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KREVA、音楽への深い愛情が導いた偉業“908 FESTIVAL 2014”

KREVA | 2014.09.22

 KREVAソロ10周年を迎えた今年の「908 FESTIVAL 2014」はまさに節目の年にふさわしい歴史的なライブだった。8月28日大阪公演にはじまり、東京は9月07日、08日の日本武道館2デイズ。武道館1日目は2007年以来7年ぶりに「完全1人武道館」を復活して、KREVAがたった一人で全機材を使うという挑戦的なライブを行なった。ここではその翌日、8日“クレバの日”に豪華ゲストを迎えたライブの模様をレポートする。

 定刻、908 FESTIVALのDJ台の後ろの高台からKREVAが登場した。会場から湧き起こる手拍子。それを全身で受け止めて頷くKREVA。オープニングは最新シングル「トランキライザー」だった。ステージは鮮やかな真っ赤な照明。ここ数年、KREVAのライブでは定番となっているバンド+MPC&DJの“半生バンド”にギターも加わり、よりゴージャスに躍動感のある演奏とKREVAの声とで、一夜限りのプレミアムなライブは幕を開けた。

 間髪入れずに次の曲へ。ステージには右手を「K」の字にして高く突き上げる三浦大知が立っていた。最新アルバムでコラボした「全速力」だ。ふたりが“全速力”で右に左にステージを駆ける。KREVAは途中でクラウチングスタートからの猛ダッシュを見せたり、テンションが高い。その後、ひとりステージに残った三浦、「今日はスペシャルの連続ですよ!楽しんでいきましょう」。軽やかなステップを踏みながら披露した「Right Now」に続き、圧巻だったのはアカペラで歌い始めたバラード曲「Anchor」だ。マイクの位置をおへそぐらいの高さに構えた、生声に近い熱唱。年下ながらもKREVAがリスペクトを寄せる稀代のヴォーカリストは、その期待に十二分に応えてトップバッターの役割を果たした。

 三浦大知からのバトンタッチを受けて姿を現したのは、いま最も注目される新世代HIP HOPアーティストAKLO。へヴィなトラックが鳴り響くなか、立ちこめるスモーク。そして鋭い眼光で投下するダークなメドレーには会場からどよめきが起こった。9月3日にリリースされたばかりの新作アルバム『The Arrival』に収録の「Catch Me If You Can」では、再び登場したKREVAとラップのかけ合いを披露。新たなHIP HOPの可能性を追求する若き次世代とKREVAとの共演は、とても意味深く刺激的な共演だった。

 KREVAは今年の908 FESTIVALの2日目で「日本のポップシーンにおけるブラックミュージックの歴史を見せたい」と話していた。そういう意味で冒頭のふたり(三浦大知とAKLO)は“未来”を担う存在の象徴だ。ここから日本のシーンにブラックミュージックの礎を築き、いまなお絶大な存在感を放つ大物たちが登場する。

 哀愁ただよう渋いムードで始まったのは「くればいいのに」。最初のフレーズを終えると、KREVAが語り出す。「今までいろんな人にこの曲を歌ってもらいましたが、どうしてもこの人の歌声で聴きたかった。鈴木雅之!」。次の瞬間、武道館はその第一声に打ち震えた。力強く美しいソウルフルな歌声、その貫禄と色気。会場からはため息にも似た歓声があがった。「わたくしがラブソングの王様、鈴木雅之です」。そんな自己紹介もあり、MCではKREVAから“ラブソングの王様”への質問コーナー。「『くればいいのに』を歌いましたけど、ぶっちゃけ来ない時はどうすればいい?」。これに「来ないのなら……夢で逢いましょう!」と鈴木。そんなふうに流れこんだ「夢で逢えたら」ではお客さんも一緒に大合唱。こうして名曲はまた次の世代に引き継がれていく。

