前へ

次へ

TRICERATOPS主催イベント、“DINOSAUR ROCK’N ROLL 6”をレポート!

TRICERATOPS | 2014.04.25

 ジャンルやキャリアの垣根を飛び越えて、ともに歌って踊って、音楽の楽しさ、素晴らしさを満喫していく。それがTRICERATOPS主催のイベント、『DINOSAUR ROCK’N ROLL』の真髄だ。2000年に第1回目が開催されて、今回が6回目。今回は初日が対バン形式、2日目はシークレットゲストが参加するスタイルで行われた。

【4月11日】w/ GRAPEVINE

 まずは初日の対バンの相手、1997年デビューの同期のGRAPEVINEのステージから。田中和将(V&G)、西川弘剛(G)、亀井亨(Dr)というメンバーに、10年以上一緒に活動している金戸覚(B)、高野勲(Key)が加わる5人編成で息の合った演奏を展開。「This town」「1977」など、近年のライブでの代表曲に加えて、「So.」のようなレア曲も入るバラエティーに富んだセットリストだ。「トライセラと僕達の違うところがひとつありまして、今年から僕達は30代がいなくなりました。世間では40から初老と言うらしいです。初老らしいステージを」と田中。と言いつつも、永遠の10代のようなみずみずしさと、老成したような深い味わいとを兼ね備えているところは彼らならでは。穏やかな歌声の背後から深い思いがじわじわ伝わってくる「それを魔法と呼ぶのなら」などのディープな曲から、田中と西川のギターのかけ合いがスリリングだった「So.」やサザンロックにストーンズ風味を加えた演奏が楽しい「南行き」など、ライブ映えするエネルギッシュなナンバーまで、実に振り幅が広い。ファンキーなグルーヴに体が揺れた「MISOGI」、伸びやかな空気感が気持ちいい「真昼の子供たち」など、バンドの表現力の豊かさを堪能するステージとなった。

 TRICERATOPSは「ロケットに乗って」での始まり。ダイナミックな演奏で飛ばしていく。「すごい相乗効果なんですよ、気合いが入っております」という和田唱(V&G)の言葉どおりの演奏。リスペクトしあっている同期の前だからこそ、いいステージを見せたくなる。気迫あふれる演奏にしびれたのは「MIRROR」。和田、林幸治(B)、吉田佳史(Dr)の自在なセッションは17年目に突入している彼らだからこそ。「未来を折り曲げにいきましょう」というMCで始まった「FUTURE FOLDER」、そして会場内が一緒に歌い、踊った「Raspberry」まで一気。

 だがこれで終わりではない。『DINOSAUR ROCK’N ROLL』の醍醐味のひとつはコラボレーション。アンコールではまず和田と田中が登場して、アコギの弾き語りで、ビートルズの「TWO OF US」のカバーを披露。ジョン&ポールにも通じるふたりのフレンドリーなハモリやかけあいにはニンマリ。さらにメンバー全員登場して8人編成の“トライセラバイン”(TRICERATOPSの方が年下だけど、デビューが数か月早い“先輩”なので、“グレイプトップス”ではなくて、“トライセラバイン”と命名された)で、まずはGRAPEVINEの「スロウ」を演奏。イントロが始まった瞬間に会場内は熱烈な歓声と拍手。分厚い演奏に乗っての和田の歌声で始まっていく「スロウ」、さらにTRICERATOPSの「FEVER」へ。ここでは田中のボーカル始まりで、和田と林のハモリが入っていく。すごい光景に遭遇したという興奮が渦巻いている。ラストはストーンズの「JUMPIN’ JACK FLASH」で盆と正月が一緒に来たような超ハッピーなパーティー状態に突入。田中がハンドマイクを持って、ミック・ジャガー風に歌っている。吉田もステージ前に出てきてミック・ダンスを披露している。全員、ただのロック好きのあんちゃんと化している! 異なる個性を持ったふたつのバンドだが、実は共通点もたくさんある。例えば、ルーツ・ミュージックへの深い愛と理解があること、生音にこだわって、人間味あふれるバンドサウンドを展開していることなど。この共演ではそんな接点も浮き彫りになっていく。音楽と真摯に向き合い続けてきた17年目のふたつのバンドが互いにステージに立つ光景にも胸が熱くなった。リスペクトと連帯感がありつつも、刺激しあう部分もある。同期って、いいなあとうらやましくなる瞬間が多々あった。「ようやく描いていた、これだよなっていう『DINOSAUR ROCK’N ROLL』が出来た気がします」という和田の言葉どおりのイベントとなった。


