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ファンキー加藤「I LIVE YOU 2015 in 大阪城ホール」初日の7月19日 (日)をレポート!

ファンキー加藤 | 2015.07.29

 会場内に入った我々を出迎えたのは、ファンキー加藤選曲によるBGM。大阪を題材にした歌詞、大阪出身のアーティストによる曲をセレクトしているのが楽しい。そして、公演中の諸注意を案内する影アナも大阪弁。恒例となっている準備体操「ファンキー応援団体操」を観客と一緒に繰り広げるスタッフは、たこ焼きの被り物を着用……開演前から、大阪のライブならではのお楽しみが次々飛び出す。先日、終了したばかりの全国ツアーとはまた一味違う内容となりそうな気配が、スタート前から漂っていた。

 場内が暗転して鳴り響いたSE。カトライト(オフィシャルグッズのサイリウム。ブレスレットのように腕に巻いて使用する)の緑色の光が会場全体で激しく揺れ動く。そして、紗幕が切って落とされ、露わになったステージ上。右腕を凛々しく掲げたファンキー加藤、サポートメンバーの田中隼人(Key)、THE BEAT GARDENのMASATO(Cho)の姿がライトに照らされて浮かび上がり、1曲目「MUSIC MAGIC」へと突入して行った。加藤の歌声の熱量が早くもものすごい。気合たっぷりの彼の姿に刺激され、会場中の人々が夢中になって飛び跳ね、歓声を上げた。

 「リスタート」と「ヒーロー」も披露された後、加藤は観客に語りかけた。「約2年半ぶりにこの会場に帰って参りました。ホールツアーとはまた一味違ういろんなものを用意してきたからな。歌えるか? 踊れるか? 騒げるか? タオルを掲げろ!」。そして始まったのは「まわせ!」。観客の手にしたタオルが、勢いよく回転する様が壮観。続いて、「恋の片道切符」が飛び出し、歓喜の声が上がる。ライブで披露されるのは久しぶりであったが、FUNKY MONKEY BABYS時代からファンに愛されているこの曲のパワーを改めて鮮やかに示していた。

 「愛の言葉」を経て迎えたインターバル。加藤は田中とMASATOと共に今日のライブへの意気込みなどを語り合った。MC用のネタを作るために前日に大阪入りして、いろいろ写真を撮ったのだという加藤。いきものがかりがツアーファイナルを迎えた昨日の大阪城ホールの写真が、まずはスクリーンに映し出された。いきものがかりとFUNKY MONKEY BABYSのメジャーデビューはほぼ同時期であり、メンバー同士はもちろん、スタッフ同士も仲が良い。ライブ前に購入したグッズのタオルを首に巻いた加藤は、果たして顔パスで会場に入ることができるのか? 実験してみたのだが……入り口で警備員に止められた彼の写真が映し出され、観客は大爆笑。懲りずに2回目の突入をした際は、ファンキーマンの覆面を着用。しかし、今度も入場ならず……という小ネタが終わり、急にソワソワし始めたステージ上の3人。「次のこの写真を出すと引くに引けなくなるんだけど……」と言って映し出された吉本興業の劇場『なんばグランド花月』の写真。そして、「今日は今までやったことのないことに挑戦。人生初の漫才をこれからやります!」という予想外の言葉が飛び出した。

 一旦ステージ後方に下がった3人は色違いのジャケットに身を包み、出囃子と共に再登場。横一列に並んで漫才を繰り広げた――恋をしたいのだというMASATO。恋に関するもっともらしい格言を二枚目風のキザなトーンで次々語る田中。それぞれ違ったアプローチでボケ続ける2人にツッコミを入れる加藤――という役割分担による漫才であった。随所で笑いがバッチリ起こり、どんどん波に乗った彼ら。ネタを披露し終えると「今までで一番出来が良かったな?」と、満足そうであった。昨晩はホテルの部屋で練習を1時間くらい重ねたのだという。「友だちの我が家の坪倉さんから頂いたネタをアレンジしました」と言い、汗を拭った加藤。「これで怖いものなくなったね」、3人はホッとした表情を浮かべていた。

 漫才が終わり、再び本業のミュージシャンに戻った加藤、田中、MASATO。フジテレビ系めざましテレビめざましデイリーテーマソング(水曜日)「少年の声」を皮切りに、多彩なナンバーをさらに届けていった。「♪さあ 頑張ろうぜ」という観客の歌声に彩られた「終わらない未来」。会場全体を熱く1つにした「輝け」。そして再び迎えたMCタイム。デビュー前はどちらかといえば自分のために歌っていたのに、少しずつ自分の歌を必要としてくれる人が増えていった喜びを語った加藤。「みんなの一言一言が力になり、勇気になってます。せっかく、みんな集まったので、今日くらいは肩に背負ってきたものをおろして。一生懸命歌うので、心のど真ん中で受け止めてください」と言い、「つながるから」を歌い始めた。耳を傾ける人々の間から温かい手拍子が起こり、穏やかな感動の輪が広がっていく。続いて「太陽」と「あとひとつ」も披露され、観客の瞳は潤み続けた。

「ホールツアーで、自分の無力さを体感することもありました。でも、カッコいい自分と未来で出会えるはず。そう信じてマイクを握って歌ってます。もっと大きなはずの自分を未来に探しに行きましょう。一緒に生まれ変わっていきましょう!」、観客に呼びかけて歌い始めた「CHANGE」。熱いメッセージを届ける加藤の姿が、とても雄々しい。その次の「希望の唄」も、喉が張り裂けんばかりに全力で歌う気迫がものすごかった。そして、「俺1人では頼りないけど、みんなとなら世界一の応援歌を奏でることができるんだよ。ここにいる8千人全員の歌声で、世界一の応援歌を共に奏でよう。力貸してくれ!」、この言葉を受けて、まさしく会場中の人々が大合唱した「ちっぽけな勇気」も感動的だった。エンディングで掲げられた8千人の拳。加藤が皆に呼びかけた通り、その1つ1つの中には無限の可能性が秘められている……そう心から信じることができる応援歌として響き渡っていた。

