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4月1日 は“ウソツキの日”! 毎年恒例、“USOTSUKA NIGHT” 恵比寿LIQUIDROOM公演をレポート!

ウソツキ | 2017.04.19

 “創世記”と書いて“ジェネシス”であり、“ウソツキの生まれた日”である。しかしながらバンドのバイオグラフィーを紐解けば、現在の4人編成になったのは2013年の夏とあるし、そもそも竹田昌和(Vo・Gt)と林山拓斗(Dr)で活動をスタートしたのも2011年2月だそうだから、これはやはりエイプリルフールに仕掛けた壮大な嘘だったりするのだろうかとライブが始まる前から何やらみぞおち辺りがザワザワしてくるが、その落ち着かない感じがむしろ楽しい。つまり、まんまとワクワクさせられてしまっている。

 今や毎年4月1日の恒例となった“ウソツキの日”こと彼らのワンマンライブ、“USOTSUKA NIGHT”。 4回目を迎える今回のタイトルが“USOTSUKA NIGHT 創世記-ジェネシス- ~ウソツキが生まれた日~”なのだ。しかも会場がバンド史上最大のキャパシティとなる恵比寿LIQUIDROOMにスケールアップ、さらにはニコニコ生放送のライブ生中継も入るとなればワクワクしないでいるほうが難しいだろう。着実に成長を遂げている彼らの“ジェネシス”とは一体何を指すのかとその真意を知りたくもある。

 場内が静かに暗転し、BGMが「G線上のアリア」に切り替わるや、フロアのサイドに設えられたスクリーンにメンバーの幼少期や学生時代などの画像がスライド仕立てで映し出されてオーディエンスの笑いを誘った。なるほど、これもたしかにジェネシス、すなわち彼らの起源に違いない。ほどなくしてステージに4人が姿を現わした。 「ようこそ、“USOTSUKA NIGHT 創世記-ジェネシス-”へ」
 一斉に鳴り渡るバンドアンサンブルとともに竹田が第一声を放つと、ミラーボールが場内に明るく光の粒を散らした。吉田健二(Gt)のキラキラとした旋律が恋の煌めきを彷彿させて瑞々しい「金星人に恋をした」が今日のオープニングだ。フロアいっぱいに揺れる手のひらがまるで星の瞬きにも思える。

 続いては「早速、新曲をやって置いていくバンド、ウソツキです。ついて来てください」と2曲目にして4月12日リリースのニューアルバム『惑星TOKYO』に収録の「夢のレシピ」を披露。ノリのいいロックチューンでオーディエンスを容赦なく揺らしたかと思えば、「ネガチブ」では「今日はエイプリルフール、みなさんもウソツキになれる日なのでどうか言わせてください。ひとつになろうぜ!」と呼びかけて“ジェネシス”“たのしす”と今日ならではの単語も交えたコール&レスポンスで力強くライブを牽引し、これまでにも増して頼もしいステージを展開。スタンドからマイクを外してフロアに向けては声を求めるロックスター然とした竹田の身のこなしも一段と様になっている。ただし、直後のMCで水を飲もうとして自分の頭にかけてしまったと告白した竹田。そのままいつものバンド自己紹介もせずに「一生分のラブレター」に突入したところを見ると、今日はのっけからかなりハイテンションのようだ。

 もちろん竹田だけではない。この日のバンドの姿勢には自ら進んで観客との垣根を取り払おう、自分から腹を割って向き合おうとする決然とした積極性が備わっていた気がする。例えば、吉田が先頭に立ち、MVでお馴染みの振り付け指導をするのがライブの常となっているウソツキなりのダンスナンバー「旗揚げ運動」では、振り付けの締めに行なう肩の動きがどうしてもキマらないので今日限定のものを考えてきた、と代わりに“笑顔”を提案。笑顔の先生として普段はクールな藤井浩太(Ba)をフィーチャーし、最高のスマイルでフロアを狂喜させてはオーディエンスも巻き込んで、この上なくハッピーな景色を作り上げてみせたり(残念ながらオーディエンスはその景色の当事者なので客席からは見えないのだが、吉田をして「未だかつてこんなライブ観たことありません!」と言わしめるほど)、これまた『惑星TOKYO』からの「人生イージーモード」では「ネガチブ」以上のアグレッシブさで新曲にも関わらず鉄壁のコール&レスポンスを生み出したりと、4人が一丸となって会場をひとつの大きな塊にする。藤井と吉田、それぞれのソロバトルがフロアの興奮を煽った「水の中からソラ見てる」では、曲のラストになんと藤井がアンプを乗り越え、ドラム台に上がり林山と怒涛のリズムセッションを繰り広げる場面も。これほどにも躊躇なく血気盛んなウソツキを観たのはもしかすると初めてかもしれない。