【4月12日】w/ Special Secret Guest(桜井和寿)

 2日目も驚きと感動に満ちた夜となった。途中でゲストが参加して、バンドと一緒に演奏するスタイル。なので、TRICERATOPSの曲数も増えて、曲目もかなり違う。「Silly Scandals」での始まり。1曲目から会場内にはコール&レスポンスが起こっていく。素晴らしき夜の予感と高揚感とに満ちた見事な始まり方だ。新曲「僕はゴースト」も披露された。タフでファンキーなグルーヴ、ソリッドなサウンドの奥からは深い哀愁が滲む。エモーショナルでドラマティックな歌声とハーモニー、ギターリフも新鮮だ。これがTRICERATOPSの最新の音楽。「摩天楼」「If」など、過去の曲からも今の彼らの息吹きが伝わってきた。7曲目の「FUTURE FOLDER」が終わったところで、ゲストコーナーへ突入。

 登場の演出が実に凝っていた。「この人とやるのはすごい夢だったんですよ」と和田の言葉、「度肝を抜かれるよ」という吉田の言葉に続いて、林が大物歌手“チャイよしひろ”(過去の彼らのライブでも何度も登場しているキャラ)に扮して、帽子とサングラス姿で登場して「安奈」「HERO(ヒーローになる時、それは今)」を歌い、その後、本物の“甲斐よしひろ氏”が「HERO」を歌いながら登場かと思いきや、なんと、深紅のべっちんのジャケットに身を包んだMr.Childrenの桜井和寿だった! 凝ったサプライズに会場が湧く。サービス精神旺盛なTRICERATOPSと、その演出の意図にしっかり乗っている桜井との連携が見事だ。桜井のリードボーカルでのTRICERATOPSの「Fly Away」でも盛り上がりまくり。その熱い空気に対して、桜井からの「TRICERATOPSって、こんないいファン持ってるんだね」という言葉。「FOREVER」では桜井がまるで自らのオリジナル曲のように馴染んだ歌声を披露していく。「いい歌だなあ」という桜井の言葉に「うれしいの頂きです」と和田。互いの音楽を心の底からリスペクトしあっているからこその深いコラボレーション。さらに和田が大好きな曲だというMr.Childrenの「僕らの音」へ。ヒューマンな歌と演奏が染みてくる。「Dance Dance Dance」でも白熱の演奏。ダイナミックなグルーヴに体が揺れる。今回のイベントへの出演が決まった時に、クアトロフォルマッジォ(4種のチーズが乗ったピザの名前)というバンド名までつけていたとのこと。和田と桜井の共作によるそのクアトロフォルマッジォのデビュー曲「Stand By Me」(ただしデビューの予定は未定)も初披露された。和田と桜井が向き合って、ギターを弾きながらの始まり。桜井、和田が交互にリードをとり、サビではふたりがハモっていく。エネルギーがほとばしる力強くて温かいナンバー。演奏が展開していくほどに、4人の熱が伝わってくる。この4種のピザ、熱々で実に美味だ。桜井が去った後も、TRICERATOPSはテンションを維持して、素晴らしい演奏を展開していく。林と吉田によるグルーヴィーなセッションを挟みつつ、「Fall Again」「トランスフォーマー」へ。最後は観客とのコラボレーションと言たくなるほどの熱烈なシンガロングとなった。

 アンコールでは「赤いゴーカート」「Groove Walk」で盛り上がり、再び桜井が登場。「現代の『雨上がりの夜空に』はこれです。誰もが知ってる。そして歌いたくなっちゃう」という桜井の言葉に続いてはなんとAKB48の「ヘビーローテーション」。ここではTRICERATOPS+桜井和寿+観客のコラボレーションが実現した。全員が歌い、踊って、笑顔になっていく。これがまさに『DINOSAUR ROCK’N ROLL』。音楽には垣根なんか一切ないということを鮮やかに示すようなエンディングだった。ありえないような光景をたくさん目撃した。これこそが眼福、耳福。人と人とを繋いでいく音楽のパワー、楽しさ、素晴らしさを満喫した夜となった。

