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indigo la End、新ベーシストを迎えた4人体制の初ツアー「ハートは4つ」!

indigo la End | 2014.11.11

 ツアータイトルに「ハートは4つ」と題した今回のindigo la Endの全国ツアーは文字どおり、これまでサポートメンバーだったベース後鳥亮介が正式メンバーとなり、4人体制となった彼らの初めてのワンマンツアーだった。まさにindigo la Endの新たなスタート地点。ステージに立つボーカル川谷絵音の晴れやかな表情がそれを物語っていた。

 ファイナルの会場となった恵比寿リキッドルームはindigo la Endのワンマンとしては初めての会場。4月にリリースしたデビューミニアルバム『あの街レコード』のレコ発が渋谷クアトロだったから、一気に1,000人クラスのハコへとジャンプアップしたことになる。もちろんチケットはソールドアウトだ。

 ライブは1曲目「ダビングシーン」から掻き鳴らすギターと共にスタートした。絵音の少年のようなハイトーンボイスは一瞬にして聴き手を非日常へと連れていく。続く「名もなきハッピーエンド」で、長田カーティス(Gt)が前に出ると、絵音と後鳥は互いに向き合ってプレイ。立て続けてに披露されたアップテンポな楽曲に、客席も拳をあげて応える。その流れを変えたのが、スローナンバー「染まるまで」だった。先ほどまでの鮮やかなライティングに影が落ち、お客さんの動きもゆったりとしたものに。ここからは『夜の魔法にかけられて』からのポエトリーリーディング曲「マリの回想」や「スウェル」「抱きしめて」といったじっくり聴かせる歌へ。そして「新曲やります」(絵音)と言って披露した未発表曲では、サビの♪ワンダーテンダーで再び手拍子が巻き起こり、お客さんと一緒に盛り上がっていた。

 8曲を終えて、MCでは、改めて新ベーシストとして後鳥を「いいベーシストでしょ?」と満足げに紹介。そして、「音楽は“音を楽しむ”と書くけど、あまり楽しくないこともあった。後鳥さんが入って、今はただ楽しんでる。4人でやりたいことをやってる」と充実感を口にした。

 後半は、今回のツアーが決まり、後鳥を正式メンバーに迎えて初めてレコーディングしたシングル曲「瞳に映らない」からスタートした。まさにバンドの開放的かつ充実した心境を裏付けるような骨太のグルーヴ。さらに、それが絵音の背中を強く押し、歌そのものの説得力も増していたように思う。indigo la Endは本当にいいバンドになった。続く「夜明けの街でサヨナラを」では、サポートコーラスのササキミオの澄んだ歌声と4人の演奏のアンサンブルが美しかった。

 2度目のMCでも、絵音はいまの気持ちを率直な言葉で伝えていく。ライブとは絵音にとって音楽を届けるだけでなく、そういう場所でもあるのだ。
 「音楽は仕事にすると楽しいことばかりじゃない。俺もふつうの人生を送りたいと一瞬思った」「辞めたいとも思った」。そんな言葉を重ねながら、それでも、かつてカーティスがライブハウスの店長に「音楽でメシ食います!」と言ったことを引き合いに出し、「作詞・作曲を手がける俺がしっかりしないとダメだなと思った。バンドは家族みたいなものだから。がんばろうと思った時に後鳥さんが入ってくれて……やっぱりよかった」と、改めて言う。そして、「俺はやりたいようにやります。俺の音楽だから……これ、言わなきゃいけない感じだな。絶対に(ライブレポートに)書くないでください(笑)」と前置きをして、「俺について来い!」と少し照れながら強く一言。これには会場は大喜びだった。

 「この後にしっとりとした曲やります(笑)」と、やわらかな光に包まれて「アリスは突然に」から終盤へと流れ込む。残響音にのせた“語り”から温かなポップスへと繋がる「彼女の相談」、アグレッシブに駆け抜ける「秘密の金魚」のあと、「次で最後です」と言って始まったラストナンバーは、「幸せな街路樹」だった。歌のあと、長いセッションを展開したそれは大胆にして繊細、鋭利なのに包み込まれるような、言いようのない音楽=indigo la Endの全てが凝縮された、素晴らしい演奏だった。

 アンコールでは12月24日にリリースする新曲「さよならベル」を、「クリスマスなのに悲しい曲です」と言い添えて披露。サビの♪グッバイ、グッナイ?というファルセットが印象的だった。そして最後はライブには欠かせないナンバー「緑の少女」で2時間のライブを締めくくった。

【取材・文:秦 理絵】
【撮影:オノツトム】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル indigo la End

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2.SLY QUEEN

セットリスト

indigo la End ワンマンツアー
「ハートは4つ」
2014.10.24@恵比寿LIQUIDROOM

  1. ダビングシーン
  2. 名もなきハッピーエンド
  3. billion billion
  4. ハートの大きさ
  5. 染まるまで
  6. スウェル
  7. 抱きしめて
  8. 新曲
  9. 瞳に映らない
  10. 夜明けの街でサヨナラを
  11. シベリアの女の子
  12. アリスは突然に
  13. 彼女の相談
  14. 秘密の金魚
  15. 幸せな街路樹
Encore
  1. さよならベル(新曲)
  2. 緑の少女

お知らせ

■ライブ情報

空想委員会 「大歌の改新」 第2期
2014/11/20(木)大阪 BIG CAT

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2014/12/30(火)幕張メッセ国際展示場

indigo la Endワンマンツアー「幸せが溢れたら」
2015/02/20(金)新潟GOLDENPIGS RED STAGE
2015/02/22(日)札幌BESSIE HALL
2015/02/27(金)仙台MACANA
2015/03/01(日)金沢AZ
2015/03/06(金)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2015/03/08(日)福岡DRUM LOGOS
2015/03/11(水)長崎DRUM Be-7
2015/03/13(金)名古屋ボトムライン
2015/03/15(日)大阪 BIG CAT
2015/03/17(火)中野サンプラザ

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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