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パスピエ、デビュー5周年記念ツアーの最終日・中野サンプラザ公演をレポート。

パスピエ | 2016.12.28

 とても高い天井、整然と並んでいる客席……というホールならではの落ち着いたムードの会場内。広いステージ上はオブジェなどでは彩られておらず、楽器類が置かれているのみ。この空間でパスピエはどんな演奏を繰り広げるのか? 開演時間を迎えると、成田ハネダ(Keyboard)、やおたくや(Drums)、露崎義邦(Bass)、三澤勝洸(Guitar)が登場した。演奏がスタートするや否や、背景にレーザービームで描かれた横線。最初は1本だったその線は、やがて複数本に分かれ、人のシルエットらしき像を描き始める。そして大胡田なつき(Vocal)が現れ、明るいライトに包まれたステージ上。背景に浮かび上がったのは、これまでのパスピエの様々なCDジャケットのアートワークに登場した5人の女性たちだった。「さっきのレーザービームが描いていたのは、彼女たちのシルエットだったんだな」と、CDデビュー5周年を記念したライブにふさわしい演出に感動したところで、突入した1曲目は「ハイパーリアリスト」。激しく腕を揺り動かしながら踊る観客とパワフルな演奏が一体となり、瞬く間に圧倒的な盛り上がりが生まれていた。

 「皆さん、ようこそ。パスピエです!」、大胡田の挨拶の言葉を挟みつつも、ほとんどインターバルを挟むことなく突き進んだ序盤から、片時も目を離せない場面が続いた。お馴染みの「とおりゃんせ」でワクワクした直後に、2011年にリリースされた1stアルバム『わたし開花したわ』の収録曲「うちあげ花火」が飛び出すというレアな展開は、アニバーサリーライブならではだった。そして、露崎のスリリングなベースソロで盛り上げたりもしつつ、幻想的な空間を作り上げた「つくり囃子」。カラフルなレーザービームが、ネオンサインのようなグラフィック、中華街の門のような像を背景に描く中で鳴り響いた「チャイナタウン」……という2連発にワクワク! 軽やかに踊りながら歌声を響かせる大胡田の存在感、楽器隊の演奏の切れ味が抜群だったのはもちろん、随所で発揮されるレーザービームを用いた演出も猛烈にかっこよかった。

 「今日は5年前のCDから最新のものまで、いろいろやってこうと思うので、パスピエと初めて会った時のことを思い出してくれればいいなと思ってます。最後までよろしくね」という大胡田のMCのあとに届けられたのは、1stアルバム『わたし開花したわ』の1曲目「開花前線」。続いて2012年リリースの2ndアルバム『ONOMIMONO』の1曲目「トロイメライ」。最新シングル「メーデー」のカップリング「月暈」、2014年リリースのシングルの両A面を「MATATABISTEP」と並んで飾った「あの青と青と青」が立て続けに届けられたのも、マニア心をくすぐる展開だった。そして、演出の面でも刺激的だったのは、「トーキョーシティ・アンダーグラウンド」。背景にレーザービームで描かれたふたりの女性と一緒に大胡田が息の合ったダンスを繰り広げ、観客は拍手喝采をした。

 大胡田が成田と向かい合いながらキーボードをプレイする場面も交えつつ披露された「ヨアケマエ」のあと、「次の歌は、1人ひとりをちゃんと見ながら歌うので聴いてね」と大胡田が呼びかけてスタートした「ON THE AIR」。観客を優しく包み込んだこの曲の直後に放たれた「永すぎた春」は、動き回りながら全力で歌った大胡田、華麗なフレーズを連発した成田、前方にまで飛び出してダイナミックなプレイを届けた三澤と露崎……メンバー各々の存在感が際立っていた。やおのパワフルなドラムソロを経て演奏が終了したときに起こった会場全体を震わせた大きな歓声。パスピエのサウンドの豊かな表現力を改めて実感した。

 始まったばかりの5周年イヤーを今後、さらに刺激的なものにしていく決意語った成田。そして、背景に描かれている女性の両目からレーザービームが飛び出したのに仰天しながら観客が歓声を上げまくっていた「メーデー」を皮切りに、いよいよ終盤戦へ突入。大合唱を巻き起こした「YES/NO」。開放的なダンスを誘った「シネマ」。印象的なシンセサイザーのイントロが鳴り響くや否や、大喜びの歓声が上がった「裏の裏」……強力なナンバーの連発を経て、本編ラストを飾ったのは「MATATABISTEP」。汗だくになって踊っていた観客も、ステージ上のメンバーたちも本当に楽しそうであった。

