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androp 秋雨の中、初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブを開催!

androp | 2017.11.02

 この日はシングル「SOS! feat. Creepy Nuts」のMV同様の雨模様。開演前、降る雨を見上げ、恨めしく残念に思っていた。しかし、ライブ開始からしばらくして、以前メンバーがMV撮影の秘話として「予想外の台風の為に急遽、当初のプランから変更になった結果、あの傑作MVになった」と話してくたことを想い出した。“まるでこの日のライブみたいだな……”。そう、この日のライブは、雨が降っている中でしか感じられないし、見出すことや味わうことの出来なかったであろう、幾つもの素晴らしい場面や光景に遭遇させてもらえた一夜でもあった。

 andropが自身単独では初の野外ライブを10月28日に日比谷野外音楽堂にて行った。

 場内照明が落ち、ステージが青白いライトで浮かび上がる。さすがは野外。いつも以上に幻想的だ。バックライトの中、メンバー+サポートの吹野クワガタ(Key)の5つのシルエットがそこに現われる。スタンバイし、しばし沈黙。緊張感が場内を包む。そのひんやりした緊張感の混じる空気を破るようにドラムの伊藤彬彦がロールを始め、インスト曲が始まる。厳かなスタートだ。ゆっくりと光や温かさを取り戻していくかのように同曲が場内に広がっていく。続いて、観客をまだ行ったことのない素敵な場所や見たことのない景色へと誘うように「BGM」へ。佐藤拓也のギターアルペジオが雨の中、より優しく包み込むかのように響く。<突然の雨に降られても 語り合うBGMにしよう>の、この日のためにあるようなリリックに会場が沸く。そして、「Nam(a)e」では、ダンサブルなビートと共にベースの前田恭介がドライブ感を加えライブを躍動させていき、「Youth」では、ポップ感が場内に一気に溢れ、ステージ頭上にセットされたライトが一面オレンジチェンジ。その暖色が優しく柔らかな気持ちにさせてくれる。また、「Ryusei」では、楽曲に込められた“好きに楽しんじゃえよ!!”のノリがライブを加速させていく。<「やっちゃえばいい」って>のリリックと共に、思う存分この雨を楽しんでやれという開き直りの楽しさが身体中を包んでいく。

 振り返ると今夏取材した際、ギターの佐藤にこの日のライブについてを訊ねたところ、「演出や照明にも凝った、目でも耳でも魅せる総合的なライブにしたい」との言葉が返ってきた。その言葉通り、ここからはこの日ならではのライティングや演出による、素晴らしい光景を幾つも観ることが出来た。

 「Melody Line」では、ステージ上のサーチライトが回転し、場内各所に設置された数多くの球体もステージのライティングとシンクロ。その、場内交えての演出は歌詞通り、<まるで夢みたい>な心持ちにさせてもらった。そして、内澤がギターを弓で弾いた「Kaonashi」では、不穏でスリリングな空気が場内に満ちる中、ステージ背後のみならず、会場周辺の木々にまで投影されたマッピング映像も印象深く、まるで360度その映像に包まれているかのようでもあった。また、「Bright Siren」に於いては、楽曲に秘めたエモーショナルさと共に、MVでのライトを使ったサインをステージバックに投影。通例なら幕等を用い映すところを、彼らはステージのバック壁面に直接投影。にも関わらず、まるでビジョンに映し出しているようなスムーズさがあった。「Tonbi」では3Dを活かしたマッピングにより、トンビが会場に飛び込んできたりステージへと引き込んでいったりと、まるで一緒に飛んでいるかのような疑似体験をさせてくれた。

 中盤でのMCは佐藤が担当した。野音をやって初めて分かったことがあった件。映像や照明は暗くならないと分からないし効力を発揮しない。ぶっつけに近い感じだったので、自分たちも各映像や演出を楽しみながら演っていると、我々と同じ感覚でプレイしていることを知る。

 柔らかく包んでくれるような「Rising Star」「Astra Nova」では、しばし冷たい雨や寒さを忘れ、温かい気持ちにさせてもらった。また、打って変わりエレクトロ度の高い「Human Factor」に入ると、伊藤もドラムからパッドに移り、楽曲の完成度をより高めていく。そして、吹野の鍵盤の音色と共に、内澤がマイクスタンドを抱くように歌われた「Ghost」では、<忘れないよ、忘れないで>の歌詞が、この日がいつまでも想い出に残ることを確信させた。

