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キュウソネコカミが、完売のZepp DiverCityで“やばい相手”グループ魂を迎え撃つ!

キュウソネコカミ | 2017.05.09

 「グループ魂はやばい。まともには闘いたくない」
 キュウソネコカミは、氣志團の綾小路翔からそう脅されたそうだ。COUNTDOWN JAPAN 16/17の企画『港カヲルのお悩み相談室』でキュウソが「華を出すには?」と相談した時は、メンバーの港カヲル(46歳)から「女を抱け」とも言われたそうだ。3月に始まった『キュウソネコカミ 試練のTAIMAN TOUR 2017』。4月19日のZepp DiverCityで迎え撃つのは、やばすぎるその相手、グループ魂である。
 本番は想像以上だった。下ネタだらけだった。破壊(Vo/阿部サダヲ)の「キュウソのファン? やっぱ若えな。君は魂のファンかな? いくつ? 25? 52だろ、バカ」や、港カヲルの「ババァ、抱いてやろうか?」という客イジリがソフトに思えるほど。だが、彼らの表現力は超一流だった。破壊はパンクやソウルを完璧に歌い上げ、スリッパを華麗に投げ続ける。爆笑MCが一瞬でネタへと変貌する。さらに女子高生姿のカヲルなど、最終兵器を次々と投入。鍛え抜かれた反射神経と構成力は王者の風格。魂とのタイマンはまさに試練だ。

 しかし、キュウソネコカミは怯まなかった。1曲目はなんと「邪邪邪 VS ジャスティス」。
配信されたばかりの最新曲だが、♪邪邪邪ジャスティスジャスティス♪というキャッチーなフレーズに、満員のZepp DiverCityは即座に踊り出す。突如としてハウスが挿入される「MEGA SHAKE IT !」。メンバー全員がカメラマンのように指フレームでポーズを取る「サギグラファー」。ライブではこの緩急の激しさが効果的だ。キュウソはそんな自信作で早くも全員の心をつかむ。
 代表作「ファントムヴァイブレーション」「サブカル女子」がそこに火をつけた。「ファントム~」の♪スマホはもはや俺の臓器♪は、“依存”を俺の臓器と例えた、後世に残る名フレーズだ。「サブカル女子」もサブカル女子を揶揄しつつもその孤独に寄り添う名曲。単なる“あるある”を超えた言葉が、鋭く、切なく刺さるこの2曲は、グループ魂と共演するこの夜に最もふさわしい気がした。言葉のプロ中のプロであるグループ魂に、この2曲はどう響いただろうか。

 キュウソの“やばさ”が顔を出したのが中盤だ。問題の曲はタマホームのCM曲「家」。ソゴウダイスケ(Dr.)の合図で始まり、♪家家家家♪と連呼してジャンプする超シンプルなナンバーだが、ついつい何回も繰り返してしまったのだ。「何回やるねん!!」とセイヤがキレて、新曲「NO MORE 劣化実写化」へ。続く「記憶にございません」「KMTR645」と大いに盛り上がり…と、ここでまたもや「家」!! 「グループ魂が15分押してんねん!!」とセイヤが叫び、「(会場の)延長料のことは気にせんでええわ」とヨコタ シンノスケ(Vo./Key)が諦める。だが、この悪ふざけは序章に過ぎなかった!
 フロアの右から左から後方から、無数の手が集まってくる。無数の手は巨大なタワーとなり、セイヤがその上で♪ヤンキーこーわーいー♪と歌う。曲は「DQNなりたい、40代で死にたい」。ライブも大詰めだ。不安定なタワーは高さを増し、セイヤの身体がどんどん持ち上げられる。その時、この歌が会場に響いた。
 「♪潮騒のメモリ――ッ!! 17才は――ッ!!♪」
 対バン相手のカヴァー曲を必ず披露している本ツアー。今回はDQNつながりで「君にジュースを買ってあげる」が有力かと思いきや、まさかグループ魂のメンバー2人が出演し、ギターの暴動(宮藤官九郎)が脚本をつとめた『あまちゃん』挿入歌の「潮騒のメモリー」とは!! キュウソは最も破壊力のある曲を選んだのだ!! その瞬間、「キュウソはやばい…」と、誰もが思ったのではないだろうか。

 “やばい”者同志の夢のコラボは続く。アンコールの「お願いシェンロン」。“魂”と書かれた巨大スリッパの上にセイヤ(51㎏)、“筋斗雲”と書かれた板の上に港カヲル(100㎏)が乗り、観客の上へ。「怖い」とカヲルが訴え、セイヤの「男子、来て!」という機転により筋斗雲の下に人が集まり、ダブルかめはめ波を見事に成功させる。終演後の集合写真撮影では、破壊の破壊活動により、港カヲルが「カヲル100%」という生まれたままの姿に。だが、キュウソのメンバーが体を張って隠し、大惨事は回避される。
 なんとかぎりぎりアウト寸前のキワキワを走る。最後に歌われた「ハッピーポンコツ」の歌詞そのままに、暴れまくったグループ魂。つまりそれは、キュウソネコカミが彼らをガチにさせたということだ。『試練のTAIMAN TOUR 2017』でとんでもない猛者9組と対等に渡りあうところまで、彼らはたどり着いたのだ。それを意識しているのか、していないのか。ヨコタ シンノスケは最後に幸福そうにこう叫んだ。
 「グループ魂みたいな大人に、ちょっとなりたいなぁ!!」

【取材・文:柳村睦子】
【撮影:Viola Kam (V’z Twinkle Photography)】

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リリース情報

キュウソネコカミ-THE LIVE-DMCC REAL ONEMAN TOUR 2016/2017 ボロボロ バキバキ クルットゥー[初回限定盤3CD+DVD]

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2017年04月26日

ビクターエンタテインメント

Disc 1 “なんばHatch 2017/01/31”
1. サギグラファー
2. 良いDJ
3. ファントムヴァイブレーション
4. 記憶にございません
5. KMDT25
6. What’s your name?
7. KMTR645
8. 秋エモい
9. MEGA SHAKE IT !
10. OS
11. DQNなりたい、40代で死にたい
12. ハッピーポンコツ
13. 何も無い休日
14. わかってんだよ
15. お願いシェンロン
16. ビビった
他37曲収録

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