今年の4月から開催されていたEXILEの全国ドームツアー“EXILE LIVE TOUR 2013 「EXILE PRIDE」”。全公演が大好評ソールドアウトにつき、9月からは追加のドームツアーがスタートした。ファイナルは9月26、27日の東京ドーム 2DAYS。単なるツアーファイナルという事実以上に、リーダーのHIROがパフォーマーとして参加するラストステージということで、特別な意味を持つ2日間でもある。ここでは初日、26日の模様をお届けしよう。

　オープニングでは、ステージが瞬く星のような無数のライトに包まれる。その後、ステージ全体が大きなスクリーンとなり、吸い込まれるような壮大な映像が映し出される。スッと気持ちごと持って行かれそうな宇宙のシーンから2頭のライオンが駆け抜ける迫力の映像……最終的にはゴールドに輝く 戦士が登場し……という、臨場感のある映像に引き込まれていく。だが、やはり歓声が爆発したのはメンバーが出てきた瞬間だった。1曲目の「EXILE TRIBE」から、おなじみのヒットチューンが惜しみなく披露されていく。「ALL NIGHT LONG」、さらには5曲目にして「Choo Choo TRAIN」が飛び出すなど、前半からクライマックスのような盛り上がりだ。6曲目の「VICTORY」では、メンバーが上手と下手の花道へ二手に分かれたかと思うと、花道がメンバーひとりひとりを乗せた台車となり、フィールドの通路へ移動を開始。すると、アリーナ最後列とスタンドの前で台車が合体。ミニステージを作り上げた。会場が広くても、あらゆる席のファンに気づかう彼ららしい演出だ。この移動台車は、その後アリーナ席の真ん中へと移動。全方向からオーディエンスを楽しませてくれた。「FIREWORKS」では、メインステージにE-girlsやHappiness、Flowerが登場。華やかさを添える。

　このあと、レーザー照明の演出があり、ステージ上には空っぽのケージが現れる。そのケージに白い幕が下ろされると、5人の人影が浮かび上がり、 次の瞬間、THE SECOND from EXILEがイリュージョンの如く現れ、デビュー曲である「THINK’BOUT IT!」を披露。「SURVIVORS feat. DJ MAKIDAI from EXILE」では、もちろんDJ MAKIDAIとステージ上でも共演。続いて三代目J Soul Brothersが「FIGHTERS」でパワフルなパフォーマンスで場内を圧倒……と、あまりの豪華さ に時間の感覚も吹っ飛んでしまう。このブロックではGENERATIONSも加わって、熱い刺激を与えた。

　次なる時間帯では「Ti Amo」「ふたつの唇」など、バラード曲が多く配され、会場はしっとりとした空気に。人気のバラードソングが多い彼らは、1曲でも多く届けようとバラードメドレーのコーナーを用意。まずATSUSHIが「ただ…会いたくて」の出だしを歌い始めると、観客からは「おぉ?っ！」という簡単の声が起こっ た。“動”で見せた前半とは違い、染みいるような“静”の時間が続く。メドレータイムは名曲「道」でシメとなった。

　後半の幕開けは、「Rising Sun」。体を動かさずにはいられないアッパーチューンに、観客も体を揺らせて反応。ステージにも大量のダンサー達があふれ、後半へとつなげていく。「時の描片?トキノカケラ?」では、HIROをフィーチャーしたヒストリー映像も流れ、グッときたファンも多かったのではないだろうか。「銀河鉄道 999」では、また台車が出動。曲に合わせてフィールドを移動していく。場内からはコーラスが起こり、会場の広さを感じさせない一体感が生まれ る。ATSUSHIは次の曲が最後だと伝えながら、「明日でツアーは終わってしまうけど、今日という日は1日しかないわけで――。まだまだ EXILEは進化していきます！」と断言。本編ラストをいバラードナンバー「愛すべき未来へ」で締めくくった。

　アンコールでは、EXILE TRIBEによる「24karats TRIBE OF GOLD」でワイルドに魅了。大ラスの「Love,Dream&Happiness」では、出演者全員がステージに集結。賑やかなムードの中で HIROの満足そうな表情がスクリーンに映し出されるなど、メンバーと観客の思いをかき立てた。だが、ここで一段落してしまうEXILEではな い。彼らの進化は止まらないのだ。というのも、EXILE新パフォーマー募集オーディション決定の告知も行われ、大いに期待を煽ってみせたのである。次の展開もライブも楽しみになってきた。ちなみに、10/16発売には今年5月に行われた東京ドーム公演を収めた『EXILE LIVE TOUR 2013 "EXILE PRIDE"』（LIVE DVD & Blu-ray）が発売される。追加公演とは一部内容が異なっているが、パフォーマンスの迫力を感じるには十分。映像を見ていただければ、多くの人に支持される理由が間違いなく伝わるはずだ。なかなかライブを見るキッカケのない人にこそ、ぜひ見ていただきたい。

【取材・文：海江敦士】