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CHAI、多幸感溢れる最強のNEOかわいい東京公演を観た

CHAI | 2017.12.06

 超満員の渋谷WWW。双子のツイン・ボーカルを有する4人組ニュー・エキサイト・オンナバンド=CHAI、『1st Album「PINK」発売記念「やっぱり育ちたいトゥアー」』東京公演に行ってきました。

 開演時刻を過ぎてスクリーンに投影されたのは、アニメーションによるクリス・○プラー風のMCが注意事項を読み上げるラジオ番組『CHAI-WAVE』というユーモアたっぷりなサプライズ。ズルい……。“これがNEOかわいいのやり方か!”と叫びたくなるほどズルい……。一気に会場の雰囲気が柔らかくなったまま、ピンク姿の衣装にベビー帽(違和感ナシ)で登場して「ハイハイあかちゃん」から本編スタート。マナ(Vo&Key)とカナ(Vo&G)による双子のフロント2人は、楽器を抱えながらもキュートに脱力ダンスするのがまたズルい……。というわけで、一気にスウィートでカラフルなCHAIワールドへ引き込まれました。

 間髪を開けずに、ユウキ(Ba&Cho)とユナ(Dr&Cho)の息のぴったりあった強力なダンスビートがたまらないキラーチューン「N.E.O.」にやられました。キャッチーな歌声とともにタイトなニューウェーヴ・サウンドが会場を盛り上げていくのです。ギター・カッティングの鋭さ、ビートを牽引するベース&ドラムの重厚感、4人の歌声のカラフルなプラスティック感というコンビネーションの良さ。2017年を代表する1曲ですね。それにしてもCHAIはやっぱり生ライブがいいなぁ。



 お楽しみコーナーでもある自己紹介タイムでは、マドンナ「マテリアル・ガール」に日本語というかCHAI語を乗せて自分たちをセルフにイントロデュース。さらにマイケル・ジャクソン「ヒール・ザ・ワールド」までも替え歌CHAIヴァージョンで自己紹介ソングとして活用。いや、ほんとズルい……。いや、最高です。

 今更ながら映画『ミッション:インポッシブル』にハマっているというMCを経て、鉄板の同時通訳ネタで「トム・クルーズに『Wall ドン』、つまり『壁ドン』されたいよねぇ」、「バット!ハンサムボーイ・イズ・バッドボーイ!」→「しかし、かっこいい男はだいたいセコい!」というお約束の流れから人気曲「ボーイズ・セコ・メン」へ。常連客はもちろん初見のオーディエンスの心も鷲掴みしています。



 CHAIを観ていると、日本の女性バンドの歴史が思い浮かんできました。文系的なニューウェーヴ・センスで言えば80年代を駆け抜けたZELDA。海外展開で言えばCMJ=カレッジチャートで人気に火がついた90年代の少年ナイフ。オルタナティヴかつファンキーなラップ的センスで言えばアメリカの音楽雑誌『ビルボード』の表紙を飾ったSuper Junky Monkeyというレジェンダリーなパイセンたち。本人たちが意識しているかはわかりませんが(たぶん意識してない)、DNAレベルでの継承を感じたのでした。“日本の女性バンドは世界で通用する!”という価値観と可能性のお話ですね。

 ライブで気になったナンバーは、最新作『PINK』で新境地を感じたアンダーワールド風にクールなエレクトロ・チューンな「フライド」。さらに、歪んだギターリフがテンションを上げてくれる「ウォーキング・スター」のかっこよさ。CHAIと言えば親しみやすさやユーモラスな面が注目されがちなのですが、シリアスなロックスター面にも注目したいです。それこそ、H&Mなどファスト・ファッションな服屋さんでかかっているBGMのような、シャレた最旬ポップセンスを感じたのです。

