3月14日、UVERworldのツアー“UVERworld ARENA LIVE 2013”が横浜アリーナで無事にファイナルを迎えた。このツアーは大阪城ホールと横浜アリーナで、それぞれ2DAYS公演で行われたもの。しかも、昨年11月の“ARENA TOUR 2012 Warm-Up Gig”から“UVERworld 2012 アリーナツアー”、そして“UVERworld LIVE TOUR 2012-13 秋冬”という、ライブハウスから大会場を網羅するツアーで、アルバム『THE ONE』をじっくり熟成させてきたのだ。そのファイナル公演ということもあり、開演前から場内の熱気は上がりっぱなし。立ち見エリアもビッシリの、まさに満員御礼で、ファンから放たれる期待感が心地よい。このテンションの中、ライブ本編はドラムの真太郎のドラムセットがステージにせり上がるという演出でスタート。続いて上手にはギターの克哉とベースの信人、下手には晃がやはりせり上がって登場し、最後はステージのソデから勢いよくTAKUYA∞が飛び出して、「7th Trigger」の演奏につなげた。すっかり今回のツアーの顔とも言えるようなミクスチャーナンバーに、場内は一気にトップギアに突入。「正真正銘、今日 がファイナル！　今しかねぇんだ！」とTAKUYA∞が煽り、続く「KINJITO」でも怒濤のグルーヴで押していく。

　前半のMCで真太郎は「今日の横浜アリーナ、ライブハウスみたいですね！　すごく気持ちいいです！」と嬉しそうに場内を見渡した。この日ほどその言葉がピッタリくると感じたことはない。間違いなく、一番後方の席、立ち見に至るまで、バンドの熱が伝わっていたはずだ。ライブは「ace of ace」で観客からコーラスの合唱を呼び起こしたり、仲間についての熱いメッセージがこめられた「23ワード」など、これでもかという選曲で攻めてくる。 後半に差し掛かるブロックではメロディーが美しいミディアムナンバーのシングル曲「THE OVER」を披露。その後、「此処から」ではストリングスチームが舞台の左右からせり上がり、広いステージを活かした演出で感動を誘った。続くインストナンバーの「Massive」では、ストリングス奏者達も残り、バンド演奏とストリングスという、アグレッシヴなコラボで圧巻の見せ場を作る。14曲目「REVERSI」から再びTAKUYA∞がステージに戻ると、ここからが後半戦。
「いつもと同じライブはいらないんだ！　　今日しかできないライブがしたいんだ！」　そんなTAKUYA∞の声に大歓声で応える観客。「GOLD」……「NO.1」「スパルタ」……そしてラスト曲は「CORE PRIDE」。ジャンプする大観衆とバンドのラストスパートに、会場はうねった。ステージと客席の一体感にはゾクゾクするカッコよさがある。熱狂するファンまでもが実にカッコいいのだ。曲が終わり、まだまだ余韻の残るステージからTAKUYA∞は、「明日1日だけ休みをもらって、あさってから曲作りに入ります」と、制作宣言。さらに「俺ら、アンコールやらないんだよ。でも、もう1曲プレゼントしていいですか？」と想定外の1曲、「MONDO PIECE」をサプライズで披露してくれた。ファンには知られていることだが、彼らは予定調和のアンコールは決してやらない。バンドからのリアルなプレゼントに、集まったファンは感激もひとしおだったはずだ。

　手加減なし、全力のパフォーマンスはこうして完全燃焼。アルバム『THE ONE』が感性した瞬間はまさに、感無量の光景だった。楽屋に戻る前、TAKUTYA∞が自分以外のメンバーにもコメントをうながす。ツアーの終わりを「ただただ寂しいですね」と名残惜しそうに語った信人。「今日が俺らのホワイトデー。残さずちゃんと家で食べてください！」と粋な発言をしてくれた克哉。「セット、すごいでしょ？　みんなも含めてすごい絶景でした」と、多くの人とライブを作ったことに感謝の気持ちをこめた彰。「ホントに疲れましたけど、心地いい疲れです」と充実感を語った真太郎。集まったファンも、きっと彼らと同じ意見を持ったことだろう。前進を続けるUVERworld。近い将来、さらにパワーアップした姿を見せてくれる日が楽しみだ。

【取材・文：海江敦士】