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会場の隅々に“音楽”が響き渡る心地好い空間となった、go!go!vanillasツアー初日をレポート!

go!go!vanillas | 2017.09.27

 go!go!vanillasが7月26日にリリースした3枚目のニューアルバム『FOOLs』を携えて、全国25公演で開催する「go!go!vanillas「FOOLs」Tour 2017」の初日公演が9月9日に横浜 Bay Hallで行なわれた。およそ3ヵ月にわたり、全国のライブハウスを駆け抜けたあと、12月2日にZepp Tokyoでファイナルを迎える今回のロングツアー。まだ始まったばかりのツアーなので、セットリストの詳細は書かないが、アルバム『FOOLs』を完成させたことで、より成熟した表現を獲得したバニラズのライブは、会場の隅々に“音楽”が響き渡る心地好い空間になっていた。このライブのキーワードは“自由であること”だ。自分の好きなものに対してバカになる、という意味で“FOOLs”と名づけたアルバムのツアーだからこそ、その場所には、心の底から自由に音楽を楽しむ以外のルールはいらなかった。

 開演は18時。ソールドアウトの会場にはその開演を待つ人たちの期待と熱気で溢れていた。主役のいないステージに並ぶドラムセット。そのバスドラのヘッドには“FOOLs”の文字が刻まれている。そして、開演。「今日はどこにもない最高の夜にしよう!」。誰よりもその瞬間の訪れを心待ちにしていたように声を弾ませた牧達弥(Vo・G)の声を合図に、昨年夏、THE BAWDIESとのスプリットシングルとしてリリースした『Rockin’ Zombies』収録の「ヒンキーディンキーパーティークルー」を披露すると、フロアからは一斉に手が上がる。「進太郎ー!」と叫ぶ牧の声に合わせて、ぐいっと前に歩み出た柳沢進太郎(Gt)。その華やかなギターソロに会場が湧くと、長谷川プリティ敬祐(Ba)は躍動感のあるリズムでバンドのボトムを支えながら、お客さんのハンドクラップを煽る。メンバーの後ろでドラムスティックを高く突き上げるジェットセイヤ(Dr)の性急かつ軽快なビートはバニラズのスピードの要だ。4人の個性が混然一体となって鳴らされるバニラズのロックンロール。それは年々強度を増しながら、私たちを非日常のハッピーへと連れ出してくれる。

 「とうとうやってきた!FOOLsツアー初日へようこそ。横浜……なんと、初ワンマンでございます!テンションがおかしくなりそうです(笑)」。数曲終えるごとに挟まれるMCからも、ツアー初日を迎えたメンバーの喜びがダイレクトに伝わってきた。

初日は鉄板のライブアンセムを織り交ぜたライブだったが、いちばんの聴きどころは、やはり『FOOLs』の新曲たちだ。ブラックミュージックの影響を強く打ち出すことで、改めて見直したリズムセクション。曲ごとのイメージを明確にした曲作りやレコーディング。そこから生まれた新しいバニラズの楽曲たちは、衝動やエネルギーを全力で注ぎ込む、いままでのライブとは少し違う、より豊かで奥行きのある新鮮な感動を生み出してくれた。

『FOOLs』のアルバムのインタビューで、牧はこんなふうに語っていた。

「“この引き出ししか持ってないけど、その中にはたくさんのおもちゃが入ってる”だけで、これから何年バンドをやっていけるの?って思っちゃったんですよ。俺らはいろいろな音楽が好きだからこそ、もっと新しいものも身に着けなきゃいけないっていうか」

 それは、前作『Kameleon Lights』でも描いていた構想だったが、本当の意味でそこにアプローチできたのは、今作『FOOLs』だ。本来ツアーの初日というのは、どんなに熟練のバンドでも緊張感が漂うことが多い。だが、この日のバニラズに関しては、新しい音楽を生み出すことを心から楽しみながら完成させたアルバムのムードを反映するように、とくに新曲を演奏するとき、メンバーは本当に楽しそうな表情を見せた。MCで「良いアルバムでしょ?『FOOLs』、つまりライブもヤバいってことよ」と言ったのは、進太郎だ。良いアルバムを作って、良いツアーをして、成長する。シンプルなようで難しい、そういう健全なサイクルのなかに、いまのバニラズがいることを、そのライブは感じさせてくれた。

 バニラズの音楽的な可能性を押し広げるような新しいタイプの曲たちを中心にしながらも、ライブの大切な場所で披露された「平成ペイン」や「おはようカルチャー」といったシングル曲は、これまで以上に強い意味合いを帯びていた。ゆとりと揶揄され、大人たちにバカにされ続けた平成世代だが、自分たちこそ新しい時代を築いていく存在だと歌う「平成ペイン」、新しいカルチャーの夜明けをダイナミックなサウンドで表現した「おはようカルチャー」。バンドの意思を刻んだこれらの曲たちは、ここからバニラズを中心にした大きな輪を広げていくための、たしかな足掛かりになるものだ。CDでも、You Tubeでもない。それらの曲をライブハウスで届けることが、いまのバニラズには大切なことだと思う。

 アンコールのラストはステージ際に4人が並んで、「文句なしのFOOLsツアー初日になりました。このツアーで怪我なく、無事に帰って来ることを、みんなに誓って帰ろうと思います」と、初日の会場に駆けつけたお客さんへの別れの言葉を告げた牧。ここから長いツアーへと旅立つgo!go!vanillasが、『FOOLs』という新しいおもちゃを、どんなふうに進化させて、東京に帰ってくるのか。それが、いまから楽しみでならない。

【取材・文:秦 理絵】
【撮影:ハタサトシ】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル go!go!vanillas

リリース情報

FOOLs

FOOLs

2017年07月26日

ビクターエンタテインメント

1.We are go!
2.サクラサク
3.FUZZ LOVE
4.ヒンキーディンキーパーティークルー
5.ラッキースター
6.平成ペイン
7.サウンドエスケープ
8.バイバイカラー
9.ストレンジャー
10.グッドドギー
11.パペット
12.ナイトピクニック
13.おはようカルチャー

お知らせ

■ライブ情報

go!go!vanillas「FOOLs」Tour 2017
09/28(木) 浜松 窓枠
09/30(土) 長野 CLUB JUNK BOX
10/01(日) 金沢 EIGHT HALL
10/06(金) 仙台 Rensa
10/08(日) 秋田 Club SWINDLE
10/09(月) 盛岡 Club Change WAVE
10/21(土) 高松 MONSTER
10/22(日) 高知 X-pt.
10/26(木) 米子 laughs
10/28(土) 広島 CLUB QUATTRO
10/29(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
11/09(木) 宮崎 SR BOX
11/11(土) 熊本 B.9 V1
11/12(日) 福岡 DRUM LOGOS
11/18(土) 札幌 PENNY LANE 24
11/19(日) 札幌 PENNY LANE 24
11/25(土) 名古屋 Zepp Nagoya
11/26(日) 大阪 Zepp Osaka Bayside
12/02(土) 東京 Zepp Tokyo

三重大学 三重大祭
11/04(土) 三重県 三重大学

白鷗大学 白鷗祭
11/05(日) 栃木県 白鷗大学 本キャンパス

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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