 「もっとみんなの近くで歌いたい」と内澤が用意していたセンターステージにてアコギで1曲歌う。曲は「Tokei」。囲んで見守られているように歌われた同曲が聴き入る場内にに伝えられる。

 この日は久しぶりの曲も贈られた。「Songs」だ。そこでは吹野のオルガンの音色が楽曲のノスタルジックな雰囲気を増大させていた。

ラストスパートは寒さも雨も吹き飛ばしてくれた。伊藤の生命力のあるドラムも光り、未来に向かうように放たれた「Prism」で再びライブが走り出すと、「Run」では会場のレスポンスも交え、この日最大の一体感を味わえた。また、スタジアムクラスのEDMナンバー「Voice」の際には、会場もクラップで応戦。この日一番の会場との呼応が楽しめた。そして、本編ラストの「Yeah! Yeah! Yeah!」に於いては、会場を開放感ある景色に一気に引き上げ、雨が降っていることなど完全に忘れさせてくれた。

 アンコールでは、幾つものサプライズが用意されていた。まずは「SOS! feat. Creepy Nuts」。ゲストにCreepy Nutsが呼込まれる。も、ステージに現われたのはMCのR指定のみでDJ松永は残念ながら風邪で欠席。雨も含め、あのMVの完全再現とあいなった。一気に季節を夏に引き戻した同曲。<雨を楽しんだヤツは勝ち組み しょうもない雨もお前次第で楽しくなる>と、所々この日ならではのリリックに変えて歌ってくれた両者。そして不在のDJの松永のスクラッチのパートをどうするのか? に注目が集まる中、なんと、そこは内澤がギターの弦をスクラッチさせることで臨機応変に応対。続く佐藤のギターソロへのリレーも交え、会場を大いに沸せた。

 続いてのサプライズは、新曲「Joker」の初披露であった。映画『伊藤くん A to E』の主題歌でもあり、来年1月10日に発売予定の同曲を本邦初公開してくれた。<もがいてもがいて 信じて信じて>等のリフレインも印象深く、レイブっぽさがありながらもスリリングさもあり、一緒に声を合わせられる箇所もある同曲。上昇感やダブステップの要素も交じえ、原作同様のミステリアスさと登場人物の女性たちの信念のようなものが描かれたリリックとも相交わり、ドラマティックな曲との感受をした。

 「また新しいことをどんどんやっていきます。常にあなたの側にいる音楽を贈り続けます」(内澤)のあと、ラストは「Image Word」が贈られ、それが「じゃあね。また逢おう」との言葉の代わりようにも響いた。

 終始雨降りにも関わらず、何度もそのことを忘れさせてくれる場面に遭遇させてくれたこの日。雨をモチーフにした曲もより特化性を魅せ、歌詞の幾つかも雨になぞらえ変えるなど、この日ならではのライブを届けてくれた。それは、「SOS! feat. Creepy Nuts」のMV撮影同様、雨ならではの演出や効果を利用することで、より想い出深いものへと変わっていった。この日のライブ開始後初のMCで内澤が力強く約束してくれた、「雨だけど、逆に雨が降って良かったなと思うぐらいのライブにする!!」との言葉通りのライブだったな……と帰路何度も思った。

【取材・文:池田スカオ和宏】
【撮影:橋本 塁(SOUND SHOOTER) / 西槇 太一 / 上山 陽介】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル androp

リリース情報

SOS! feat. Creepy Nuts

SOS! feat. Creepy Nuts

2017年08月23日

ZEN MUSIC

1. SOS! feat. Creepy Nuts
2. Sunrise Sunset
ほか収録予定

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■ライブ情報

近畿大学第69回 生駒祭 「androp ~brilliance~ at KINDAI」
11/03(金) 近畿大学 11月ホール 大ホール

GLICO LIVE“NEXT"SPECIAL!
11/11(土) BIGCAT / pangea

LAMP IN TERREN
「FOR TRUTH」

11/24(金) 梅田CLUB QUATTRO

ASIAN KUNG-FU GENERATION × FEEDER Tour 2017 Supported by PIA
12/01(金) 仙台GIGS

Billboard Live OSAKA
12/05(火) Billboard Live OSAKA

OUTERMIND 4.0
12/09(土) SOUND MUSEUM VISION

Billboard Live TOKYO
12/11(月) Billboard Live TOKYO

MERRY ROCK PARADE 2017
12/24(日) ポートメッセなごや 1号館~3号館

COUNTDOWN JAPAN 17/18
12/28(木) 幕張メッセ国際展示場1-11ホール、イベントホール

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