今年の1月に2年10ヶ月振りとなる待望9枚目のオリジナル・アルバム「F」をリリースしたばかりのPUSHIMが2月20日、世界有数の美しい響きを誇るクラシック・ホール、浜離宮朝日ホールで開催されたアコースティック・セットを基調にしたプレミアム・ア・ライブ・シリーズ「Premium meets Premium 2016」へ、昨年の1月に引き続きに出演。プレミアム・シンガーと称されるその抜群のボーカル・パフォーマンスで満員の観客を魅了した。

　当日は生憎の雨模様となったが、会場はそんな天候をふき吹き飛ばす様な期待感に満ち溢れ、クラシック・ホールという落ち着いた雰囲気の中ライブはスタート。先ずは挨拶代わりに「Anything For You」と、今回ギターで参加したギターのTAKUが所属するバンド、韻シストのカバー「Dear」の2曲を軽快に披露。「こんな素敵なホールで歌が歌えるなんて、とっても幸せに思ってます」と、ピアノ、ギター、コーラスが奏でる演奏にPUSHIMが気持ち良くグルーブする姿が印象的だった。

　続いては、カバーアルバム「The Great Songs」にも収録されている、美空ひばりのカバー・ナンバー「リンゴ追分」を歌唱。美空ひばりはPUSHIMが特に尊敬する歌い手の一人で、MCでは過去街中で見知らぬ人に「あなた、美空ひばりに似てるって言われたことない？」と言われたいうトピックも披露。「ありがたいです」と尊敬する人に似ていると言われ事に恐縮しきりだった。

　今回は最新アルバム「F」からも多くの曲が、一足早くスペシャルなアコースティック・バージョンで披露された。「この日本に居るみんなが抱えている問題だったりとか、そう言うものを歌にしていくというのが、本当の意味でのレゲエじゃないかいつも思っています」と、人が持つ光と影を鋭く描写した「People In The Shadow」や、スティービー・ワンダーのカバー「A Place In The Sun」、リード・トラック「Feel It」を披露。ニューアルバムにはこれまで以上に多くのラブ・ソングが収録されているが、「恋をする気持ちって良いですよね。そういう気持ちを味わったので、これは歌にしないと勿体ないと思って歌にしました」と、自身の恋話も告白。極上のラブ・ソング「ねむれない夜」や、韻シストとのコラボした「MATTAKU」を「今日は歌中の彼氏が来てないんですけど」とデュエット・ソングも茶目っ気たっぷりに一人二役で披露した。

　本編最後には、「朝起きて、ご飯食べて、そして仕事に行って、そして家族が居て、みなさんと同じ様にシンプルな生活をしています。別に歌を歌っているからといって、毎晩どこかに遊びに行ってる訳では無いです。なので、みんなの気持ちを代弁できる様な歌い手になっていきたいと思うんです」と、ファンと同じ目線で歌い続ける、PUSHIMらしいメッセージもファンに送り、大きな喝采を浴びた。そして、「ララバイ」「Keep Peace Alive」、そして人気ナンバー「夕陽」を披露し本編は終了。

　アンコールでは当日の天候、雨に纏わる曲「はじまりはいつも雨」をしっとりと歌唱。そして、インスタグラムでメッセージを受け取ったこれから結婚するという来場していたファン、メグさんへサプライズでウエディング・ソング「The Original Love Song」をプレゼント。最後は「歌を歌ってパワーを届けるなんて言葉がありますけど、毎度思う事はこのステージに立って思うのは、パワーも貰ってるは私の方であって、みんなが聴きに来てくれるからからです。明日、明後日そしてこの先もずっと頑張って行こうという気持ちに毎度このステージでなります。本当にありがとうございます」と、全員に感謝の気持ちを伝え、「a song dedinated」で締め括った。

　なお、今後４月からは全国ツアー「PUSHIM LIVE TOUR 2016 “F”」もスタートする。PUSHIMファンは勿論の事、未体験の人にこそ是非体感しに行って欲しい。プレミアム・シンガーと称される理由が直ぐに理解出来る筈だ。

【撮影：cherry chill will】