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LILI LIMIT、新曲初披露した東京渋谷CLUB QUATTRO、ツアーファイナル

LILI LIMIT | 2017.05.12

 対バン形式で東名阪を巡ったツアー『LILI LIMIT presents Entrance』。ファイナル公演・渋谷CLUB QUATTROで迎えた対バンは、ねごと。開演時間となり、真っ白な光に包まれたステージに登場した蒼山幸子(Vo・Key)、沙田瑞紀(G)、藤咲佑(B)、澤村小夜子(Dr)が、じっくりと音を交わし合いながら1曲目「DESTINY」をスタートさせると、瑞々しい音像が会場の隅々にまで広がっていった。そして、「今晩は。ねごとです。今日は楽しんでいきましょう」、蒼山の挨拶を挟んで「カロン」「シンクロマニカ」「cross motion」「mellow」も一気に披露。多彩なサウンドを噛み締めながら、観客は穏やかに身体を揺らし続けていた。

「ツアーファイナルに呼んで頂き、ありがとうございます。LILI LIMITとは同じレーベルで同世代。さっき改めて挨拶をしたんですけど、お互いに人見知りだからぎこちなくて(笑)。自分たちの音楽で気持ちを伝えていきたいです」とMCで語った蒼山。6月21日に中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)のプロデュースによる新曲「DANCER IN THE HANABIRA」を収録したシングルをリリース、ねごとpresentsのイベント『ETERNALBEAT NIGHT』(6月26日恵比寿LIQUIDROOM、6月27日梅田CLUB QUATTRO)が決定したことも発表された。そして後半は「メルシールー」「君の夢」「シグナル」「アシンメトリ」が届けられ、至福の時間は瞬く間に過ぎて行った。「みんな踊れる? 自由に自分のリズムで行けますか?」と呼びかけて突入したラストの曲は「ETERNALBEAT」。観客とステージ上のメンバーたちが笑顔を交わし合いながら盛り上がる風景が、とても美しかった。

 拍手を浴びながら登場した牧野純平(Vo)、土器大洋(G)、黒瀬莉世(B)、志水美日(Key)、丸谷誠治(Dr)。LILI LIMITのライブの幕開けを飾ったのは「Festa」だった。パレードをするかのように伸び伸びと展開するサウンドが心地よい。そして2曲目「Kitchen」の温かいメロディが、観客を穏やかなムードで包んでいった。

 何処か80年代の洋楽ポップスを彷彿とさせるビートと清々しいメロディが絶妙に融合していた「h.e.w.」。一緒に口ずさみたくなるメロディを明るく響き渡らせた「at good mountain」。身を任せたくなる柔らかな横ノリを体感させてくれた「seta gaya」……洗練されたアレンジで裏打ちされた音楽でありつつ、親しみやすいポップスでもあり、ダンスミュージックとしての威力も随所で発揮するLILI LIMITならではの魅力が冴え渡ったところで迎えたインターバル。牧野は「暗い気持では聴いてほしくなくて」と前置きしつつ、他界した祖父について触れた。「人の死に直面して分かったのは、俺はまだ全力で生きてないなということ。他人から教えてもらうことって、いろいろあるんです。こうやって生のライブができて、こうやってお客さんが集まってくれて、一緒に音楽ができる仲間がいて、一緒に前に行こうってしくれるスタッフのチームがあって、ほんとに嬉しく思います。今日は来てくれたありがとう。」そして、「春になったら歌いたくなる曲。別れから経験したことを歌にしました」という言葉を添えて届けられた「lycopene」は、胸の奥にまで沁み込んでくるかのような温かなメロディが印象的だった。

