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UVERworld ARENA TOUR 2016 日本武道館公演ライブレポート

UVERworld | 2017.01.06

 2016年10月末から12月末にかけて行われた全国アリーナツアー「UVERworld ARENA TOUR 2016」の終盤、2016年12月25日(日)。UVERworldが日本武道館で「Premium Live on X’mas」を開催した。日本武道館で行われるクリスマスのスペシャルライブは、今年で9年目。「クリスマス、この特別な日にこんなにたくさん集まってくれて、本当にありがとう」(TAKUYA∞)と何度も感謝の気持ちを表していた6人は、アリーナツアーとは一味違う、まさに“プレミアム”なステージを見せつけた。

 会場に入ると、フランク・シナトラ、エルヴィス・プレスリーなどのクリスマスソングが聴こえてくる。ステージの後ろ側の席も開放し、東西南北すべてを埋め尽くした観客のなかにはサンタクロースの格好をした女の子の姿も(ライブのスタッフ、撮影クルーも“サンタ”でした)。武道館全体がクリスマスのムードに包まれるなか、定刻の18時30分ちょうどにライブがスタート。真太郎のドラムが口火を切り、克哉(G)、彰(G)、信人(Ba)、誠果(Sax)の音が重ねる。そこにTAKUYA∞が走り込んでオープニングナンバー「7th Trigger」が放たれる。さらに「メリークリスマス! 初っ端から飛ばしていこうぜ」(TAKUYA∞)というシャウトとともに超ヘビィなバンドサウンドを軸にした「I LOVE THE WORLD」、観客のシングアロングを呼び起こした「WE ARE GO」へ。徐々に上げるのではなく、ライブが始まった瞬間に強烈な高揚感を生み出す。この即効性はやはり格別だ。

 この日は“Premium Live”に相応しい楽曲が次々と披露された。まずは新曲「エミュー」(映画「新宿スワンⅡ」挿入歌)。シャープなギターカッティングを中心に、ブラックミュージックのテイストを反映させたグルーヴは、UVERworldの新機軸と言えるだろう。さらに「俺たちアリーナツアー中。でも、セットリストはいままでとは違うよ。年に1回しかやらない曲も出ちゃうんだろうな」というTAKUYA∞という言葉に導かれたのは、「CHANCE!」。2005年にリリースされた初期の代表曲によって、“プレミアム”な雰囲気は一気に増していく。続く「Forever Young (AK-69 feat.UVERworld)」では「名古屋が生んだヒップホップ界のカリスマ!」(TAKUYA∞)とコールされたAK-69が登場。いまや日本を代表するヒップホップアーティストとなったAK-69の迫力あふれるラップ、TAKUYA∞の切れ味鋭いボーカルが生々しく絡み合う場面は、この日のライブの最初のクライマックスだったと言えるだろう。(ちなみにUVERworldは12月15日、SKY-HIの対バンツアーにも参加。ヒップホップアーティストとのコラボレーションは、今後に彼らの音楽に大きな影響を与えるはずだ)
 ライブ中盤では、この日、2曲目となる新曲「一滴の影響」(TVアニメ「青の祓魔師 京都不浄王編」)を披露された。「その一滴の汗が、みんなを素敵な場所に連れていってくれる。その一滴の笑顔が必ずこの空間を最適なものにしてくれるからさ」(TAKUYA∞)という言葉にリードされたこの曲は、直線的なビートとドラマティックなメロディライン、そして“呪うような気持ちを止めて、自分と他人を許せば、きっと前に進めるはずだ”という願いを込めた歌詞がひとつになったナンバー。シリアスな現実から目を逸らさず、決して諦めることなく突き進んできたUVERworld。“許すこと”の大切さをテーマにしたこの曲からは、彼らの表現がさらに深みを増していることがはっきりと感じられた。
「これもみんなが聴きたいと思う1曲じゃないかな」(TAKUYA∞)というMCも印象的だった愛らしいラブソング「君の好きなうた」、楽器陣の卓越した演奏スキルが炸裂するインストナンバー「over the stoic」(←このタイトルは本当に秀逸。ギリギリまでストイックに研ぎ澄まされたアレンジをめちゃくちゃ楽しそうにプレイしていることもUVERworldのライブの魅力だ)を経て、ライブは後半のクライマックスへ。
「CORE PRIDE」「ナノ・セカンド」「PRAYING RUN」といったアンセムが次々と放たれ、会場の熱気は一気に頂点へと向かう。真摯に生きている人間からしか生まれない濃密なメッセージを含んだ楽曲を、モダンヘビィロック、ラウドロック、ヒップホップ、エレクトロなどを自在に融合させたバンドサウンドともに響かせる彼らの音楽は、ここにきてさらに凄みを増している。「この日を過去最高のライブにするんだ」という意志を持ち、自らのキャリアハイを更新し続けているUVERworld。9回目のクリスマスライブでも6人は「俺たちは常に“現在」が最高なんだ」ということをダイナミックに体現していた。

 そしてTAKUYA∞は改めてオーディエンスに語りかける。
「ずっとこうやっていたい。ずっと遊んでいたい。ずっとこうやってライブしていたい。でも、ずっとこうしてちゃいけないんだよ。ずっと一緒になんていられるわけないし、ずっと一緒にいちゃいけない気がする」「でも、まだほんの少し、俺達には時間がある。そして明日からはそれぞれの人生で戦っていくんだよ。俺たちはふだん、一匹狼。仲間たちに、いちばん大切なこの歌を贈りたい」
 人は皆ひとりで生きているし、すべての物事には必ず終わりがくる。でも、だからこそ、このかけがえのない時間を大切にしたい――そんな思いがすべての観客に伝わった後、新曲「LONE WOLF」が演奏された。個々のメンバーのグルーヴが有機的に絡み合うバンドアンサンブル、ひとつひとつの言葉が丁寧に手渡すようなボーカルが共存するこの曲は、2017年以降のUVERworldの軸になっていく。真剣な表情で聴き入るオーディエンスの表情が、そのことを明確に示していたと思う。
 ラストは「在るべき形」。たとえ未来に絶望していたとしても、何も恐れることはない。心になかにあるはずの“在るべき形”に向かって足を動かせばいいんだ。UVERworldの本質を射抜くようなこの曲によって、9回目の「Premium Live on X’mas」は幕を閉じた。

 これまでのスタイルをさらに鍛え上げながら、新しい要素もふんだんに取り入れた2016年のクリスマスライブ。UVERworldが突っ走ってきた道のり、そして、この先のビジョンを同時に体感できる、きわめて刺激なライブだった。

【取材・文:森朋之】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル UVERworld

リリース情報

一滴の影響[通常盤]

一滴の影響[通常盤]

2017年02月01日

Sony Music Records

01.一滴の影響
02.エミュー
03.Forever Young(AK-69 feat.UVERworld) 

お知らせ

■ライブ情報

UVERworld LIVE HOUSE TOUR 2017
2017/01/13(金) yokohama bay hall
2017/02/07(火) LIQUIDROOM ebisu
2017/02/14(火) Zepp Sapporo
2017/02/21(火) Zepp Nagoya
2017/02/22(水) Zepp Nagoya
2017/02/27(月) Zepp Osaka Bayside
2017/02/28(火) Zepp Osaka Bayside
2017/03/07(火) Zepp Diver City
2017/03/08(水) Zepp Diver City

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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