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「OTODAMA」10周年アニバーサリー企画第一弾、「OTODAMA FOREST STUDIO in 秋川渓谷」イベントレポート!

OTODAMA FOREST STUDIO | 2014.05.27

 2005年に神奈川・逗子海岸でスタートした海の家&ライブハウス「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」。逗子出身のキマグレンが“夏に海で音楽を楽しめる場所”を目指し、様々なアーティストのライヴを届けてきた「OTODAMA」が、本年2014年で10周年を迎えた。
 そのアニバーサリー企画の第一弾として、4月19、20日の2日間、十里木ランド(東京都あきる野市)で「OTODAMA FOREST STUDIO in 秋川渓谷 -10周年SPECIAL-」が開催された。
 2日間で、述べ1万人を動員したこのイベントには、キマグレン、Aqua Timez、HY、清水翔太、May J.、クリス・ハート、ゴスペラーズ、スキマスイッチ、鈴木雅之などが出演。周りをぐるりと山に囲まれた、秋川渓谷という大自然の中に“音楽が木霊した”2日間であった。その2日目、4月20日の様子をレポートする。

 肌寒い曇り空の中、オープニングアクト「吉田山田」が登場。家族連れも多く、リラックスしながらイベントのスタートを待っていた観客の様子に「ライヴハウスだと、最初は緊張気味の人もいるけど、今日は最初からお客さんがいい顔してる」と驚いた様子。シングル「魔法のような」や、ヒット曲「日々」を堂々と聞かせた。

   お次は水野良樹。「初めて聴く曲ばかりだと思いますが、よろしくお願いします」と第一声。全5曲を披露した。最後のバラード曲では、ピアノも演奏。そのメロディーには、年代を選ばないスタンダードさと抜群のオリジナリティーがあり、彼のメロディーメイカーとして才能を痛感する1曲であった。

 ひんやりした春の風が、イベントスペースを駆け抜けていく。地元・あきるの市の材木を使って作られたステージの上空には、じゃれるように2羽の鳥が飛んでいた。夏はキャンプ場として賑わうというこの場所。観客の足元に敷き詰められた小石も、自然のまま。川のじゃりだ。客席の左手にゆるやかに流れる川は、客席の後方で深くなり、水の色を変えていた。その深みに向かい、小石を投げている数人の子供たち。はしゃぐ高い声が聞こえてくる。こんなリラックスしたオーディエンスの気持ちが表れたような温かい拍手が、次のアーティストを迎える。

 クリス・ハートのステージは「I LOVE YOU」からスタート。「次の曲、知っていたら一緒に歌ってください」と、「まもりたい(Short.ver)」へ。彼の名と存在、そしてクリアーな歌声を世に浸透させることになったヒット曲に、客席から歓声があがった。「僕には一生の思い出に残る日になった」と、流暢な日本語のMCとともに、バラードを中心に6曲をしっかり聴かせた。

   次の2人が姿を見せただけで、観客がワッと沸く。スキマスイッチの登場だ。数曲歌った後「今日はアコースティックスタイルですけど、それでも熱さを伝えるようにやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします」と挨拶。この言葉をアップチューン「ガラナ」、そして、大橋が「OTODAMA――ッ!」と叫んだ「全力少年」で体現していった。誰もが知る、エネルギッシュなポップ・チューンに観客が反応する。跳ねながらクラップする客席に、ステージの2人からも笑顔がこぼれた。

 総勢6名のバンドメンバーがスタンバイする。薄闇に沈んでいく秋川渓谷。その中に響くスイートなミディアム・チューン。高らかに歌声が伸びていく。ステージ上手(向かって右側)の袖から歌いながら登場したのは、キング・オブ・ラブソング・鈴木雅之。1曲目「恋人」が終わったところでMC。「皆さん、こんばんは。私が、そう、日本一野外ステージが似合わない男、鈴木雅之です」と会場を爆笑させた後、話は秋川渓谷の大自然の話へ展開。最後には、寒さに震えだした客席に、身に着けていたホカ○ンを投げるという大盤振る舞い。ソロライヴでは決して出てこないこのアクションに、客席は大爆笑の拍手喝采。観客の気持ちを一気に引き寄せた後は「音楽で時代を昭和に戻してみます。ちょっとグループ時代の曲をやろうか!」と「め組のひと」「ランナウェイ」へ。リリース当時の振付でアクションする鈴木に合わせ、大声で歌いながら同じポーズを決める観客の姿も。音楽は、人の中でずっと生き続けていることが証明された瞬間だった。

