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電波少女 ソールドアウトとなった 『パラノイア』リリース記念ライブをレポート!

電波少女 | 2016.05.30

 電波少女の最新作『パラノイア』のリリースを記念したこのライブ。clubasiaのフロアはソールドアウトに伴い満杯となっていた。熱気あふれるこの空間に、まず登場したのはMINAMI NiNE。電波少女と同郷、宮崎県出身のロックバンドだ。ステージに勢いよく飛び込んできたヒロキ(Vo & B)、ワラビノ(G & Cho)、スケロク(Dr & Cho)が、「雨」をスタートさせた瞬間、会場全体が一気に沸き立った。軽快に刻まれるビート、甘酸っぱいメロディに誘われて、観客は一斉に興奮を露わにする。そして「Buddy bye」や「Lax」などを次々披露。ユーモアたっぷりのMCも冴え渡り、ラストの「花」まで大いに盛り上げていた。

 2番目にステージに現れたぼくのりりっくのぼうよみが、1曲目に放ったのは「Venus」。ステージ上をゆっくり巡りながら艶めかしくラップを響かせる姿に、観客は完全に引き込まれていた。巧みにビートを乗りこなしながら届けられた「Black Bird」や「CITI」などの心地よさも格別。高いスキルと豊かな表現力をまざまざと実感させられた。「超緊張しました(笑)。僕は電波少女のファンで、お世話になってる先輩です。早く電波少女のライブが観たいです」というMCを挟み、ラストに届けられた「Sunrise(re-build)」。清々しいサウンドに合わせて、観客が掲げた腕が揺れる。爽やかな一体感を作り上げると、ぼくのりりっくのぼうよみは笑顔を浮かべてステージを後にした。

 いよいよ電波少女の出番。「拝啓」のイントロが流れると、上手側の袖からハシシ(MC)とnicecream(パフォーマンス&ボタンを押す係)が登場した。激しくラップをするハシシの隣でCO2の真っ白なスモークをフロアめがけて放ったnicecream。アグレッシブ極まりないオープニングとなり、観客は既に興奮の極みへと到達していた。そして、「MINAMI NiNEとぼくのりりっくのぼうよみに出てもらって、華やかでめでたい1日になりそうです。今日は来てくれてありがとう。最後まで盛り上がっていってください!」とハシシが挨拶をしてからスタートした2曲目以降は、お馴染みのゲストたちが合流。「オーバードーズ feat. NIHA-C」「MO feat. NIHA-C」「RY feat. Jinmenusagi」「Earphone feat. Jinmenusagi」……絶妙なコンビネーションで繰り広げられるラップに刺激され、会場内の熱気は果てしなく上昇していった。

 「Mis(ter)Understand」を披露した後は、ダンスショーケース。nicecreamが5人のダンサーたちを率いてパフォーマンスを展開した。ダンサー各々のソロ、バトル、nicecreamの華麗なスピンも飛び出し、片時も目を離せない。そんな場面を経て、大きな旗を担いだハシシがステージに戻ってくると「INTRO」がスタート。踊るnicecreamの動きが、ますます激しくなっていった。そして「INVADER feat. RAq」も歌った後に迎えたインターバル。ハシシとnicecream は、2月27日に行われたshibuya www公演について触れた。あのワンマンライブの際、「5月22日のリリースパーティーで何かが分かる」というアナウンスがされていたのだが……「いろいろ準備してきたけど、告知できなくなりました(笑)」とハシシが告げると、ガヤガヤとどよめいた観客。しかし、この告知の延期はポジティブな理由によるものらしい。「ただ先延ばしになっただけなので、これからもよろしくお願いします!」(nicecream)。「さーせん!」(ハシシ)。明るく謝る2人に対して「いいよ~」という観客の声が上がっていたのが微笑ましかった。発表の延期は少々残念だが、彼らに素敵な展開が訪れようとしているのだと思う。何が起こるかじっくり待つとしよう。