 全力で歌い続けた加藤は、この時点で尋常ではないくらいに汗だく。DJブースに手をついて、しばらくの間、身体を休めていたが、息を整えるとマイクを手にして観客に語りかけた。「みんなほんとにありがとう。覚えて帰ってくれ。俺の歌声はみんなのためにあるからな。またいつの日か音楽で1つになれるように一緒に歌ってください」。そして、本編ラストを飾ったのは「My VOICE」。全力で共に歌う観客の声に包まれながら、加藤がとても活き活きとした表情を浮かべていたのが印象的だった。

 会場中から湧き起こった歓声に応えて行われたアンコール。加藤はなんとアリーナ席の後方から登場し、サブステージへと向かった。ショルダーキーボードをプレイする田中、“ファンキーMILK”と書かれた大きな牛乳瓶を背負ったMASATOを率いて、真っ白なスモークを発射しながら披露した「エロメドレー」、ファンモンや加藤のソロ作品を妖しく彩ってきたSKBソング(スケベソング)である「アワービート」「Say! Joy!」「Good Show」が一気に歌い上げられた。そして、ライブでやるのは久しぶりだという「告白」も歌った後、メインステージ上のスクリーンに流れた『土曜ドラマ 紫陽花』という昼ドラ風の映像。「第3話 あなたが聞こえる」というタイトルが浮かび上がり、物語がスタートした。肩パットが入った紫色のダブルのスーツを着て渋いイケメンに扮した加藤が、女優さんと共に熱演を繰り広げるのが猛烈に面白い。大爆笑となったところで始まったのは、もちろんあの曲「紫陽花」。メインステージに戻った加藤は、昭和歌謡風のこの曲を情熱的に歌い上げ、さらに観客を笑いの渦に巻き込んだのであった。

 今年最後の『I LIVE YOU』が11月28日に宮城セキスイハイムスーパーアリーナで行われることが発表されたインターバルを経て、そろそろエンディングが近づいてきた。「残り2曲、全力で歌うので、全力で楽しんでください!」という言葉と共に雪崩れ込んだ「FLY」。客席に投入されたカラフルな巨大バルーンが飛び跳ね、明るい一体感が会場全体を包んでいった。そして、この日のライブを締めくくったのは「悲しみなんて笑い飛ばせ」。8千人の掲げたタオルが会場中で一斉に回転。たくさんのスタッフもステージの左右に現れ、共にタオルを振って大合唱。ピースサインをした右腕を加藤が掲げて曲が幕切れた時、最大級の歓声がステージに向かって届けられた。

 共にライブを作り上げた田中とMASATOを改めて紹介。ハグを交わして彼らを送り出した加藤は、生声で挨拶をした。「今日のこの日を忘れることなく。そしていつの日か京セラドームへ、みんなと一緒に行きたいと思います!」、力強い言葉を受け止めた観客は大喝采。「今日は本当にありがとうございました。以上。ファンキー加藤でした!」、この言葉を合図に、「太陽」が大音量で鳴り響いた。歌い始めた観客の姿をステージの中央に座りながらしばらく眺めていた加藤。そして、手を振って去って行った彼を、一際高まった人々の歌声が見送ったのであった。

【取材・文:田中 大】
【撮影:笹原清明/堂園博之】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル ファンキー加藤

リリース情報

[DVD]I LIVE YOU 2014 in 日本武道館

[DVD]I LIVE YOU 2014 in 日本武道館

2015年02月04日

ドリーミュージック

収録内容:
01 リスタート/02 Good Show/03 ナツミ/04 輝け/05 まわせ!/06 もっと勉強しておけばよかった/07 愛の言葉/08 終わらない未来/09 FLY/10 希望の唄/11 僕らの詩/12 太陽/13 あとひとつ/14 CHANGE/15 ちっぽけな勇気/16 My VOICE/【ENCORE】17 太陽おどり/18 紫陽花/19 ヒーロー/20 悲しみなんて笑い飛ばせ

[特典映像]
★スペシャル・オフショット
★「紫陽花」VIDEO CLIP

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セットリスト

I LIVE YOU 2015 in 大阪城ホール
2015.7.19@大阪城ホール

  1. MUSIC MAGIC
  2. リスタート
  3. ヒーロー
  4. まわせ!
  5. 恋の片道切符
  6. 愛の言葉
  7. 少年の声
  8. 終わらない未来
  9. 輝け
  10. つながるから
  11. 太陽
  12. あとひとつ
  13. CHANGE
  14. 希望の唄
  15. ちっぽけな勇気
  16. My VOICE
<アンコール>
  1. メドレー (アワービート~Say! Joy!~Good Show)
  2. 告白
  3. 紫陽花
  4. FLY
  5. 悲しみなんて笑い飛ばせ

お知らせ

■ライブ情報

I LIVE YOU 2015 in 宮城セキスイハイムスーパーアリーナ
2015/11/28(土)宮城セキスイハイムスーパーアリーナ

ZIP!夏まつり
2015/08/07(金)横浜・赤レンガパーク

お台場夢大陸 めざましライブ
2015/08/09(日)お台場夢大陸オマツリランド内 夢大陸 SUMMER GATE スタジアム

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。


◆オフィシャルファンクラブ
「ファンキー号」

URL:http://fc.funkykato.com/

◆オフィシャルモバイル&スマートフォンサイト
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URL:http://m.funkykato.com/

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