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藤巻亮太、弾き語りツアーの東京公演を速報レポート!

藤巻亮太 | 2013.10.01

 2012年2月29日に、「光をあつめて」でソロとしての一歩を踏み出した藤巻亮太。
 彼は、その同じ年の10月に『オオカミ青年』という1枚のアルバムを完成させ、いままで以上に“自分のままで書かれた歌詞”と、いままで以上に“やりたいことを形にした音”を届けてきた。
 そして今、2013年の秋。そんなオオカミ青年・藤巻亮太は、ギターだけを持って1人、明日を歌う旅に出た――。

 藤巻亮太が赤阪BLITZのステージに立ち、ソロアーティストとしての活動をスタートさせた2012年4月12日から、早くも1年と約半年が経とうとしている。
 彼は、2012年2月29日に「光をあつめて」でソロデビューしてから、いろんなことを想い、いろんなことを考え、ソロだからこそ唄えるようになった歌たちを、時間をかけて生み出し、そして唄い届けてきた。
 ときに、“泣くもんか負けるもんか 夢ならばここにあるだろう”と思う日もあれば、ときには“太陽はどこだ太陽はどこだ”と叫ぶ日もある。“牙を剥けばオオカミ 群れに身を寄せりゃヒツジ”。自分の中のオオカミとヒツジがせめぎあう中、自分自身と闘いながら、藤巻亮太は、今日も唄を作り続け、唄を唄い続けているのだ――。

 2013年9月23日・恵比寿ザ・ガーデンホール。藤巻亮太は、アコギだけを持って、たった1人でそのステージに上がった。いつもバックでサウンドを支えてくれているサポートメンバーたちの姿はそこにはない。今回のツアー『明日の歌旅 2013』は、正真正銘の“1人旅”なのである。
 ステージ下手から姿を現した藤巻は、ゆっくりと中央へ歩みを進めると、ペコリと頭を下げて椅子に腰掛けると、静かにアコギを構えた。
 特別な装飾がある訳ではない、とてもシンプルなステージ。そこから放たれた、藤巻の奏でるアコギの音色と藤巻の声は、いつも以上に真っ直ぐに聴き手である私たちの心にぶつかってきた。シンプルだからこそ、伝わってくるモノは深く、濃い。
 細かく力強いピッキングが印象的だった「ハロー流星群」。アコーステックギターならではの、ほっこりとした音色に乗せられた声が、いつもに増して丸く柔らかに響いたツアータイトルにもなっている新曲「明日の歌」。藤巻は、1曲1曲ギターを持ち替え、曲に合わせて丁寧にチューニングし、曲たちの持つ個性と表情に向き合った。アコーステックライヴに向けてアレンジしなおされた既存曲たちは、この日ならではの温度を宿し、オーディエンスをいつもと少し違う世界に誘った。
「いやぁ、なんか緊張するね(笑)。今年の1月2月にツアーがあって、そこからずっと曲作りをしていて、ちょっと煮詰まっていたんですよ。そしたら、スタッフから、“弾き語りツアー”っていう提案があって。“あぁ、それいいね!”なんて少し軽い気持ちでやり始めちゃったんですよ。だけど、実際にやってみるとこれ、結構ハードル高いね(笑)」(藤巻)
 思わず本音を曝け出す藤巻のその言葉に、会場からはクスッと笑いが起こる。オーディエンスは、柔らかく響く声で、生きる喜びや苦しみを唄い届けてくれる藤巻をアーティストとして愛し、どこまでも自然体であるその素顔を、1人の人間として深く愛しているのだろう。そして藤巻も、自分の想いを全身で受け止めてくれるオーディエンスと過ごすこの場所を、どこよりも癒される場所だと感じ、本当の自分を曝け出せるのだろう。まったく1人で届けるという未知なスタイルへの緊張感はあったにせよ、この日の藤巻の心はとても柔らかく解きほぐされていたように感じた。
 藤巻はMCで、友達に語りかける様に、最近の行動や考えていることを話していった。中でも印象的だったのは、アルピニストの野口健氏とアフリカを旅したときのこと。藤巻は、そこで感じ取ったという“生きるということの生々しさ”を再び振り返り、その旅の途中に出来たという新曲や、日々煮詰まり、立ち止まり、歩き出しては悩み、振り返ってみては、また前を向きながら歩き出し、を繰り返しながら生み出したというたくさんの新曲たちを届けてくれたのだった。

 「いろんな道が選択肢としてはある。僕は、自分の歩幅で1歩1歩、歩いていこうと思っています。自分の選んだその道を信じて、そこにある出逢いを、この先もどんどん繋げていけたらと願っています」
 藤巻はそう言って、このライヴツアーのために作ったという新曲を最後に届けた。

 ライヴを終えた後、藤巻は自分のカメラを持って再びステージに現れ、この日の光景を自らの手で写し残したのだった(※このツアーで藤巻が撮影した写真たちは、藤巻亮太初となる、スマホApp『明日の歌旅2013 ツアーパンフレットアプリ』内にて掲載予定)。

 生まれ変わる為 オオカミは歌う――。

 藤巻亮太というオオカミは、この1人旅で、きっとまた大きく生まれ変わることだろう。

【取材・文:武市尚子】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル 藤巻亮太

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リリース情報

オオカミ青年(初回盤)

オオカミ青年(初回盤)

2012年10月17日

ORS

1. 光をあつめて
2. Beautiful day
3. 四季追い歌
4. キャッチ&ボール
5. 月食
6. twilight
7. ハロー流星群
8. オオカミ青年
9. ベテルギウス
10. 砂時計
11. パーティーサイズ

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お知らせ

■ライブ情報

“明日の歌旅 2013″
2013/10/02(水)新潟 りゅーとぴあ・能楽堂
2013/10/04(金)宮城 Rensa
2013/10/06(日)東京 下北沢GARDEN
2013/10/11(金)大阪 大阪ビジネスパーク 円形ホール
2013/10/13(日)山梨 山日YBSホール
2013/10/16(水)京都 磔磔
2013/10/18(金)熊本 熊本Be-9
2013/10/20(日)福岡 イムズ
2013/10/23(水)東京 渋谷区文化総合センター 大和田 さくらホール
2013/10/31(木)広島 広島クラブクアトロ
2013/11/02(土)愛媛 松山キティホール
2013/11/04(月・祝)福島 郡山Hip Shot Japan

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。


■藤巻亮太 明日の歌旅 2013
ツアーパンフレットアプリ


藤巻亮太の全国弾き語りツアー「明日の歌旅 2013」と連動したコンテンツが楽しめるツアーパンフレットアプリを9月25日からリリース!

9月25日リリースの初回バージョンではツアーに向けての写真や藤巻亮太本人のコメント動画を収録。ブログや動画などのコンテンツが随時アップされていく他、今後のアプリアップデートにてツアー中に撮影されるライブ写真が追加される予定です。

Android
Google Play URL:
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.artistsite.ryotafujimaki.tourapp.first


iPhone
App Store URL:
https://itunes.apple.com/jp/app/teng-juan-liang-tai-ming-rino/id707973959

価格 :1500円(税込)
対応OS:
iOS 5.0以上
Android2.2以上

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