 後半戦は「オルタネート feat. トップハムハット狂」からスタート。スリリングにラップを交わし合うハシシとトップハムハット狂、全力でダンスをするnicecreamが放つエネルギーが、観客を一層熱く巻き込んでいった。続いて「オルタネートエラー feat. トップハムハット狂」も披露した後、「ありがとう。これからもよろしく」とトップハムハット狂を送り出したハシシ。すると返ってきた「こちらこそ!」という言葉。何気ないやり取りではあったが、電波少女と集まったゲストたちが強い信頼関係で結ばれていることが窺われた。

 多彩な楽曲をじっくり届けてくれたこのライブ。気づいてみれば、終盤にさしかかっていた。盛り上がり続ける人々の姿を眺めている内に、ハシシも感慨深くなったようだ。「たくさんのお客さんの前でできるのを誇りに思います。いろいろなフィールドでヤバいと思わせたいです!」という言葉を添えて歌った「笑えるように」は、観客の大合唱も加わりながら力強く高鳴っていった。そして、本編を締め括ったのは「COMPLEX feat. Jinmenusagi, NIHA-C」。Jinmenusagi、NIHA-Cと共に歌うハシシとnicecreamの実に活き活きとした姿が印象的だった。

 アンコールを求める手拍子に応えてステージに戻ってきた電波少女。「かわいい子ばっか。男の顔は見えません(笑)」という発言で爆笑を起こしたハシシは、「ヘトヘトになるくらい歌ってください!」と観客に呼びかけた。スタートしたのは「Re:カールマイヤー」。身体を揺らす人々のエネルギーが、フロアを心地よく震わせる。そして、ラストを飾った「Munchii Bear Cookiis 2015」は、NIHA-C、Jinmenusagi、RAq、トップハムハット狂が合流。自由に動き回りながら歌うステージ上の6人に負けないくらいの勢いで観客も盛り上がっていた。

 全曲が披露された後、MINAMI NiNEやぼくのりりっくのぼうよみも再登場。ますますにぎやかになったステージ上で、電波少女の2人がとても嬉しそうに笑顔を浮かべていた。そして、観客がタオルを広げたり、元気よく手を挙げたりしているフロアをバックに行われた記念撮影。電波少女の2人が音楽仲間はもちろん、観客からも深く愛されていることを改めて実感したエンディングであった。

【取材・文:田中 大】
【撮影:新倉映見】

tag一覧 ライブ 電波少女 男性ボーカル

リリース情報

パラノイア(初回限定盤)[CD+DVD]

パラノイア(初回限定盤)[CD+DVD]

2016年05月11日

redrec / sputniklab inc.

[CD]
1. 拝啓
2. COMPLEX
3. RY feat. Jinmenusagi
4. オーバードーズ feat. NIHA-C
5. Mis(ter)understand
6. 笑えるように
7. 追伸

[DVD]
電波少女 解散&復活ワンマンライブ“茶番” at Shibuya WWW(2016.02.27)
1. INTRO
2. INVADER feat. RAq
3. LIAR GAME Remix (dance showcase)
4. MO feat. NIHA-C
5. Earphone feat. Jinmenusagi
6. Mis(ter)understand

セットリスト

電波少女EP「パラノイア」リリースパーティー
2016.05.22@渋谷clubasia

  1. 1.拝啓
  2. 2.オーバードーズ feat. NIHA-C
  3. 3.MO feat. NIHA-C
  4. 4.RY feat. Jinmenusagi
  5. 5.Earphone feat. Jinmenusagi
  6. 6.Mis(ter)Understand
-dance showcase-
  1. 7.INTRO
  2. 8.INVADER feat. RAq
  3. 9.オルタネート feat. トップハムハット狂
  4. 10.オルタネートエラー feat. トップハムハット狂
  5. 11.笑えるように
  6. 12.COMPLEX feat. Jinmenusagi, NIHA-C
ENCORE
  1. 13.Re:カールマイヤー
  2. 14.Munchii Bear Cookiis 2015

お知らせ

■ライブ情報

ALL I DO. PRESENTS
「MADE IN TOKYO Vol.4」

2016/06/01(水) shibuya eggman

東京street 2016
2016/07/29(金) 新宿LOFT

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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