 ここで一時バンドメンバーが退場すると、サプライズ出演となったMCUとLITTLEによるユニット「UL」による「La La Like a Love Song」(途中からKREVAも乱入)を経て、そのままKICK THE CAN CREWのステージへ。今夏、10年ぶりの復活を果たした3人による「イツナロウバ」に会場は問答無用で盛り上がる。その勢いはKREVAがRHYMESTERを呼び込み「神輿ロッカーズ」でさらに加速。2組が縦横無尽に動きまわり、ソレソレソレ~の音頭に手をヒラヒラと泳がせるオーディエンス。ここが祭りの最高点かと思いきや、さらにキック×ライムスターが合体した「マルシェ」が凄かった!それぞれのユニット毎にマイクパスをしたり、二人一組でラップをしたり、高度なかけ合いをサラリと魅せるパフォーマンスはさすがの一言。10年目のクレフェスにふさわしいスペシャルな共演だった。そして「この盛り上がりのあと俺たち残されてどうする?」(宇多丸)、「マイペースでやらせてもらいましょう!」(Mummy-D)と後を継いだRHYMESTERは、お祭りモードの会場を再び硬派なステージで引き締めた。今年結成25周年を迎えたという彼らもまた一切妥協のないスタイルでシーンを闘い続けるアーティストの一組だ。締めくくりの「CHOISE IS YOURS」では武道館にビッグウェーブを起こして盛り上げた。

 豪華ゲスト陣のラストを飾ったのは久保田利伸。そこにKREVAも駆け込んで、披露したのは2007年のコラボ曲「M☆A☆G☆I☆C」だ。ふたりの歌とラップが近い距離で絡み合い、視線を合わせながら濃密な“デュエット”を見せる。1曲終えると「じゃ。もうニューヨークに帰らなきゃ」と言う久保田をKREVAが全力で阻止、その隙に再び登場した三浦大知が「LA LA LA LOVE SONG」を歌い出し、それをKREVAと久保田がベンチで並んで聴く、というひと幕も。音楽で紡ぐ時間旅行にそんな遊び心を忘れないのもKREVAの愛すべき魅力のひとつだ。曲の後半では久保田も歌に加わり、三浦との素晴らしいヴォーカリスト共演を果たした。

 いよいよ最後はこの日の主役KREVAのステージだ。前日に行われた「完全1人武道館」の模様が一部スクリーンで流れた後、KREVAが登場。武道館を照らす柔らかい光のもと、「イッサイガッサイ」でスタートした。ゆったりとしたリズム。《なんだかんだクレフェス来れば 実際やっぱり楽しめた》とリリックを替えるKREVAのニクい演出。この日この場所に立ち会えた喜びを心底噛みしめるように武道館は暖かな空気で包まれる。

 そしてさらにコラボレーションは続いた。「大阪も、今日も、大活躍の相棒を呼んでもいいですか?」と、3度目の登場となる三浦大知とは「蜃気楼」を、「今日のラインナップ、半端ないだろ? でも俺が目指すクライマックスはまだまだ上。俺の音楽人生もまだまだ“中盤戦”」と言って迎え入れたMummy-Dとは互いの肩をガツンとぶつけ合い、熱いラップの応酬を披露した。

 そうやって音楽と、そして自身の言葉とで、“ソロデビュー10周年の908 FESTIVAL”を終わりへと導いていくKREVA。特筆すべきはソロデビュー作「希望の炎」だった。ステージの中央に立つKREVAの足元を炎が囲み、身振り手振りを大きく使って、曲を丁寧に伝えていく。「スペシャルな時にしか歌わない」というこの曲に、お客さんもまた微動だにせずじっと耳を傾けていた。そしてラストはメジャーデビュー曲「音色」。10年を共に歩んだこの曲を、この特別な日の最後にステージサイドまでぎっしり埋め尽くされた9,000人のお客さんの声と共に完成させた光景は感動的なものだった。

