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3日間に渡り都内で行われた日本最大級のライブハウスサーキットイベント『TOKYO CALLING』、最終日レポート第一弾!

TOKYO CALLING | 2017.10.23

日本最大級のライブハウスサーキットイベント『TOKYO CALLING』が、今年も9月16日~18日、東京は下北沢、新宿、渋谷で繰り広げられ、大盛況を収めた。
大阪「見放題」、愛知「でらロックフェスティバル」、福岡「TENJIN ONTAQ」の各地名物サーキットイベントとも提携され運営されている連合軍的な同イベント。9月17日は下北沢、18日は新宿、そして19日は渋谷の各会場にて行われ、全国各地から計300組以上のアーティストが出演し、述べ1万人のオーディエンスが各アーティストの鳴らす音楽を思う存分楽しんだ。
そんな『TOKYO CALLING』の最終日、渋谷会場からのレポート第一弾をお届けする。

クアトロ二番手はShout it Out。現在の自身の年齢ならではの歌とメッセージを青春性たっぷりな勢いと衝動と共に放つロックバンドだ。
“この想いよ伝われ!!”と言わんばかりに、激情とエモーションを各曲通して放出した彼ら。まずは「青年の主張」にて、“こんな素晴らしい光景を探している/探していく”との所信表明を会場中にぶつけてくる。ドライブ感溢れる「17歳」に入ると更にライブは加速。サビの開放感がたまらない「道を行け」、“この気持ちが届き、あなたを支えられるのなら…”との気持ちが溢れた「夜間飛行」等、各曲に込めた想いが連射されていく。
「いつも通りのライブだけど、いつもと違う感情があると嬉しい」とは山内彰馬(Vo・Gt)。ラストの「青春のすべて」まで、今しかない、今の自分だからこその信憑性を持って伝えられる歌の数々を、会場中がガシッと受け止め反響させていた光景も印象深かった。

持ち前の躍動感とグルーヴで、会場を縦にノらせ、横に揺らせたパノラマパナマタウンは、「知らん人も一緒に楽しもう」という岩渕想太(Vo・Gt)の一言でライブの幕を開けた。
1曲目は「リバティーリバティー」。ワウの効いたギターとファンキーなベース、4つ打ちディスコも交えたドラム、アクションも交えたラップ混じりのボーカルが躍動感と一体感を生み出していく。「ロールプレイング」に入ると会場中のバウンスも更にアップ。アジテート混じりのボーカルも手伝い、会場がステージにグイグイ惹き込まれていく。そして、ミクスチャー性たっぷりの「Gaffe」が、より会場を楽しそうに跳ねさせれば、「自分たちの思う“一番かっこいい”を詰め込んだ」との岩渕の言葉から入った、ライブ初公開の新曲「ラプチャー」では、光を追い求めクエストしていくが如くミディアムながら生命力のある、ずっしりと存在感溢れる同曲が力強く会場に響いていった。

円山町に移動し、O-WESTへ。ハルカミライを見るためだ。「俺たちライブハウスでロックバンドをやりにきました!!」とは橋本学(Vo)。暴れんばかりの力強い歌声と青春パンク性が入り混じったアグレッシヴな演奏が満場の魂をグッと引き寄せる。「バンドを特別にするのは、そこに集まった人と人だ!!」とのMC通りの気持ちを込め、時に荒々しく、時に美しく歌声を使い分ける橋本。所々で上がる、そのコブシは実に力強かった。
「君にしか」を皮切りに、会場にコブシと雄々しい呼応を巻き起こした「カントリーロード」、一緒に会場中をシンガロングさせた青春パンク性の高い「ファイト!!」や「俺たちが呼んでいる」。疾走感とロマンチックさを広げた「ラブソング」、また新しい今日に出会えることを信じさせてくれた「アストロビスタ」等、激しさと衝動、そしてロマンチックさを同居させた楽曲を用い、想いをまっすぐに会場にぶつけ続けた彼ら。活力みなぎるそのステージの終了後には、すっかりと気持ちが各曲に同化していた自分がそこに居た。

