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SAKANAMON全国ツアーファイナルは自己最大規模となる赤坂BLITZワンマン!

SAKANAMON | 2014.06.05

 SAKANAMONが今後更に飛躍していく強い顕示と、それを喜んで受け入れ、一緒に歩いていくことをアライアンスしたオーディエンスの気持ちが、これまで以上に確認できた一夜であった。

 SAKANAMONとファンとの結束をより強めたニューアルバム『INSUROCK』を引っ提げての全国ツアー。そのファイナルが彼ら単独では最大規模となる赤坂BLITZで行われた。

 ステージが暗転すると、スポットライトの中、ボーカル&ギターの藤森元生が弾き語りスタイルで歌い始める。1曲目は「102」。『INSUROCK』のラストを飾っていた静と激のコントラストが特徴的な楽曲だ。そしてどこか途中で放り出された印象から、続いて同アルバムのトップを飾っていた「マドギワールド」に入る。まさに自分の中で持っていた、『INSUROCK』の最後が最初に再び繋がっていくループ感を改めて体感させてくれる。喉の強そうな藤森のストレートな歌声が、今日もガツンと我々の胸目がけて飛び込んでくる。それを支え、更に引っ張っていくベースの森野光晴とドラムの木村浩大。頭の3曲はニューアルバムから、特に彼らの変幻性を感じさせる曲が立て続けに放たれた。

 前半のハイライトは、「SAKANAMON THE WORLD」、そしてMCを挟んで「空想イマイマシー」であった。4つ打ちのゆるやかな上昇感と、フロア上方の巨大ミラーボールからの目くるめく光の粒が至福感を込み上げさせた「SAKANAMON THE WORLD」、そして、”今日は何を当てはめてくるのか?”と満場の期待の中歌われた「空想イマイマシー」では、この日、タイムリーにもミュージックステーションに出演したKANA-BOOMの「ないものねだり」が引き合いに。彼らへのエールか、もしくは”いつかは俺も…”の期待の気持ちの表れなのか(笑)、同曲のサビが替え歌で交えられた。

 代表曲を連射後、疾走感と共に彼らのエモさがスパークした「訪問者」。普通ならサウタージに響くところをどこかジューシーさを携え、♪勝ち組はネズミーランド、負け組は健康ランド♪と一緒に声を合わせることで、どこかスッキリとした気持ちにさせてくれた「エロス」が、中盤の中でも特に印象に残っている。

 中盤に差し掛かり、楽曲「ミイとユウ」にてデュエットを飾った"SAKANAMON界の美保純"こと(笑)、平賀さち枝も登場した。木村がカホン、藤森もアコギに楽器を持ち替えアコースティックタッチで同曲が伝えられる。

 続くMCでは、藤森が「人の人生は70万時間と言われています。そんな多いんだか少ないんだか分からないかけがえのない時間の中、これからも僕たちの歌を聴き続けて欲しい」と語り、「邯鄲の夢」にイン。打ち込みのドラム、オクターバーを効かせたノイジーなベースが楽曲にラウドさを与えていった。

 また、この日はアンコール1曲目を含む2曲の新曲も披露された。この場面で歌われた新曲は、サビのストレートさと疾走感、そして一聴してすぐ一緒に声を上げられるシンガロング部も印象的なナンバー。今後のライヴで盛り上がりの一翼を担っていきそうだ。

 ラストは、この日最大の一体感と共有感を味わうことができた。ステージ背景に映るジャケットの絵が首を左右に曲げるビジョンに合わせ、会場中が右から左へ、左から右へと高速ワイパーを生み出した「TOWER」。「僕らの代表曲を演ります」との森野の言葉の後に放たれた「ミュージックプランクトン」では、サビのストレートになる部分が会場も更に一つになり歌う。そして「シグナルマン」では、ライトハンド的な音色の同期も飛び出し、会場も楽曲に合わせ、ラストスパートへ向けて並走していった。

 アンコールは3曲。新曲を通して彼らの新しい部分が披露された。これまで何度も歌われ、ファンの中で培われてきた代表曲を楽しむことが出来た。特に、”これでもか!!”と言わんばかりのドライブ感で駆け抜けた「ハロ」と、エモーショナルさたっぷりに歌われた「妄想DRIVER」は、最後の大団円に向けてのハイライトのようにも映った。

 後半ラストの盛り上がりゾーンに踏み込む直前に藤森が語った、「隣にあるTBSが受信できるぐらい、みなさんの想いを発信していきたい」という言葉。そして、アンコールに入る前に森野が語った、「ここまで続けてみるもんだね。僕は藤森くんが作る曲が好きで、みんなもそれと同じ気持ちだったら嬉しい。でも、メンバーの僕らだけがそう思うのではなく、もっと多くの人に認めてもらわないといけない。それが僕やキムさん(木村)の仕事。何年後かには、この日のライヴが友達に自慢できるような存在になっていきたい」という言葉。たぶんそれはこの日客席いっぱいの絶景を見て、メンバーそれぞれが改めて思い、つい口から飛び出した言葉だったのだろう。これからも彼らについて行ったら、今日以上のキラキラとした素晴らしい景色と出会えるに違いない。そんな強い確信が終演後の私をジワジワと包んでいった。

【取材・文:池田スカオ和宏】
【撮影:Taku Fujii】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル SAKANAMON

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リリース情報

INSUROCK(初回限定盤)[CD+DVD]

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2014年02月05日

ビクターエンタテインメント

1. マドギワールド
2. 爆弾魔のアクション 〜願い〜
3. 花色の美少女
4. TOWER
5. ミイとユウ
6. 訪問者
7. エレクトリカルマーチ
8. 飴色の女の子
9. エロス
10. 邯鄲の夢
11. シグナルマン
12. 102

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セットリスト

MADOGI WORLD TOUR
2014.5.23@赤坂BLITZ

  1. 102
  2. マドギワールド
  3. 花色の美少女
  4. 便乗鴎の世界
  5. SAKANAMON THE WORLD
  6. 空想イマイマシー
  7. 脳内マネジメント事情
  8. 僕の登下校
  9. 訪問者
  10. エロス
  11. ARTSTAR
  12. エレクトリカルマーチ
  13. ミイとユウ(w/平賀さち枝)
  14. 邯鄲の夢
  15. マジックアワー
  16. 飴色の女の子
  17. 爆弾魔のアクション ~願い~
  18. 新曲
  19. TOWER
  20. ミュージックプランクトン
  21. シグナルマン
Encore
  1. 新曲
  2. ハロ
  3. 妄想DRIVER

お知らせ

■ライブ情報

スペースシャワー列伝 〜第九十八巻
2014/06/17(火)渋谷WWW

YATSUI FESTIVAL! 2014
2014/06/21(土)TSUTAYA O-EAST / TSUTAYA O-WEST / TSUTAYA O-nest / TSUTAYA O-Crest / duo MUSIC EXCHANGE / 7th FLOOR / club asia / VUENOS / Glad / SOUND MUSEUM VISION

サッポロ生ビール黒ラベル★Special Live“SOUND OF HOKKAIDO 2014”
2014/07/05(土)札幌 Sound Lab mole

Early Summer in AKASAKA 2014
2014/07/11(金)赤坂BLITZ

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014
2014/08/02(土)国営ひたち海浜公園

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO
2014/08/15(金)石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ

WILD BUNCH FEST.2014
2014/08/24(日)山口きらら博記念公園

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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