 ライブや音楽の楽しさを知り尽くしたTRICERATOPSのワンマンツアーは5月24日からスタート。新曲を制作中だという彼ら、新曲にも期待だ。

【取材・文:長谷川誠】
【撮影:松木雄一】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル TRICERATOPS GRAPEVINE 桜井和寿

関連記事

リリース情報

[DVD]12-Bar“13”

[DVD]12-Bar“13”

2014年02月19日

Trinity Artist

1.LOVE IS LIVE
2.ACE
3.2020
4.オレンジライター
5.HAPPY SADDY MOUNTAIN(with KAN)
6.世界でいちばん好きな人(with KAN)
7.シラフの月(with 山崎まさよし)
8.セロリ(with 山崎まさよし)
9.I GO WILD(with 吉井和哉)
10.球根(with 吉井和哉)
11.瞳はダイアモンド
12.イケナイコトカイ
13.言葉にできない
14.FEVER(with 小田和正)
15.ラブ・ストーリーは突然に
16.ふたつの窓
17.あのね Baby
18.ロケットに乗って
19.恋のバッド・チューニング
20.ANYDAY

このアルバムを購入

セットリスト

TRICERATOPS presents
DINOSAUR ROCK’N ROLL 6
2014.4.11&12@SHIBUYA-AX


4月11日(金)
<GRAPEVINE>
  1. This town
  2. Darlin’ from hell
  3. So.
  4. FORGEMASTER
  5. それを魔法と呼ぶのなら
  6. 1977
  7. 南行き
  8. MISOGI
  9. 真昼の子供たち

<TRICERATOPS>
  1. ロケットに乗って
  2. あのねBaby
  3. PARTY
  4. GOTHIC RING
  5. CAN’T TAKE MY EYES OFF OF YOU
  6. MIRROR
  7. FUTURE FOLDER
  8. Raspberry

<TRICERATOPS&GRAPEVINE>
  1. TWO OF US
  2. スロウ
  3. FEVER
  4. JUMPIN’ JACK FLASH

4月12日(土)
  1. Silly Scandals
  2. MASCARA&MASCARAS
  3. 僕はゴースト
  4. 摩天楼
  5. If
  6. MADE IN LOVE
  7. FUTURE FOLDER
  8. FLY AWAY
  9. FOREVER
  10. 僕らの音
  11. DANCE DANCE DANCE
  12. Stand By Me
  13. CAN’T TAKE MY EYES OFF OF YOU
  14. HAYASHI&YOSHIFUMI GROOVE
  15. FALL AGAIN
  16. トランスフォーマー
Encore
  1. 赤いゴーカート
  2. GROOVE WALK
  3. ヘビーローテーション

お知らせ

■ライブ情報

TRICERATOPS TOUR 2014
2014/05/24(土)神奈川県 横浜BAYHALL
2014/05/25(日)静岡県 浜松窓枠
2014/05/31(土)宮城県 仙台darwin
2014/06/01(日)岩手県 盛岡Club Chage WAVE
2014/06/07(土)愛知県 名古屋 Electric Lady Land
2014/06/14(土)栃木県 宇都宮 HEAVEN’S ROCK VJ-2
2014/06/15(日)茨城県 水戸LIGHT HOUSE
2014/06/21(土)大阪府 大阪CLUB QUATTRO
2014/06/22(日)岡山県 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2014/06/28(土)千葉県 柏PALOOZA
2014/06/29(日)埼玉県 さいたま新都心HEAVEN’S ROCK VJ-3
2014/07/05(土)福岡県 福岡イムズホール
2014/07/06(日)鹿児島県 鹿児島SRホール
2014/07/10(木)福井県 福井響のホール
2014/07/12(土)富山県 富山MAIRO
2014/07/13(日)長野県 長野CLUB JUNK BOX
2014/07/18(金)北海道 札幌cube garden
2014/07/21(月・祝)東京都 ZeppDiverCity TOKYO

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る