そのままO-WESTに待機。ハードエッジさとポップさを兼ね備えたPOTの登場を待つ。彼らの魅力の一つは、Gt×2、Baの3人がボーカルをリレーさせていく、その歌声のバリエーション。この日もハッピーさ溢れるメロディアスな各曲に乗せ、それらが縦横無尽に花開いた。
「今日は、とことんしんどくなって帰って欲しい!最後まで遊びまくろうぜ!!」 というよっぴー(Vo・Ba)の一言からハッピーでポップなライブは幕が開く。心から楽しめるようにとのメッセージが込められた「Sunday」を筆頭に、スカパンクも交えポップさを呼び込んだ「I scream fuck’n day」では、よしくん(Vo・Gt)も客席に飛び込んでいく。また、幾つものモッシュピットやサークルを生んだ「Hustle Carnival」、会場中のコブシを上げさせた「SYAKUNETSU BEAT」、ミラーボール回る中、至福感を会場中に広げた「DANCE FEVER」、はたまた激走、疾走2ビートナンバー「YOLO」に於いては、無数のサーフ&サークル数を記録。力強く会場と一緒に歌った「COUNTDOWN」と共に、聴く者の明日への活力を与えてくれた。

続いてのO-WESTにAmelieが登場すると、更に会場がパッと明るくなる。この日も彼らは様々なタイプの光の包み方をしてくれ、元気とやる気をみなぎらせてくれた。
「来年はもっと大きなところでやると言った去年からの約束を果たせた!!」とはmick(Vo・Gt・P)。昨年以上の大きさの会場でのプレイに、とても嬉しそうだ。始まりの鐘を高らかに鳴らすべく、疾走感とブレイヴ感溢れるギターサウンドにキュートさたっぷりのmickの歌声が光る「君が為に鐘は鳴る」を皮切りに、これでもかと一体感を作り出した「メグリメグル」、さらには11月1日発売の新曲「step!」も披露し、君の街への旅を始める為の歌が、上向きでポジティブな雰囲気を作り上げていく。また、変わりたいけど変われない、そのジレンマや焦りを洗い流してくれた「ゼロじゃない」、自身の特性とも呼べる切なさを広げつつも、光へと連れ出してくれた「honey」、最後は客電全開のなか「ヒーロー」が歌われ、曲の内容と同様に各自が自分だけのヒーローを思い浮かべた。

 この日、最も至福な時をくれたのは、O-EASTでのBRADIOだったかもしれない。会場を盛り上げ、一つにしていくことに長けている彼ら。FPP(ファンキーパーティーピープル=BRADIOのライブに集まったお客さん)に、終始ハッピーでこの上ない心地良さを寄与してくれた。
中でも「ノンストップソウルトレイン」と称された、20分近くに渡る自身の代表曲・人気曲をギュッと詰め込んだパートはハイライトの一つ。会場の隅々まで振り付きで踊り、ノらせた「Flyers」、グイグイと惹き込むファンキーさもたまらなかった「-Freedom-」、会場にモンキーダンスを巻き起こした「オトナHIT PARADE」、また、セクシーでエロティックなサーフナンバー「スパイシーマドンナ」では、フリも交えて楽しませてくれた。
ラストは会場も巻き込み、揃いのステップのなか歌われたグルーヴィーな「Back To The Funk」。この時間よ、まだまだ続いてくれ、と願う中、無情にも客席の明かりは灯ってしまった。

続くO-EASTでの感覚ピエロは、艶やかな歌謡性のある歌声と一緒に遊ぶかのようなステージを展開してくれた。
「手加減なしで行くぜ!色々なバンドが出てるけど、ワンマンのつもりでここに立っている!」とは横山直弘(Vo・Gt)。手始めに「CHALLENGER」にて全員にハンズアップさせ、一体感を作り出していく。コール&レスポンスも光った「ワンナイト・ラヴゲーム」、タイトなドラムとループ感を擁した演奏から豹変、一体感や共有感へと突っ込んでいく「疑問疑答」が、会場を盛り上げていく。また、タオル大旋回の壮観のなか歌われた「A BANANA」、代表曲「O・P・P・A・I」が飛び出すと、会場中も合わせてあのキャッチ―なメロディに乗せて、男女問わず“おっぱい”の歌唱連呼。しまいには、おっぱいコール&レスポンスも飛び出し、普段なかなか口に出せないぶん気持ちがいい(笑)。ラストは人気曲「拝啓、いつかの君へ」。満場一致の大合唱が連帯感を生んでいった。 