「A Short Film」を演奏した後、メンバーたちは和やかなMCを繰り広げた。「ツアー、楽しかったね。音楽が大好きなみなさんから刺激をいっぱい受けました」(土器)。「ねごと、学生の頃から好きだったんです。カラオケとかで歌ってましたから」(志水)。「今回のツアー、良い音楽に触れて、勉強になりました。私たち、もうすぐデビューして1年。これからも自分たちらしく頑張ろうと思いますので、よろしくお願いします!」(黒瀬)。そして、「auのCMといえば、ねごとの「カロン」とASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ブラックアウト」。特別な日なので、「ブラックアウト」をやろうと思います」と牧野が言い、「ブラックアウト」が披露された(LILI LIMITは、アジカンのトリビュートアルバム『AKG TRIBUTE』に参加。この曲をカバーしている)。フロアユースに再構築されたサウンドは、生で聴くと一際心地よかった。

「まだまだ行ける、渋谷?」と煽って雪崩れ込んだ「Girl like Chagall」。ギターをスタンドに置いて身軽になった牧野は、ハンドマイクで歌いながら軽快にステップを踏み、観客をどんどん巻き込んでいった。そして、本編を締めくくったのは、新曲「LIKE A HEPBURN」。開放的に踊る人々のエネルギーがフロアを爽やかに揺さぶったこの曲の演奏を終えると、メンバーたちはステージから去ったが、アンコールを求める手拍子が起こった。

 アンコールのために再登場した5人は、オリジナルグッズを紹介。「このタオルの青色、信号みたいでかわいい」「ミニタンブラーは醤油とかを入れたらおしゃれかなと」……独特な感性が窺われる土器の発言に対してメンバーたちが突っ込みを入れる姿が微笑ましかった。そして、牧野は今後の活動予定を発表。「6月28日に2nd EP『LAST SUPPER EP』をリリースすることになりました。最高のものができました。リリースに伴ってワンマンツアーで各地にも行くんで」。

 2nd EPのタイトル曲「LAST SUPPER」が、このライブのラストを飾った。「初めての曲だから、どう動けば良いか分からないと思うけど、俺についてきてもらえば大丈夫だから」と牧野は言っていたが、まるでおなじみの曲かのように盛り上がる観客の熱気がすごかった。アウトロに突入すると「またお会いできることを楽しみに頑張ります!」と言ってステージを後にした牧野。やがて演奏が終了し、手を振った土器、黒瀬、志水、丸谷の明るい表情からは、今回のツアーの充実した日々と、この先の活動に対する強い意欲が窺われた。

【撮影:ハタ サトシ】
【取材・文:田中 大】

tag一覧 ライブ LILI LIMIT ねごと

リリース情報

LAST SUPPER EP

LAST SUPPER EP

2017年06月28日

Ki/oon Music

01. LAST SUPPER
02. LIKE A HEPBURN
03. ERAION
04. STREET VIEW

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セットリスト

LILI LIMIT presents Entrance
2017.4.28@渋谷CLUB QUATTRO

NEGOTO set list
  1. 1. DESTINY
  2. 2. カロン
  3. 3. シンクロマニカ
  4. 4. cross motion
  5. 5. mellow
  6. 6. メルシールー
  7. 7. 君の夢
  8. 8. シグナル
  9. 9. アシンメトリ
  10. 10. ETERNALBEAT
LILI LIMIT setlist
  1. 1. Festa
  2. 2. Kitchen
  3. 3. h.e.w.
  4. 4. at good mountain
  5. 5. seta gaya
  6. 6. lycopene
  7. 7. A Short Film
  8. 8. ブラックアウト
  9. 9. Girls like Chagall
  10. 10. LIKE A HEPBURN
  11. en: LAST SUPPER

お知らせ

■ライブ情報

LILI LIMIT presents Archive
09/02(土) 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
09/08(金) 名古屋ell.FITS ALL
09/10(日) 福岡DRUM SON
09/16(土) 渋谷WWWX
09/18(月祝) 心斎橋Music Club JANUS

make a sandwich
05/20(土) 下北沢440

mol-74「colors」release tour
06/16(金) 福岡Queblick
06/23(金) 仙台LIVE HOUSE enn 2nd

10th Anniversary!!『Mujack Dream Land 2017』
06/25(日) 大阪 Music Club JANUS

gpdd
07/08(土) 青山月見ル君想フ

MURO FESTIVAL 2017
07/22(土) お台場野外特設会場

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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