 おそらくこの日、我々が観ていたのは彼らが自ら晒してくれた“素”であり“生身”だったのではないだろうか。ウソツキのライブに足を運ぶたび、彼らの佇まいに垣間見る正直さに心打たれてきたが、今日のそれはとても直接的に胸に迫る。もっと腹を割って話さなきゃダメだと思った、だって聴いてくれる人たちが腹を割って見せてくれてるのに自分だけ隠したままじゃ僕はこの人たちを傷つけてしまう、と『惑星TOKYO』のインタビューで竹田が語ってくれているが、まさにその覚悟の体現がこのステージだと思えた。 「高校生ぐらいで“音楽で食っていく”と、そんな夢を見て歩き始めて今、この瞬間もその夢を見させてもらってます。怖いこと、ツラいことがたくさんあっても、あなたのおかげで乗り越えられてます。でも、すごくありがとうと思ってるんですけど、ずうずうしいことを言うと僕、まだ歩いていきたいので、これからも応援してください。ついてきてくれたら、今度は僕らが全力でみなさんに夢を見せます」

 温かな拍手の中、演奏されたニューアルバムのタイトル曲「惑星TOKYO」。熱く滾りながらもなおかつ端正なこの曲に散りばめられた“夢”や“情熱”もまたウソツキをウソツキたらしめる大切なジェネシスだろう。そして、それらを包み隠さず、真っ正直にエネルギーにして前に進んでいくことが、これからのウソツキのジェネシスにもなる。もしかすると“創世記”とはこの先にも続いて延々と紡がれていく彼らの物語のことかもしれないし、“ウソツキが生まれた日”とはいつか未来の彼らが振り返ったときのこの日を指すのかもしれない。

 アンコールでは「惑星TOKYO」と双璧をなすリード曲「本当のこと」も披露された。竹田曰く、「人に聴かれたくないなと思いながら作った曲」であり、だからこその本当の気持ち。“ウソツキの日”に“本当のこと”を手渡すなんて、いかにも彼ららしいじゃないか。

 5月からは“「惑星X」星跨ぎツアー”を開催するウソツキ。7月7日には渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールにてファイナル公演が行なわれることがこの日、アナウンスされた。次に会う彼らはどんな“素”を見せてくれるのだろうか。

【取材・文:本間夕子】
【撮影:山野浩司】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル ウソツキ

リリース情報

惑星TOKYO

惑星TOKYO

2017年04月12日

DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT

01.惑星TOKYO
02.人生イージーモード
03.一生分のラブレター
04.コンプレクスにキスをして
05.どうかremember me
06.地下鉄タイムトラベル
07.ハローヒーロー
08.心入居
09.夢のレシピ
10.夢屋敷
11.本当のこと

セットリスト

USOTSUKA NIGHT
創世記-ジェネシス-
~ウソツキが生まれた日~
2017.4.1@恵比寿LIQUIDROOM

  1. 01.金星人に恋をした
  2. 02.夢のレシピ
  3. 03.ネガチブ
  4. 04.一生分のラブレター
  5. 05.ボーイミーツガール
  6. 06.春風と風鈴
  7. 07.旗揚げ運動
  8. 08.人生イージーモード
  9. 09.水の中からソラ見てる
  10. 10.綿飴とりんご飴
  11. 11.恋学者
  12. 12.ピースする
  13. 13.惑星TOKYO
  14. 14.過去から届いた光の手紙
  15. 15.新木場発、銀河鉄道
 ENCORE
  1. En1.本当のこと
  2. En2.ダル・セニョールの憂鬱

お知らせ

■ライブ情報

「惑星X」星跨ぎツアー
5/13(土) 広島CAVE-BE
5/14(日) 福岡Queblick
5/19(金) 仙台enn 2nd
6/09(金) 名古屋CLUB UPSET
6/10(土) 松本ALECX
6/17(土) 札幌COLONY(※ゲストバンドあり)
6/24(土) 梅田Shangri-La
7/07(金) 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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