O-WESTへと移り、FABLED NUMBERへ。ステージとフロアが一緒に空間を作り出すべく、その共創さに自然と胸が高鳴る。
場面場面にて大合唱やワイパーを作り出していた、この日。「最高にハッピーな時間を作ろう!!」とのN’Eita(Gt・Vo)の言葉から「AAO」へ。サビのキャッチーな部分では無数のワイパーが生まれていく。「夜の鼓動」では、トロピカルハウスも交え、同曲の描く満天の星をみんなが思い浮かべる。また、この日は11月8日発売の新作『THUNDER』から一足早く「Like a Thunder」も披露された。一緒になって声を合わせられる、まさにスタジアムアンセムの様相を魅せた同曲。以降も会場の盛り上がりに火を点けた「Don’t let me go」、その日ならではのアドリブを交えたギターでの弾き語りから一転し、アッパーに突入した「The Lights」、そしてラストはミラーボールの回る中、美しく壮大に「The King」が歌われ、「おおきにな」とのエターナルな気持ちと共に彼らはステージを去った。

ラストスパートは慌ただしくも各アーティストの勢いをアラカルト的に堪能させてもらった。
まずは急いでO-nestに移動。挫・人間に滑り込む。飛び道具満載の愉快で奇天烈な楽曲と、その魑魅魍魎さにグイグイ惹き込まれるオーディエンスや、すっかり会場を掌握したかのようなステージはさすが。

そこからO-EASTに移動し、“日本一泣けるコミックバンド”四星球を観る。
いつもの法被にブリーフ姿でスタンバイ中の3人のメンバー。「TOKYO CALLINGを日本一の祭りにするためにやって来ました!!」とフロアから北島康雄(Vo)が現れ、ステージへ。
たった4曲ながら最終的には会場中を完全に自身の虜にした彼ら。「妖怪泣き笑い」から泣き笑いのステージの開始を告げ、会場全体にジャンプを誘ったアップテンポな「お告げ」では、次に登場する打首獄門同好会へのよいしょも交え、会場を和ませていく。また、お客さんの大合唱から始まった「クラーク博士と僕」では、カウパンク調の駆け抜けていくサウンドが会場を並走させ、最後は15歳の時の自分に向けて歌われた「おセンチセンチメートル」が、皆のあの日のあの頃の自分に、心の手紙を贈らせた。
持ち前のサービス精神やバイタリティ、機転や事前の仕込みを駆使し、笑わせ、微笑ませ、だけどどこかほろっとさせる、まるでトラジコメディを見ているかのような時間であった。

そのままダッシュでO-WESTに移動。マカロニえんぴつのステージを堪能する。
各楽曲を通し、ここではないどこかへと誘ってくれた彼ら。「今日は軽く生き様を置いていきます」とは、はっとり(Vo・Gt)。彼ら特有の景色が見えるスケールの大きな音楽性、通称「マカロック」を、このO-WESTに広げにかかる。
開放感と爽快感を味あわせてくれた「鳴らせ」、キャッチーなフレーズの連呼が印象深い「洗濯機と君とラヂオ」、「夏が似合わないのは知っているのに夏のシングルを作ってしまった(笑)」というはっとりの言葉のあとに放たれた「夏恋センセイション」は、過ぎ去ってしまった今夏の残り香を思い出させ、ラスサビの転調にグッときた。

最後はStar loungeに移動し、キイチビール&ザ・ホーリーティッツを観た。
同会場ラストを飾った彼ら。都会の夏に溶けるソフトクリームが如く、柔らかく優しげな男性ボーカルにウィスパー混じりのキュートな女性ボーカル。しかしバックのバンドサウンドはしっかりがっしりとした、新鮮さ溢れるユニークな音楽性を、そのタイム感も含め堪能させてもらった。
ほのかな幸せ感漂う「パウエル」を皮切りに、歌詞の世界観が彼ら流「傘がない」(井上陽水)とも言える「世の中のことわからない」、打って変わりガツンとしたロックバンド性をアピールした「はじめまして、キイチビール&ザ・ホーリーティッツです。」、2ビートも交え、ドライブ感とノリを生み出した「夏の夜」、本編最後は自分に言い聞かせるように作ったという未収録楽曲となる新曲「東京タワー」が、会場の聴き手に向けて響いていった。また、アンコールでは代表曲のやめられないとまらない&「雨に唄えば」のフレーズも交えた「かっぱえびせん」が飛び出し、独特の時間を締め括った。

