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REOL、世界水準センスを日本独自の音世界で奏でる最先端GIG

Reol | 2017.03.16

 いや~、2017年要注目の新しい才能REOLのZepp Tokyoライブが圧巻でした。本当すごかった。完全に2017年の東京を代表する映像を駆使した最先端パフォーマンスの魅力に圧倒されました。

 REOLとは、れをる(シンガーソングライター)、ギガ(サウンドクリエイター)、お菊(映像クリエイター)の3人によるネット世代ユニット。世界水準なセンスを日本流に解釈した独自の音世界、心情をえぐる歌詞と映像によるクリエイティビティの高さが魅力であり、「No title」などYouTubeにアップした楽曲は1,000万再生を超える熱狂的な人気とモンスター級の才能を持つインターネットの申し子たちです。


 はい、時間を巻き戻します。時は2017年2月26日(日)17時20分ぐらい。会場は、繰り返しますがお台場Zepp Tokyo。タイトルは“REOL ONEMAN LIVE「テンカイ ノ コウシキ」”。ライブレポによる追体験の準備は大丈夫ですか? 

 東京臨海高速鉄道りんかい線・東京テレポート駅から会場へ向かい、グッズがほとんどソールドアウトしている物販を抜けてZepp Tokyoに入ると白い巨大ステージのインパクトに驚かされました。階段があり、上空にはベットと鏡。まるで、空虚なミレニアル世代の心象風景を描くかのような不思議絵図。フロアには花道が躍り出ている、考え込まれたステージセットに心踊らされました。

 予定時刻から15分が経過、17時45分開演。幕が上がると透き通りながらも映像を投影できる紗幕と呼ばれる特殊スクリーンにプロジェクションマッピング風に映像や歌詞が映し出されます。そんなSFちっくな巨大空間の中、中央で独りで歌い踊る小柄な“れをる”。なるほど、あえてメンバーのギガとお菊は登場せず、サウンドを奏でる生バンドもいなく、カッティングエッジなK-POPコンサートのようにクラブテイストにトラックが爆音で流れるなか、“れをる”による独壇場のステージが「VIP KID」からスタートしたのです。

 続く「LUVORATORRRRRY!」では、キュートなラップを響かせるダンサブルなチューンが展開。こちら、実はYouTubeで1,500万再生を突破した最強ナンバーということもあり、オーディエンス大盛り上がり。というか、10代~20代前半のお客さんばかりですね。周りを見渡すと筆者、最年長な気がします……。


 続いて300万再生突破、切ない歌詞が魅力な歌ものポップチューン「ちるちる」を披露など、歴代の人気チューンを惜しげも無くプレイ。それに応えるオーディエンスの熱量も上がりっぱなしです。


 ドラマチックかつメロディアスに、“いま”っぽいセンス溢れるジャストなポップ感を聞かせてくれる「RE:」の美しさ。自問自答するかのようにアイデンティティを問う濃すぎるダブステップな「神様になった日」では、百合の花を片手にスポットライトに照らされる“れをる”。時代の空気を鏡のごとく代弁してくれるカリスマ性を感じさせてくれる、ポップスターの才能をひしひしと感じさせてくれます。


 そして中盤、“れをる”がはけての「-FINAL SIGMA-」「REOL MASH UP Remix TIME」では、正面ステージのセットが開かれ、そこからメンバーのギガとお菊が登場。謎のゲームコントローラを片手にダンサブルなサウンドの連続でフロアを盛り上げてくれます。いや~、何がすごいってギガもお菊も、演奏やVJそっちのけで、オーディエンスを盛り上げることに徹していること。ああ、これってEDM以降な21世紀センスだなと。再現性ある演奏で聴かせるコンサートではなく、エンターテインメント演出で魅せるライブパフォーマンスという選択。なるほどなと。

 そして、“れをる”が再びステージに登場し、昨年10月にリリースしたアルバム『Σ(シグマ)』からYouTubeで460万再生を突破したリード曲「ギミアブレスタッナウ」をプレイ。MVやジャケット写真と同じ衣装に着替えてきたのもテンション上がります。そういえば、以前取材した際もこの出で立ちでした。魅せるというエンタメ性を徹底しているのですね。


 さらに、ここで驚くべきことに急遽映像でメンバーインタビューコーナーが展開。3人それぞれにコアな質問が繰り広げられていきます。動画世代のオーディエンスに対してもまったく飽きさせることのない考えられた構成ですね。からの新曲「ニュータイプトーキョー」を生披露。エレクトロでポップでダンサブルでかつ歌えるというのがREOLらしさなのだなと再確認。跳ねる軽やかなビートが心地良すぎました。

 本編ラストは、「DetaramE KiddinG」「VIORA」によって突き抜けていくREOL独自なテイストが込められたひとクセあるダンサブルなEDMチューンをプレイ。ちなみに今回のワンマンツアーは、大阪と韓国でも開催されました。まるでTVモニターから飛び出したゲームキャラのような強烈な個性が生み出す3人のカオティックな世界観は、アジアはもちろん世界から注目されるだろうなと、今回のリアルなGIGパフォーマンスを見て大納得でした。

 アンコールは、ステージが蛍光で彩られ、錫杖や番傘を片手にジャパンクールなテイスト満載な楽曲「宵々古今」、そしてシャボン玉がファンタスティックに舞うフロアにラストナンバー「No title」が鳴り響き、解放されていくオーディエンスの笑顔×笑顔×笑顔。

 いやぁ、新世代アーティストREOLに要注目だなと再確認させてくれたスペシャルなステージでした。それこそ『サマーソニック』や海外フェスなどで観てみたいなと思わせる、日本発→世界へ誇るべき才能の塊に出会えた気分です☆

【カメラマン:Taku Fujii】
【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル Reol

リリース情報

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2016年10月19日

TOY’S FACTORY

01.VIP KID
02.ギミアブレスタッナウ
03.宵々古今
04.コノヨ Loading...
05.RE:
06.Lunatic
07.神様になった日
08.ちるちる
09.-FINAL SIGMA-
10.DetaramE KiddinG
11.サマーホラーパーティ
12.404 not found
13.VIORA

セットリスト

REOL ONEMAN LIVE「テンカイ ノ コウシキ」
2017.2.26@Zepp Tokyo

  1. 1. VIP KID
  2. 2. LUVORATORRRRRY!
  3. 3. ちるちる
  4. 4. Lunatic
  5. 5. サマーホラーパーティー
  6. 6. RE:
  7. 7. mede:mede
  8. 8. 神様になった日
  9. 9. 404 not found
  10. 10. -FINAL SIGMA-
  11. 11. REOL MASH UP Remix TIME
  12. 12. ギミアブレスタッナウ
  13. 13. コノヨLoading…
  14. 14. ニュータイプトーキョー ※新曲
  15. 15. DetaramE KiddinG
  16. 16. VIORA
<ENCORE>
  1. EN01. 宵々古今
  2. EN02. No title

お知らせ

■ライブ情報

AIR-G’ 35th Anniversary New Music Lab 2
04/28(金) 札幌cube garden

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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