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UL、超豪華でポジティブなエネルギーに溢れた新作リリースパーティ

UL | 2015.06.26

 DJブースにはHIRORONがスタンバイしている。最初にステージに現われたのは、ゲスト・ギタリストのカトウタロウだった。長髪にシルクハットをかぶったシルエットが、バックライトに浮かび上がる。ブルージーなギター・ソロをシルバーラメのレスポールで弾き出すと、ライブのスタートを待ちかねたオーディエンスが歓声を上げる。ギターの強烈なフィードバック・サウンドの中を、MCUとLITTLEが登場。ライブは、ニューアルバム『Boys&Gentlemen』の1曲目「2丁拳銃」から始まった。

 ハットをかぶったMCUと、ハンチングをかぶったLITTLEは、 スタンドマイクの前に立つ。ハンドマイクが常識のラッパーなのに、これは明らかに挑戦的。二人の真ん中にギタリストがド~ンといるのも、掟破りだ。

 LITTLEが ♪ゲットーの銃より言論の自由♪とラップし始めたとき、僕はブルーハーツの名曲「TRAIN-TRAIN」の♪見えない自由がほしくて 見えない銃を打ちまくる♪というリリックを思い出していた。そう、今、目の前にいる二人は、日本のロック/ポップスとヒップホップを結びつけた張本人たちなのだ。二人のラップは、ただのファッションではない。でもファッションもカッコいい。これがオリジネーターのパワーだ。

「もう1発、行こうか!?」とLITTLEが言って始まったのは、これもニューアルバムからの「ナイモノネダリ」。MCUの♪超近所にオープンかに道楽一年中正月♪というハッピーでナンセンスなセンテンスに、代官山UNITのオーディエンスたちは思わずニッコリ。さらには配信シングルの「One Mic」と続けて、ここまで盟友のカトウタロウがステージに付き合った。

「こんばんは、ULです。しょっぱなから新曲と、“One Mic”のギター・リミックス、いかがでしたでしょうか?」とMCUが言えば、「平日、やる方もやる方だけど、来る方も来る方だよ」とLITTLEが混ぜ返す。「WWWからUNITと来て、次は武道館かぁ? どんどん行きたい」とLITTLEが言えば、MCUが 「でも一歩一歩、つまりstep by step」と次の曲を紹介する。背後のスクリーンにはダンス・コンテストの映像が流れて、途中でMCUのダンス・パフォーマンスがピックアップされた。

 傑作だったのは「アイトクノウ」。「ニューアルバムの最後の曲ですよ」とMCU。「これは映画『ビー・バップ・ハイスクール』からインスパイアされて作った」とLITTLE。リーゼントをガビガビに決めた仲村トオルと清水宏次朗の80年代の映像が懐かしい。友情という名の火花を散らすツッパリの二人に、ULが重なっていく。

 “ほぼ同世代”(笑)のMCUとLITTLEが、昔のあるある話や近況を面白おかしく語り合いながら進行するライブには独特の味がある。大人になっても少年のようであり、時折、大人ならではの、 ギラリと刺さるタフなフレーズを繰り出す。これこそ、『Boys&Gentlemen』 の真髄だ。

 ギアをトップまで上げたのは「トビショック」から。アッパーチューンでオーディエンスを踊らせる。

 ライブの最終盤では、怒髪天の増子直純が呼び込まれて、今回、競演した話題曲「馬ッ鹿者」をアルバムさながらにパフォーマンスする。「行くぜ男道」とカツを入れながら歌う増子のコブシの効いたフレーズが、オシャレな街・代官山に響く。しかも一緒にステップを踏んだりして、ULに増子はよく似合う。このぶっとび方が、ULの個性だ。

 ラストの「マチガイナイ」では、これもアルバムに参加したFull Of Harmonyの3人が乱入して、ソウルフルな歌声を提供する。受けて立つMCUの喉も絶好調で、本編を締めくくった。

 アンコールでは、アルバムいちばんの“謎の曲”「te.to.ri.su」を生で披露。イントロの聞き覚えのある電子音に、会場はクスクス笑い。チャレンジする気持ちが、未知の世界を切り拓くことをULはよく知っている。だから最後の「La La Like a Love Song」のフックを、会場全員で歌った後、「もっと上に行きます!」と約束したMCUとLITTLEの言葉にウソはない。もっと多くのリスナーに届けたいという二人のスピリットがストレートに伝わってくる、超前向きなリリースパーティだった。

【取材・文:平山雄一】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル UL MCU LITTLE KICK THE CAN CREW

リリース情報

Boys & Gentlemen

Boys & Gentlemen

2015年04月29日

rhythm zone

1. 2丁拳銃 (Produced by HIRORON)
2. トビショック (Produced by DJ JIN (RHYMESTER))
3. 馬ッ鹿者 feat. 増子直純(怒髪天) (Produced by ALI-KICK)
4. マチガイナイ feat. Full Of Harmony (Produced by 熊井吾郎)
5. te.to.ri.su (Produced by SHOGO)
6. バブルワンサゲン(Produced by TWERK EM ALL)
7. ナイモノネダリ (Produced by Tha Under Stars)
8. 火の用心 (Produced by The BK Sound)
9. 真ッ赤ニナル迄 SHOGO Remix (Produced by SHOGO)
10. アイトクノウ (Produced by SHOGO)

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お知らせ

■ライブ情報

ROCK’N’ROLL HERE TO STAY ~GREED 9th ANNiVERSARY SPECiAL!! UL OSAKA ONE NiGHT STAND LiVE
2015/07/18(土)大阪 CLUB STOMP

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015
2015/08/08(土)茨城 国営ひたち海浜公園

SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2015 -20th ANNIVERSARY-
2015/08/29(土)山梨 山中湖交流プラザ きらら
※KICK THE CAN CREWとして出演

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。


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神輿ロッカーズ


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