 空の向こうから夜がやってくる。秋川渓谷が、闇に沈んでいく。ステージ上の照明が、いつの間にかメインの灯りになっていた。

 ゴスペラーズ。音叉でキーを確かめ、間髪入れず彼らが放ったのは「ひとり」。ゴスペラーズの名刺代わりでもあるアカペラで、彼らのステージは幕を上げた。本年でデビュー20周年を迎えるゴスペラーズ。中盤では、デビュー当時3か月間レギュラーを務めたお昼の国民的番組のテーマ曲「ウキウキWATCHING」(「笑っていいとも!」のオープニング曲)を歌い出した。笑いながら盛り上がる観客に、タモリ氏のパートを歌わせる。このぶっつけ本番の演出に、歌詞がわからずドギマギするお客さんもチラホラ。その様子を瞬時に感じとり、リーダー村上が、曲間、曲間で歌詞を伝え始めた。この勘の良さこそ、ゴスペラーズ。イベントでお客さんを巻き込む方法はたくさんあるが、その選択肢をこれだけ持っているアーティストは、なかなかいない。観客の歌声が徐々に大きくなっていく。その声に、酒井雄二が声をあげた。「OTODAMAのお客さん、声でかい、ヤバイ!」  他に、ファンキーなアップチューン「ギリギリSHOUT!!」や「永遠(とわ)に」を届け、5人はステージを後にした。

 夜の秋川渓谷。山々の深緑が、夜より暗い漆黒に変わっていく。

   この日のトリ、そしてこのイベントの大トリは、もちろんキマグレンだ。
 波の音の中、2人が出てきてスタンバイ。KUREIがマイクをとった。
「どうもキマグレンです。みんな、最後まで残ってくれてありがとう。10年前、海の家を始めようと決めた、そんな思いの曲から始めようと思います。聴いてください」

 最初の曲は「P.S.」だった。ピュアなメロディが染みるミディアム・チューン。KUREIとISEKIの思いが、秋川渓谷に吸い込まれていく。一転、「もっともっと高く高く手を挙げて!」と「海岸中央通り」へ。リズミカルなホーンのアプローチ、サルサ調のリズムがスプラッシュするアップ・チューン。観客も一斉にクラップする。「少しはあったかくなった?」とKUREI。「今日のメンツ、やばかったべ? 最高だったべ?」とISEKI。友達に話しかけるように話し出す2人。“OTODAMA SEA STUDIO”の海の家を作っていた木材は、毎年、あきるの市からいただいていたこと、、今日のイベントも地元の実行委員の協力があって実現できたと語った。そして「この時間だけは、夏、海に変えたいと思います。皆さん、ついてきてちょうだい!」と、“キマグレンの夏”へ向け、ライヴを加速させる。彼らの情熱が季節を早送りしていく。このぶれないスタンスこそ、キマグレンの魅力なのだろう。だから夏も海も、毎年、彼らの味方になるのだ。KUREIがマイクをとった。

 「昨日、今日、この場所でやらせていただいて本当に幸せです。だから頑張り続けると約束します。10年前、海の家を始めたように、ここから新たな10年がまたスタートするし、また10年が楽しくなっていくといいなと思ってます。またここに帰ってきてもいいですか?(客席から大きな拍手)ありがとう。最後に1曲、俺らの新曲、すごく大切なメッセージを込めたつもりなんで聴いてください」
 この言葉を受けて披露されたのが「最後の夏」。「LIFE」や「海岸中央通り」が、真夏の太陽に乱反射する波しぶきのような曲だとするならば、この曲は砂浜を駆け抜ける風と例えることができるだろうか。爽やかさとスピード感、そして少しセンチメンタルなメロディーが特徴のアップチューンである。キマグレンにとって約2年ぶりのシングルとなるこの曲の中には“これが僕らのラストチャンス”など、いつも以上にストレートな言葉使いも目立った。夏の始まりを予感させるラストだった。

 アンコールでは、出演者全員をステージに呼び込み「みんなで一緒にやってもいいですか、じゃあ、あの曲を!」と「LIFE」を。出演アーティストが順番に歌い紡いでいくヒットチューン。観客もライドオンするように歌い出す。♪ハーイヤ、イエイエ♪ のコール&レスポンスもばっちりで、ステージも客席も同じくらい盛り上がり、同じくらい笑顔がはじけたエンディングだった。

 2014年夏。「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」は、鎌倉由比ガ浜海岸に移転し、開催される。
 今年もまた“キマグレンの長い夏”が始まる。

【取材・文:伊藤亜希】

tag一覧 ライブ イベント キマグレン スキマスイッチ ゴスペラーズ 鈴木雅之

リリース情報

最後の夏

最後の夏

2014年06月04日

ユニバーサルシグマ

1.最後の夏
2.きっと
3.ファイト!
4.LIFE (HIKAKIN Remix)
5.最後の夏 (Instrumental)

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セットリスト

OTODAMA FOREST STUDIO in 秋川渓谷
-10周年SPECIAL-
2014.4.20@あきる野市 十里木ランド


キマグレン
  1. P.S.
  2. 海岸中央通り
  3. WOW OH OH
  4. きっと
  5. ENDLESS SUMMER
  6. 最後の夏
Encore
  1. LIFE

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