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BUZZ THE BEARS「"L" TOUR 2014」ファイナルシリーズの東京公演!

BUZZ THE BEARS | 2014.10.28

 BUZZ THE BEARSが今春発表したニューアルバム『L』、そしてそれを引っ提げて行われた今回のツアー『"L" TOUR 2014 』には、3つの「L」が想いとして込められていた。気軽に聴いて欲しい「LIGHT」、ライヴハウスに来たくなる「LIVE」、生活に寄り添っていたいと願う「LIFE」が、それにあたる。そして、この日の会場では、見事にそれらがひとつの「分かち合い」として結実。会場のそこかしこに笑顔の花を咲き誇らせていた。
 まさにその光景は、彼らの歌で例えるなら「シェアタイム」。バンドもオーディエンスも共に、時間を共有できる嬉しさ、そして、その時間を共に謳歌することの尊さに、これ以上ない喜びを分かち合うことができた。もちろんこの日も彼らの真摯的な歌の数々に涙ぐみ、感動していたオーディエンスたちの姿や表情も多かった。しかしそれ以上に、嬉しそうに、楽しそうに、共に歌い、レスポンスに応えている光景が印象的であった。

 この日は彼らが初夏から行ってきた『"L" TOUR 2014 -FINAL SERIES-』ツアーのファイナルシリーズの初日、場所は渋谷O-WESTであった。28カ所に及ぶ対バンツアーを経て、東名阪福の4都市にてワンマン形式で行う、このファイナルシリーズ。各地で培ってきた数々の「L」が、3ヶ月半を経て、どれぐらいの浸透と育みになっているかも楽しみの一つに会場へと足を運ぶ。

「"L" TOUR 2014 -FINAL SERIES- ツアーファイナル東京、BUZZ THE BEARS始めます! 行こうか!!」とボーカル&ギターの越智健太による、グイッと会場を惹き寄せる一言のあとライヴは始まった。前半のブロックは、最新アルバム1曲目の「タイムマシーン」を始め、新旧織り交えた楽曲が飛び出した。てっきりハイライト辺りに来るのだろうと思っていたがいきなり現われたことにまずは驚く。ダンサブルさを基調にオーディエンスたちを跳ねさせた同曲。上昇感と躍動感、交じる8ビートと激速2ビートと、1曲の中で様々な要素が盛り込まれるのが特徴的な曲だ。前半ながら早くもミラーボールも回り出し、曲に合わせ会場も嬉しそうにそれらの展開に対応していく。

「死ぬほど考えて、死ぬようなセットリストを持ってきたゾ。やれるよな。いけるよな。この景色を見に来た。最後までよろしくな」と、決死の覚悟を越智が告げる。とは言え、その表情はとてつもなくフレンドリーだ。

 この日はやはり『L』からの曲が中心であった。ドラムの桑原智の歌も加わり、ボーカルのリレーションと、会場も交えたレスポンスがよりオーディエンスとステージとの共有感を増させた「ピエロ」。哀愁たっぷりの歌メロと大転調が作品以上にグッときた「グローリーデイズ」が、今作ならではの真骨頂として、会場に広がっていく。

「こんなに暑いと思ってなかったゾ、この野郎」と、越智が怒鳴るも、その表情はやはり嬉しそう。「あなたの好きなこんな曲やあんな曲をやるかもしれないから」の言葉の後は、久々にプレイされる曲を交え、またもや新作から、2ビートで駆け抜ける疾走感の中、レゲエのユルさとベースの池田大介による運指が絶妙な躍動感を場内に寄与した「ハングオーバー」。そして、彼らの人気曲&代表曲とも言える「ダーリン」は、<これまで信じて一緒についてきてくれてありがとう>と<これからも一緒に大きくなって行こう!!>というバンドと観客とのアライアンスソングとも言える。この日、数多く放たれた楽曲群の中でも特に印象深かった「羽根」は、いつか俺も(私も)羽根をつけて、自由に羽ばたいてやるという力強さが感じられた。これらの曲では大合唱が起こり、ステージにぐっと抱き寄せられるような気がした。また、「出来の悪い息子の作った孝行の歌」(越智)という曲紹介のあと歌われた「バラード」では、母への感謝の込もった温かい手紙のような歌が会場を包んでいった。最新アルバム中、最もポップでフロアも嬉しそうで楽しそうなノリを見せた「恋をした夜」では、ここでも池田の運指、そして彼による一瞬のセクシーなウィスパーボイスの再現に一際大きな拍手が起こった。

 後半に入るとニューアルバムからの曲が増える。♪涙 滲んで でも大丈夫だから 今日はもう おやすみ♪の印象的なフレーズが会場に安堵感を呼び込んだ「グッドナイト」。「『もう一度収録して欲しい』というリクエストに応え、『L』に再録した」という「全てを」は“待ってました!!”と言わんばかりの声が楽曲を1つの「唱」として成立させていく。そして、楽しい時間を分け合い、分かち合い、最高ステージとフロアとで作り上げた「シェアタイム」が、まるで謳歌のごとく会場中を一つにしていった。

 これまでの彼らのフロアの具合とは若干違った様相も印象的であった、この日。会場を出る時に、これまでの彼らの現場には、今までと違う「楽しそうな」との表情を浮かべていた人が多かったのが今でも印象深い。その表情とキラキラした目からは、彼らのニューアルバムと今回のツアーを経て伝えたかった3つの「L」が、ありありと感じ取れたのだった。

【取材・文:池田スカオ和宏】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル BUZZ THE BEARS

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リリース情報

L(初回限定盤)

L(初回限定盤)

2014年06月11日

ビクターエンタテインメント

マフラータオル付

1.タイムマシーン
2.シェアタイム 
3.グローリーデイズ
4.グッドナイト
5.恋をした夜
6.ピエロ
7.ハングオーバー
8.全てを

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