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UNISON SQUARE GARDEN、音楽への生一本な姿勢を貫いた10年、遂にツアーファイナル!

UNISON SQUARE GARDEN | 2016.02.15

 ポップにしてワイルド、ストイックにしてキャッチーな魅力を存分に振り撒いていた。音楽に対する生一本な姿勢を貫きながら、たまに逸脱する茶目っ気ぶりも実にキュートだ。改めて、比較対象のいないバンドだと思う。
 昨年(2015年)は初の日本武道館公演を成功に収め、10周年記念アルバム『DUGOUT ACCIDENT』を発表。そして昨年11月から始まった『UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2015-2016 「プログラムcontinued」』NHKホール2デイズの最終日を観て来た。

 斎藤宏介(Vo/G)にスポットライトが注がれると、いきなりアカペラで歌い始める。その透明感のあるキレイな歌声に吸い込まれながら、「さわれない歌」で本編スタート。田淵智也(B)、鈴木貴雄(Dr)の演奏が折り重なり、ミドル・テンポの曲調でじっくり攻める。それから沸点を一気に上げるように「kid, I like quartet」へ繋ぐ。観客も手を上げて騒ぐ姿が増え、「コーヒーカップシンドローム」における情熱ほとばしるインスト・パートに会場も熱くなるばかり。ホールという会場の利点を活かし、客席側にも照明を何度も当て、観客1人ひとりの盛り上がりが見える点にも高揚感を煽られた。

 そして、5thアルバム『Catcher In The Spy』のリード曲「天国と地獄」がここで炸裂。曲名通り、ヒリヒリした衝動と心地いいリズムの落差激しいダイナミズムで会場に一体感をもたらす。ステージと観客の境をこの1曲で突き崩すような盛り上がりを見せた。
 それから「きみのもとへ」、「流星のスコール」と続いた後、ここで新曲を披露。ヘヴィなアンサンブルで始まり、サビではポップに突き抜けるユニゾンらしさ満載の曲調だ。早口風にまくし立てるヴォーカルもインパクトがあった。「シューゲイザースピーカー」、「桜のあと (all quartets lead to the?)」とグッド・メロディを会場いっぱいに響かせ、ショウも中盤に突入する。スローテンポで聴かせる「夕凪、アンサンブル」は実に味わい深い曲調で、ベース、ドラムのコーラスワークも楽曲の良さを力強く後押しする。そして、スリリングな演奏で魅せる「シャンデリア・ワルツ」をプレイした後、ここでもう一つの新曲をお披露目した。ド派手な照明が煌々と光る中、ロック度の高い疾走感溢れる曲調を豪快に放ち、観客も拳を上げてノッている。今日聴いた新曲2曲はどちらもライブ映えする楽曲で、早く音源でも聴いてみたい。
 鈴木の壮絶なドラムソロを経てからの、「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」では観客も大声で歌い上げ、会場の温度も急上昇! 「シュガーソングとビターステップ」でさらに焚き付け、NHKホールをダンスフロア状態の熱気で包み込み、「場違いハミングバード」、「プログラムcontinued」で締めくくる。

 アンコールで再びメンバー3人が登場すると、「黄昏インザスパイ」を熱演した。「ユニゾンのライブは余計なことはいらない。いい曲を届けるだけ……これからもよろしくお願いします」と斎藤は言う。リスナー側に必要以上に迎合せず、自分たちの美学を突き詰める姿は、ある種ストイックに映らなくもない。しかし、音楽、楽曲、演奏に全神経を集中させ、煌びやかなポップ・センスと躍動感漲る骨のある演奏力を存分に発揮する様は実に眩しく、魅力的だ。
 切れ味鋭いバンド・アンサンブルで魅了する「箱庭ロック・ショー」、そしてラスト曲「ガリレオのショーケース」では田淵がスケボーで高いオーリーを決めるみたいに、立て掛けたベースをジャンプでヒョイ!と飛び越える場面もあり、このハッチャケぶりには大いに興奮させてもらった。
 真摯かつ愛嬌たっぷりの表情をサウンドで出し切った上で、ステージ上では無軌道なやんちゃぶりを垣間見せるパフォーマンスも、彼らが多くのファンに愛される理由だろう。幅広い年齢層の観客が集まった会場内を見て、ユニゾンの快進撃はまだまだこれからが始まりだ!と思わずにはいられなかった。素晴らしいステージだった。

【取材・文:荒金良介】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル UNISON SQUARE GARDEN

リリース情報

[DVD] UNISON SQUARE GARDEN LIVE SPECIAL “fun time 724” at Nippon Budokan 2015.7.24

[DVD] UNISON SQUARE GARDEN LIVE SPECIAL “fun time 724” at Nippon Budokan 2015.7.24

2016年01月27日

トイズファクトリー

<収録曲>
01.誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと
02.リニアブルーを聴きながら
03.MR.アンディ
04.ため息shooting the MOON
05.マスターボリューム
06.サンポサキマイライフ
07.ワールドワイド・スーパーガール
08.like coffeeのおまじない
09.スカースデイル
10.シュガーソングとビターステップ
11.23:25
12.天国と地獄
13.プログラムcontinued
14.光のどけき春の日に
15.クローバー
16.harmonized finale
17.シュプレヒコール~世界が終わる前に~
18.桜のあと (all quartets lead to the?)
19.徹頭徹尾夜な夜なドライブ
20.シャンデリア・ワルツ
21.ドラムソロ?セッション
22.場違いハミングバード
23.ガリレオのショーケース
24.センチメンタルピリオド
-ENCORE-
25.3 minutes replay
26.kid, I like quartet
27.フルカラープログラム

セットリスト

TOUR 2015-2016「プログラムcontinued」
2016.1.28@NHKホール

  1. さわれない歌
  2. kid, I like quartet
  3. コーヒーカップシンドローム
  4. 天国と地獄
  5. きみのもとへ
  6. 流星のスコール
  7. 新曲
  8. シューゲイザースピーカー
  9. 桜のあと (all quartets lead to the?)
  10. オリオンをなぞる
  11. チャイルドフッド・スーパーノヴァ
  12. 夕凪、アンサンブル
  13. 誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと
  14. シャンデリア・ワルツ
  15. 新曲
  16. 徹頭徹尾夜な夜なドライブ
  17. シュガーソングとビターステップ
  18. 場違いハミングバード
  19. プログラムcontinued
アンコール
  1. 黄昏インザスパイ
  2. 箱庭ロック・ショー
  3. ガリレオのショーケース

お知らせ

■ライブ情報

音楽と人LIVE 2016 “新木場クロッシング”
2016/03/08(火)新木場 STUDIO COAST

THE ORAL CIGARETTES 唇ツーマン TOUR 2016 ~復活・激突・BKW!!の巻~
2016/03/13(日)Zepp Nagoya

SK’s Session
2016/03/18(金)東京・日本橋 三井ホール

Whistle Song
2016/03/27(日)東京・有明コロシアム

UNICITY Vol.1.5
2016/04/20(水)赤坂BLITZ
2016/04/24(日)横浜ベイホール
2016/04/27(水)名古屋DIAMOND HALL
2016/04/28(木)大阪・なんばHatch
2016/04/30(土)岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
2016/05/02(月)静岡・浜松窓枠
2016/05/03(火)東京・ディファ有明
2016/05/06(金)宮城・仙台CLUB JUNK BOX
2016/05/07(土)宮城・仙台CLUB JUNK BOX
2016/05/13(金)福岡・DRUM LOGOS

VIVA LA ROCK 2016
2016/05/29(日)さいたまスーパーアリーナ

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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