人気、音楽性共に幅広い演者たちが、その時間を選んだ者に最良の空間を寄与すべく、唯一無二の音を鳴らし、歌を放ち合ったこの日。これだけ各アーティストが素晴らしいライブをし、お客さんも楽しめるイベントであるなら、今年のこの好評がお客さんやアーティストにも媒介され、来年はもっと凄いことになっていそうだ。
気が早いが、私も来年のこの時期、このフェス用にスケジュールを今から空けておくことにしよう。

【取材・文:池田スカオ和宏】
【Photo by 中尾友香(TOP)】

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Shout it Out「青年の主張」

Shout it Out「青年の主張」

2017年03月08日

ポニーキャニオン

01. 大人になれない
02. 17歳
03. 雨哀
04. 道を行け
05. DAYS
06. 夜間飛行
07. トワイライト
08. 青春のすべて
09. 影と光
10. 青年の主張
11. エンドロール
12. 灯火

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パノラマパナマタウン「[配信]ラプチャー」

パノラマパナマタウン「[配信]ラプチャー」

2017年10月03日

MASH A&R

01.ラプチャー

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ハルカミライ『星屑の歌』

ハルカミライ『星屑の歌』

2017年11月22日

THE NINTH APOLLO

1.ウルトラマリン
2.predawn
3.俺達が呼んでいる
4.ファイト?
5.Mayday
6.君は何処へも行けない
7.October’s
8.宇宙飛行士
9.パレード

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POT『GEMME』

POT『GEMME』

2017年06月14日

TRUST RECORDS

01.SYAKUNETSU BEAT
02.Hustle of the New World
03.DANCE FEVER
04.BA-DONKA-DONK
05.YOLO
06.All day
07.Sight
08.C×B×S×B

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Amelie「ステップ×ステップ」

Amelie「ステップ×ステップ」

2017年11月01日

[NOiD] / murffin discs

1.朝は来る
2.エラー
3.step!
4.サイクル

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BRADIO『LA PA PARADISE』

BRADIO『LA PA PARADISE』

2017年10月11日

ワーナーミュージック・ジャパン

1.LA PA PARADISE 
2.Baddest
3.LA PA PARADISE(HIDDEN AFRO ver.)
4.Baddest(HIDDEN AFRO ver.)

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感覚ピエロ「#HAL」

感覚ピエロ「#HAL」

2017年11月22日

JIJI RECORDS

01.ハルカミライ
02.ミステリアスに恋をして
03.0になって

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FABLED NUMBER『THUNDER』

FABLED NUMBER『THUNDER』

2017年11月08日

日本クラウン

1. Like a Thunder
2. Good-Bye
3. Keep on Killing me
4. RED
5. ザ クロスレインボー
6. Ride the Sound
7. Encounter
8. Rolling

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挫・人間『もょもと』

挫・人間『もょもと』

2017年10月04日

redrec / sputniklab inc.

1. ハッピーバースデー
2. チャーハンたべたい
3. 明日、俺はAxSxEになる......
4. よくないんです
5. eve
6. クズとリンゴ
7. ココ
8. Tee-Poφwy
9. おしゃれメロス
10. 絶望シネマで臨死
11. そばにいられればいいのに

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四星球『お告げ ~さあ占ってしんぜよう~』

四星球『お告げ ~さあ占ってしんぜよう~』

2017年08月30日

ビクターエンタテインメント

1.お告げ
2.牡羊座『潮騒ぎ』
3.牡牛座『コノ曲飛バスベカラズ』
4.双子座『脳』
5.蟹 座『い蟹ひそ蟹したた蟹』
6.獅子座『ビスケット』
7.乙女座『蛍の影 feat.橋本絵莉子』
8.天秤座『天秤の座』
9.蠍 座『まさやんvsさそり』
10.射手座『四星球聴いたら馬鹿になる』
11.山羊座『哺乳類星座会議 feat.八木優樹』
12.水瓶座『汗と涙の水瓶』
13.魚 座『お詫び ~さあ謝ってしんぜよう~』

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マカロニえんぴつ「夏恋センセイション」

マカロニえんぴつ「夏恋センセイション」

2017年08月02日

TALTO

01. 夏恋センセイション
02. ゲームセット
03. 歩き続けて

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キイチビール&ザ・ホーリーティッツ「世の中のことわからない」

キイチビール&ザ・ホーリーティッツ「世の中のことわからない」

2017年10月09日

LD&K

1.はじめまして、キイチビール&ザ・ホーリーティッツです。
2.世の中のことわからない
3.夏の魔法
4.夏の夜
5.パウエル
6.ビールを用意しててね

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