アイドルシーンにおいて掟破りな一夫多妻制というコンセプトを掲げる異色の存在ながら、最近ではテレビの歌番組やバラエティ番組などにも出演し多方面から注目を集めている清 竜人２５。東京に名残の桜が舞う4月9日に中野サンプラザで行われたワンマン・ライヴ「清 竜人２５ コンサート 2016 春」は、終始観客の笑顔が絶えない華やかなエンターテインメント・ショーだった。

ソールド・アウトとなったこの日の公演は、開演のブザーが鳴るとステージ前に吊るされた白幕に先ずはシルエットで竜人が登場。ポーズを決めて観客をあおると、夫人達が順番でキスをしてステージ中央に全員のシルエットが並ぶ。幕が落ちると、巨大な6本の柱で囲まれたギリシャ神殿を思わせる真っ白なセットと共に清 竜人２５が姿を現した。

1曲目は「Call♡Me♡Baby」。しかし竜人はイントロが始まると直ぐにステージを去り、今度は8人の可愛いバニーガール・ダンサーを従えて華麗に再登場。更には間奏で第2夫人の桃花を連れて客席に降りいちゃついて見せるなど、冒頭からMr. PLAY BOYっぷり全開の演出で楽しませ、初のホールライブながら一瞬で会場に２５ワールドを作り上げた。「やっぱりWifeがNo.１♪」「逢いたいYO?♪」ではサイリウムを振り盛り上がるファンから歌詞に合わせたコールも起こり、夫人達の自己紹介を兼ねたMCパートを挟んだ後は「Christmas♡Symphony」「プリ～ズ...マイ...ダ～リン♡」と続き、6曲目は3月に発売されたシングル「LOVE&WIFE&PEACE♡」の収録曲でライブ初披露のナンバー「ねえねえ...」。この日のためにとっておいたというミディアムテンポの美しいワルツ曲は神殿を模したようなセットと相まってとても優雅に聴こえ、歓喜の熱でいっぱいになった会場を甘く優しく包み込みこんだ。

中盤は竜人が各夫人用に書き下ろした新曲をデュエットするというこの日限りのスペシャルパート。第1夫人咲乃から順に竜人との愛を確かめるように歌った6曲のナンバーは、スウィングジャズ、ロック、テクノポップと多種多様。いつも6人で愛情を分け合っている彼女達だけに自分だけのオリジナル曲を夫とデュエットする姿はとても楽しそうで、それを祝福するように客席はそれぞれの夫人カラーのサイリウムで埋め尽くされていた。(この6曲は現在デュエット楽曲集「DUET」として各配信サイトで販売)

デュエット後終盤はミラーボールがきらめく中での「ラブ♡ボクシング」。アッパーなディスコナンバーに合わせて拳を繰り出すキラーチューンで会場が一気にヒートアップすると、第6夫人可恩の「よーし行くよー！」の掛け声と共に夫人の組んだ神輿に竜人が担がれて「A・B・Cじゃグッと来ない?」。そしてバニーガールが再び登場しステージと客席一体となっての「スケベ！」コールから「Mr.PLAY BOY...♡」。ラストは多幸感あふれる最新シングル「LOVE&WIFE&PEACE♡」で本編は終了した。

アンコールでは鳴りやまない拍手の中ステージにスクリーンが下されると、夫人のオーデションから今に至る清 竜人２５の歩みをまとめた映像が流された。竜人との誓いを交わす前の初々しい彼女達の姿に客席からはどよめきが起こり、中でも金髪ショートがトレードマークの第3夫人亜美の黒髪ロング姿が映し出された時にはそのギャップからひときわ大きな歓声が上がっていた。映像が終わるとステージには黒の三つ揃いを着て正装した竜人とウエディング姿の夫人達が現れ愛を誓いあうように「誓いのワルツ」をパフォーマンス。ラストのMCでは7月からの「アバンチュール♡ツアー」が発表され、亜美の「素敵な時間をありがとうございました」という感謝のあいさつから第7夫人優華の「最後の曲も盛り上がっていけますかー？」のあおりでアンコールラストのナンバーは「Will♡You♡Marry♡Me?」。曲中でステージからフロアーに下りた竜人は、そのまま歌いながら客席を進みホール中央で熱唱するパフォーマンスを行いこの日一番の歓声を受けてライブは大団円となった。

昨年ツアーや大きなフェスでの経験を積んで進化を遂げた清 竜人２５のパフォーマンスが見られたこの日のライブ。映像に映し出されていた6人の少女達も今では夫を支える立派な夫人へと成長し、清 竜人２５はこれまでなかったエンターテインメント型ユニットとして着実に歩みを進めている事も感じられた。観客に愛と夢を届けるニューファミリーは今後どんな道を歩むのか？その活動に注目したい。

【取材・文：山村哲也】