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