 マナが、オーディエンスに向かって「みんなもコンプレックスってあるでしょ?」と問いかけ「CHAIは4人ともコンプレックスをいっぱい持っているんだけど、それが全部詰まったのが『PINK』なの」。と、10月25日にリリースされたアルバム『PINK』のコンセプトを解説。「コンプレックスがあるから、完璧じゃないからこのアルバムができました」と説明。コンプレックスは個性、コンプレックスはアートだと言い切る彼女たち。CHAIは、生きることや幸せを掴むことの大事さを音楽を通じて教えてくれるのでした。

 CHAIの代表曲ともいえる、前代未聞の“ブーイング・タイム”を巻き起こす「ぎゃらんぶー」は、昨年、日本語歌詞であるにも関わらずSpotify UKチャートで36位にランクイン。ライブ当日も、会場中を巻き込んだ見事なコール&レスポンスで楽しませてくれました。そうそう、このミクスチャー感はSuper Junky Monkeyの名曲「ばかばっか」を彷彿とさせてくれたんです。


 合間合間のMCというか、声を貼らない特異な周波数を感じさせるメンバーによるおしゃべりが、英語混じりというか、独特な雰囲気で絶妙だったのもツボ。そして、本編ラストは優しく甘美なメロディーを奏でる餃子!?ラブソング「ほれちゃった」を披露。


「今年はもう終わっちゃうけど、来年はもっと大きなステージでやって。もっと多くの人にCHAIの音楽を聴いてもらいたい。だから、見守っててね。見てろよ~!」とマナ。

 アンコールでは、コンプレックスは個性と表裏一体。そんな、誰もの共感を誘うメッセージ性を「sayonara complex」に込めて歌い上げてくれました。


 いや、ほんと彼女たちならグラミー賞も夢ではないんじゃないかなとテンション上がりまくりなワンマン公演でした。多幸感ありまくりのステージ。あらゆる常識をぶち破りながら突っ走る彼女たちに引き続き注目です。

 ちなみに、レコ発ツアーのファイナル公演は12月11日(月)に広島・CAVE-BEで開催。来年のCHAIはさらに大きな存在となっていることでしょう。気になる方は必ずや是非チェックを!!!

【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】
【撮影:中磯ヨシオ】

tag一覧 J-POP ライブ CHAI

リリース情報

PINK

PINK

2017年10月25日

OTEMOYAN record

1.ハイハイあかちゃん
2.N.E.O
3.ボーイズ・セコ・メン
4.ほれちゃった
5.あのコはキティ
6.ぎゃらんぶー
7.フライド
8.かわいいひと
9.ウォーキング・スター
10.sayonara complex
11.フラットガール

セットリスト

1st Album「PINK」発売記念「やっぱり育ちたいトゥアー」
2017.11.23@渋谷WWW

  1. 1. ハイハイ赤ちゃん
  2. 2. N.E.O.
  3. 3. Sound & Stomach
  4. 4. ヴィレヴァンの
  5. 5. 自己紹介
  6. 6. ボーイズ・セコ・メン
  7. 7. クールクールビジョン
  8. 8. フライド
  9. 9. フラットガール
  10. 10. ウォーキング・スター
  11. 11. あのコはキティ
  12. 12. ぎゃらんぶー
  13. 13. ほれちゃった
  14. EN. sayonara complex

お知らせ

■ライブ情報

CHAI 1st Album「PINK」発売記念『やっぱり育ちたいトゥアー』
2017/12/08(金) 香川高松DIME
2017/12/10(日) 福岡DRUM SON
2017/12/11(月) 広島Cave-Be

liquidroom presetns NEW YEAR PARTY 2018
2017/12/31(日) 恵比寿LIQUIDROOM

荒吐宵祭 新春カレーなるバンド天国
2018/01/07(日) 仙台Rensa

夢チカLIVE VOL.126
2018/01/27(土) KRAPS HALL

Punch-Drunk Music 5
〜SOUND CRUE×NEO Special〜

2018/01/28(日) 札幌SOUND CRUE

でらロックフェスティバル2018
2018/02/03(土)~04(日)
名古屋栄・新栄エリアライブハウス

VIVA LA ROCK 2018
2018/05/03(木祝)~05(土)
さいたまスーパーアリーナ

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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