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ミオヤマザキ、満員の赤坂BLITZ公演でみせた決意表明

ミオヤマザキ | 2016.12.22

 今年、大きな話題となった“不倫告発ブーム!?”に先んじて、不倫問題を取り上げた楽曲「民法第709条」にて2014年にメジャーデビューした4人組ロックバンド、ミオヤマザキ。全国ツアー“ミオヤマザキ ワンマンスレTOUR 2016「Seven Pistols」”、12月10日に赤坂BLITZで行われた東京ファイナル公演を観た。2016年11月2日にリリースした1stアルバム『anti-these』が、オリコンデイリーチャートで9位にランクインした要注目の新しい才能だ。

 ミオヤマザキの存在はとにかくパンクだ。紅一点のボーカリスト、mioによるカリスマ性を感じさせるたたずまいやMCはもちろん“メンヘラ”“バンドマン”“コンドーム”“水商売”などをテーマにした楽曲など、時代の空気感とシンクロする鏡のような存在感が面白い。しかし、愉快犯ではなく、反権威主義で未来志向な強さを持っており、ただ闘いを仕掛けるだけではなく、自らのアイデンティティの葛藤、弱さをオープンにすることで10代~20代前半女子を中心とする“ミオラー”(ファンのこと)から絶大なる信頼を得ている。そんなインパクトある存在感と相乗効果を生む楽曲クオリティの高さ。時代が確実に彼女たちに追いついてきた兆しを感じた2016年だった。

 赤坂BLITZを満員で埋めたツアーファイナル当日は、ステージを覆い尽くした半透明の紗幕スクリーンに“あなたが本当に欲しいモノとは?”をテーマにした映像が流れ物語が始まる。ミオヤマザキのライブに、アーティスト自身を照らすスポットライトはない。ライブを体験すればわかるが、ボーカリストであるmioの強烈な目力をあえて封印しているのだ。楽曲そのものが強烈なメッセージ性と批評性を兼ね備えており、他者が入り込む余地が一切ないほどに作品力が突き詰められている。しかしながら、逆光シルエットから伝わってくるパワフルなライブパフォーマンスの躍動感によって、オーディエンスの胸の高まりは止まらない。

 1曲目、フロアに電話のベルが鳴り響き、照明がフラッシュし「メンヘラ」が鳴り響いた。当日は、日本初の特殊な照明セッティングが試みられ、ほかでは観ることのできない強烈な演出に驚かされた。ミオヤマザキ史上ベスト的な選曲で展開される「正義の歌」「オカルティック69」でのパンキッシュかつロックな価値観、「婚活ハンター」でのポップなコール&レスポンス、初期ナンバー「ズルい人」に溢れでる歌謡センスな昂揚感、売れないミュージシャンの在り方をメタ的に自問自答する「バンドマン」、そして、中盤にギターソロならぬ“内容証明通知書”を破るシーンが鳥肌ものの代表曲「民法第709条」、とどめは19曲目に奏でられた♪結局、金 金 金 金 それはいつから?誰に教わった先生?♪のコーラスが超絶アグレッシブな「水商売」、そして、自らの運命をヒストリカルに語るアグレッシブなロックチューン「山崎美央」の中盤で演奏が止まり、mioが語り始めた。

 「たった1000人のライブハウスで歌ってるヤツに、何ができるかって言われたらそれまでだし、何もできないかもわかんないけどさ。わたしはメジャーデビューした2年前のあの日から、この光景が目の前に広がっているとずっと信じて歌ってきたんだよ。だから正直、私たちにとってこの赤坂BLITZはただの通過点でしかない……自分の口から伝えたいことがあるから聞いてほしい……2017年4月1日、私たちは日比谷野外大音楽堂でワンマンをします。私たちはさ、もう止まれないんだよ。なりたい自分なんてもうさ、待ってるだけじゃなくて自分から迎えにいかなきゃなれるわけないだろ。テレビにも出てないし、好き勝手やってるだけかもしれないけどさ。誰でもなく、ここにいる全員に最高の景色をみせてやりたいと思って歌ってるんだよ。そんなお前らを世界一幸せなファンにしてやりたいと思ってんだよ……だから私たちについてきてください……ハンパじゃない景色見せてやるから黙ってついてこい!!!」

 楽曲中、作品とリアルが折り重なり溶け合った瞬間だ。こうして来春、念願の日比谷野外大音楽堂でのワンマンが発表された。これだからライブは面白い。着実に次なる展開へと一歩一歩すすんでいくミオヤマザキの2017年にさらなる期待をしたい。

【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】

tag一覧 J-POP ライブ 女性ボーカル ミオヤマザキ

リリース情報

anti-these

anti-these

2016年11月02日

EPIC Records Japan

1. 聞けない理由
2. 正義の歌
3. オカルティック69
4. シブヤノウタ
5. Hのすゝめ
6. 民法第709条-Album Mix-
7. 死ニDIE
8. バンドマン feat.GASHIMA from WHITE JAM
9. 生きる
10. 最初歌最期日

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セットリスト

ミオヤマザキ ワンマンスレTOUR 2016
「Seven Pistols」
2016.12.10@赤坂BLITZ

  1. 1.メンヘラ
  2. 2.オカルティック69
  3. 3.正義の歌
  4. 4.婚活ハンター
  5. 5.いつか当たり前の様にあったモノが無くなったら
  6. 6.ズルい人
  7. 7.聞けない理由
  8. 8.シブヤノウタ
  9. 9.生きる
  10. 10.死二DIE
  11. 11.(インスト)
  12. 12.バンドマン
  13. 13.民法第709条
  14. 14.Hのすゝめ
  15. 15.童貞ハンター
  16. 16.バカアホドジマヌケ死ね
  17. 17.ド・エ・ム
  18. 18.叫ビ
  19. 19.水商売
  20. 20.山崎美央

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