 アンコールに応えて再登場したメンバーたち。年明けの1月25日にリリースする4thフルアルバム『&DNA』について触れたのに続き、バンド史上最大規模となる全国17ヵ所を巡るツアー<パスピエ TOUR 2017“DANDANANDDNA”>の開催が発表された。“ダンダンアンドディーエヌエー”と読むこのタイトルを提案したものの、急に恥ずかしくなってトイレに逃げたのだという成田。そんなエピソードの紹介で観客の笑いを誘ったりもしつつ、「どうなるか予想もつかないツアー。引き出しを増やすバンドになりたいです。ぜひぜひツアーに来てください!」と、意気込みを力強く語っていた。

 アンコールでまず披露されたのは「トキノワ」。そして、会場の隅々までが熱気で包まれた「S.S」を経て迎えた終演……と思いきや、鳴りやまない手拍子に応え、メンバーたちがステージに戻ってきた。「ダブルアンコール、ほんとありがとうございます。5周年感を出せるセットリストを作ったんですけど、「YES/NO」とか、アルバム曲もこんなに歌ってくれるなんてすごいな。“おっ、パスピエ、こう来たか!”と突き進むので、2017年以降もよろしくお願いします!」と成田がメンバーを代表して挨拶をした。

 「やる予定なかったけど、アルバムの中から、まだどこにも流してない曲を」(成田)。「ほんと特別です」(大胡田)。ふたりの言葉を添えて、ダブルアンコールで演奏されたのは、『&DNA』に収録される新曲「スーパーカー」。叙情的なメロディ、どこか切ない風味の音像を堪能しながら、瑞々しい昂揚感を噛み締めたエンディングであった。

【取材・文:田中 大】
【撮影:鳥居洋介】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル パスピエ

リリース情報

&DNA[初回限定盤]

&DNA[初回限定盤]

2017年01月25日

ワーナーミュージック・ジャパン

disc.1 [CD]
1. 永すぎた春
2. やまない声
3. DISTANCE
4. ハイパーリアリスト
5. ああ、無情
6. メーデー
7. マイ・フィクション
8. スーパーカー
9. 夜の子供
10. おいしい関係
11. ラストダンス
12. ヨアケマエ

disc.2 [DVD] MUSIC CLIPS *初回限定盤のみ
1. 電波ジャック
2. トロイメライ
3. プラスティックガール
4. デモクラシークレット
5. 脳内戦争
6. フィーバー
7. 最終電車 featuring 泉まくら(FragmentのREMIX)
8. S.S
9. とおりゃんせ
10. MATATABISTEP
11. トーキョーシティ・アンダーグラウンド
12. 七色の少年
13. 贅沢ないいわけ (lyric video)
14. トキノワ
15. 裏の裏
16. つくり囃子
17. ヨアケマエ
18. 永すぎた春
19. ハイパーリアリスト
20. メーデー

セットリスト

パスピエ 5th Anniversary Hall Tour
2016.12.22@中野サンプラザ

  1. ハイパーリアリスト
  2. とおりゃんせ
  3. うちあげ花火
  4. つくり囃子
  5. チャイナタウン
  6. 開花前線
  7. トロイメライ
  8. 月暈
  9. あの青と青と青
  10. トーキョーシティ・アンダーグラウンド
  11. ヨアケマエ
  12. ON THE AIR
  13. 永すぎた春
  14. メーデー
  15. YES/NO
  16. シネマ
  17. 裏の裏
  18. MATATABISTEP
ENCORE
  1. EN-1.トキノワ
  2. EN-2.S.S
ENCORE 2
  1. EN-3.スーパーカー

お知らせ

■ライブ情報

パスピエ TOUR 2017 “DANDANANDDNA”
2017/03/03(金) 川崎 CLUB CITTA’
2017/03/05(日) 埼玉 HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
2017/03/11(土) 高松 DIME
2017/03/12(日) 滋賀 U☆STONE
2017/03/17(金) 仙台 Rensa
2017/03/20(月・祝) 柏 PALOOZA
2017/03/24(金) 札幌 PENNY LANE 24
2017/03/26(日) 高崎 club FLEEZ
2017/03/31(金) 名古屋 DIAMOND HALL
2017/04/01(土) 大阪 なんば Hatch
2017/04/06(木) 金沢 AZ
2017/04/07(金) 新潟 LOTS
2017/04/12(水) 神戸 VARIT.
2017/04/13(木) 広島 SECOND CRUCH
2017/04/15(土) 福岡 DRUM LOGOS
2017/04/16(日) 長崎 DRUM Be-7
2017/05/07(日) 東京 NHKホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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