 アンコール、祭りの最後を盛り上げる「パーティはIZUKO?」で、この日の出演者全員が908 FESTIVALのTシャツを着てステージに勢揃いした。まさに壮観! こんなラインナップはKREVA以外には成し得ない。HIP HOP、R&B、ソウル、ファンク――ジャンルも世代も超えたミュージシャンたちが終結して、素晴らしいセッションを繰り広げた10年目のKREVA FESTIVAL。それはKREVAの音楽への深い愛情が導いた大成功であり、また10年間KREVAが自身のHIP HOPを貫き、挑戦を続けてきたからこその偉業だ。

  【取材・文:秦理絵】

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リリース情報

KX[通常盤]

KX[通常盤]

2014年06月18日

ポニーキャニオン

[CD-1]
1. 全速力 feat.三浦大知
2. トランキライザー
3. BESHI
4. 王者の休日
5. Na Na Na
6. OH YEAH
7. 基準
8. KILA KILA
9. C’mon, Let’s go
10. 挑め
11. かも
12. 瞬間speechless
13. 生まれてきてありがとう feat.さかいゆう
14. I Wanna Know You
15. 成功

[CD-2]
1. ストロングスタイル
2. ビコーズ
3. くればいいのに feat.草野マサムネ from SPITZ
4. アグレッシ部
5. THE SHOW
6. Have a nice day!
7. It’s for you
8. 国民的行事
9. スタート
10. イッサイガッサイ
11. ファンキーグラマラス feat.Mummy-D
12. ひとりじゃないのよ feat.SONOMI
13. 音色
14. 希望の炎
15. Revolution

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セットリスト

908 FESTIVAL 2014「クレバの日」
2014.9.08@日本武道館

■KREVA
  1. INTRO
  2. トランキライザー
  3. 全速力 feat. 三浦大知
  4. ■三浦大知
  5. Right Now
  6. Blow You Away
  7. Anchor
  8. ■AKLO
  9. CHASER~RED PILL~NEW DAYS MOVE
  10. Catch Me If You Can feat. KREVA
  11. ■鈴木雅之
  12. くればいいのに feat. 鈴木雅之
  13. 夢で逢えたら
  14. 僕らの奇跡 feat. KREVA
  15. ■UL ~ KICK THE CAN CREW
  16. La La Like a Love Song
  17. イツナロウバ
  18. 神輿ロッカーズ
  19. マルシェ with RHYMESTER
  20. ■RHYMESTER
  21. ONCE AGAIN
  22. CHOICE IS YOURS
  23. ■久保田利伸
  24. M☆A☆G☆I☆C久保田利伸 meets KREVA
  25. La La La Love Song
  26. ■KREVA
  27. 超イントロ
  28. イッサイガッサイ
  29. 蜃気楼 feat. 三浦大知
  30. 中盤戦 feat. Mummy-D
  31. Na Na Na
  32. 希望の炎
  33. 音色
ENCORE
  1. パーティはIZUKO?

お知らせ

■ライブ情報

リンクステーション ポみっと! PRESENTS AOMORI SHOCK ON 2014
2014/09/27(土)青森港新中央埠頭野外特設ステージ

KEN THE 390「#ケンザワンマン2014」東京公演
2014/10/17(金)恵比寿LIQUID ROOM

JFL presents LIVE FOR THE NEXT
2014/10/20(月) Zepp Namba

COUNTDOWN JAPAN 14/15
2014/12/28(日)・29(月)・30(火)・31(水)幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール
※KREVAの出演日は、後日詳細発表されます。

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。


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神輿ロッカーズ


「神輿ロッカーズ」では、KREVAをはじめ、SONOMI、UL(MCU、LITTLE)、KICK THE KAN CREWの情報をフィーチャーフォン/スマートフォンでお届けします。KREVAのシングルヒストリーをリリース当時のインタビューでふり返る参加型企画「ROAD TO 20140618」をはじめ、バースデーメールやリリース企画などがコンテンツ満載です!



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