結成9周年を迎えた9mm Parabellum Bulletが、9月9日という“9mmの日”に、横浜ブリッツで行ったライヴ『カオスの百年 vol.9』──これでもか、とばかりに9尽くしな、記念すべき日！　ドロップ幕にも、誇らしげに“999”と掲げられていた。ニコニコ生放送とUstreamでも生中継されるということで、全世界(!!)が見守る中、4人が現れ、曲が始まると、ボン！と特効が一発。そしてドロップ幕が9周年バージョンのものにすり替わり、はじまったのは6月にリリースされた5thアルバム『Dawning』の1曲目「The Lightning」。一瞬で2階まで火を点ける。そして、『荒地』、「Lovecall From The World」、「Wanderland」、「Psychopolis」と続き……ん？これは、今までのアルバムの1曲目を、歴史を遡っていく流れじゃないか！　火を点けっぱなしな展開である。

　メンバーを呼ぶ声が止まぬ中、菅原卓郎（Vo, G）が、vol.1も横浜だったこと、その時は『カオスの百年後』だったが、それから“後”を取って続いてきたことを語る。ここ横浜は彼らの結成の地。そういう意味でも、思いは一入だったはずだ。というわけで、特別な試みはどんどん続く。次は、「エレヴェーターに乗って」、「ラストラウンド」、「Wildpitch」という、シングルのカップリング曲の三連発！カップリングというと多少マニアックな印象があるが、演奏後の卓郎の「ここに集まるくらいの奴らだから、カップリングも知っていることだろう」という言葉に大きな拍手が起きていたことからもわかるように、熱狂は高まる一方だった。
　まだまだ止まらないお楽しみ。ステージ上で卓郎が取り出したのは、彼らの初めての音源である自主制作CD『Talking Machine E.P.』。そして、「流す度胸がないから、これから順番に演奏します」と、収録されていた4曲を立て続けに披露したのだ！　これには、オーディエンスの歓喜も最高潮に。「Talking Machine」を筆頭に、キラーチューンばかり。改めて、最初から彼らは飛び抜けたものを持っていたことを思い知らされる。
　続いては、メンバーが一旦退場。スタッフがセッティングしている様子を見ると……アコースティックだ！　リラックスした空気で、卓郎が「14歳になりました」と、誕生日を迎えたかみじょうちひろ(Dr)を祝福。そして、「Discommunication」へ……と思いきや、終盤で演奏が中断。どうやら滝善充(G)の指がつってしまった様子。それをすかさず「滝の指に神様が舞い降りた」とフォローする卓郎。そして再び「Discommunication」を演奏し、「キャンドルの灯を」、「The Revolutionary」と畳み掛け、アコースティックと言えどもスパイシーな、彼らの個性が剥き出しになった時間を締め括った。
　さらに、「Vampiregirl」からは、映像を取り入れた演出へ。魅せて聴かせるだけでオーディエンスをねじ伏せられるバンドながら、この日は、それに加えて、楽しみたい貪欲さと、楽しませたいファン思いな心が炸裂し、エンターティナーぶりを存分に発揮していた。ステージとフロアの一体化は加速していき、「新しい光」の大合唱を経て、「The Silence」でカオスを極めて本編を終えた。

　アンコールを求めるオーディエンスの前に、重大発表が映し出される──2014年2月7日と8日に日本武道館にて、結成10周年を記念したライヴが決定！　彼らの歩みは止まらない。10月から始まる『Breaking The Dawn Tour 2013』後半戦、そして武道館公演も楽しみだ！

【取材・文：高橋美穂】
【撮影：橋本塁】