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10-FEET ”Fin” TOUR 2017-2018、2月22日Zepp Tokyoワンマン公演をレポート

10-FEET | 2018.02.28

 昨年結成20周年という大きな節目を迎えた10-FEET。バンドは特にそのタイミングを狙ったわけではないと言っていたが、20年目に生み落とされた8thアルバム『Fin』はぶっちぎりの素晴らしさだった。ここに来て最高傑作と呼んで相応しい完成度に僕はひどく感動した。「このアルバムを作った瞬間に俺は死ぬんだ」という気持ちで制作に挑んだと取材時に語ってくれたことがある。もちろんバンド自体はこれからも継続するし、解散するつもりもないだろう。要するに最後のアルバムになっても後悔しないくらい、自分たちの全感情を作品に注ぎ込もう、という強い意志で作られた作品なのだ。ゆえにこれらの楽曲がライヴでどんな表情を見せてくれるのか、非常に楽しみだった。

 その最新作を引っ提げたレコ発ツアーは昨年10月31日・京都KBSホールを皮切りに、今年6月11日・沖縄桜坂セントラルまで計61本に及ぶロング・ツアーを結構。ただし、1、2月の期間だけはワンマン公演を行うということで、そのラストになるZepp Tokyoに足を運んだ。

 お馴染みのSE「ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ」が流れると、観客は頭上に10-FEETタオルを掲げ、お花畑のごときカラフルな景色が広がる。ステージ背面に飾られたバックドロップには「21」というでっかい数字と「STARTING OVER」と書かれた文字を見かけ、またここから再スタートだ! というフレッシュな気持ちがどこかにあるのかもしれない。 そして、オープニング曲は最新作の冒頭曲「1 size FITS ALL」で始まった。ラップや関西弁、中盤にジャジーなフレーズを盛り込んだりと、今の10-FEETだからこそ鳴らせる奔放なミクスチャー・ロックでご挨拶。続く「火とリズム」に入ると、ギュウキュウに詰まったフロアは波のように揺れ動き、早くもダイバーが続出する騒ぎっぷりだった。

「fast edge emotion」においては観客が腹の底から声を出すシンガロングが起き、新曲の浸透具合にも驚いてしまった。「もっともっと、かかって来いよ!」とNAOKI(Ba・Vo)が言えば、「もっとできるだろ、わかってんだよ!」とTAKUMA(Vo・Gt)も続き、この瞬間に最大マックスのエネルギーを吐き出してくれと言わんばかりのアジテートに観客も応え、会場の熱気は高まるばかり。僕は二階席で観ていたが、それでもフロアの上気が肌に伝わってくるほどで、「見ろよ、この霧(観客から出た湯気)」とTAKUMAが指摘するほどの沸騰風呂状態だった。

 KOUICHI(Dr・Cho)がただひらすら干支を歌い上げる「十二支」もライヴの流れにいいフックを付けていたし、新作の表題曲「Fin」は激しい演奏とエモーショナルな歌メロの対比が際立ち、壮大なスケール感で聴く者を包み込んでいた。その流れを受け継ぐように「風」、「月~sound jammer せやな~」と繋ぎ、情景が脳裏に浮かぶ穏やかなテンポ感も心地良かった。

「メジャーに行く前の曲やるわ」とTAKUMAが言うと、インディーズ時代の3rdシングル「RIVER」収録曲「FUTURE」がここで炸裂。ここ最近は昔の曲を引っ張り出してプレイすることがたまにある。それも20周年という年月を経て、自分たちの歴史を俯瞰できるようになったからだろう。約16年前にリリースされた楽曲でもお構いなしに騒ぐ観客の姿を見て、妙にテンションが上がってしまった。

 中盤には「super stomper」、「back to the sunset」、「4REST」と鉄板曲を畳み掛ける攻勢ぶりを発揮。それから新作の中でもフェイバリット曲のひとつである「夢の方舟」を披露。彼らにしては珍しいテンポの曲調であり、ライヴでは音源以上に走っている印象を受けたが、静と動のメリハリを効かせた展開に引き込まれた。「おまえら速いの好きやろ?」とTAKUMAが語りかけると、次は「STONE COLD BREAK」をプレイ。3ピースとは思えない爆発力を叩き付けた後、少し長めのMCを挟む。

 大人になるにつれて、感動することが減っていく。でもそれは本当の感動を知ってしまったからであり、時を経て深くなっていくものがある。そう前置きした後に、「太陽4号」、「アンテナラスト」と歌もの路線の曲調を披露。まるで目と目を合わせ、そばで話しかけるような温かみのある歌声に多くの人が聴き入っていた。僕の前にいた女性ファンは、汗なのか、涙なのか、ハッキリと判別できなかったが、顔を何度もタオルで拭っていた。

 後半は「VIBES BY VIBES」、「goes on」、「1sec.」などアッパーな曲調で再びフロアを焚き付け、アンコールで用意していた楽曲「ヒトリセカイ」、「その向こうへ」、「RIVER」を本編にねじ込む怒濤の勢いで、ライヴで成長を遂げた楽曲の魅力をこれでもかと突きつける。

 中でも心を揺さぶられたのは「その向こうへ」だった。曲に入る導入部分でTAKUMAが「ここで我慢して丸く収まるなら、自分を犠牲にしてもいいとか……そんな悲しさや虚しさを俺が代わりになって叫んでやる!」と言い放ち、曲をプレイした。マイナスかつネガティヴで感情を根こそぎ掬い上げ、一緒になって叫ぶことで、心に降り積もったものを浄化してほしい。そんなバンド側の気持ちを察するかのごとく凄まじい大合唱が沸き起こる。

 自分たちのありったけの感情を注入した新曲を散りばめた今回のショウは、ライヴ全体の熱量をさらに底上げする役割を担っていた。つまり、10-FEETのステージングそのものがグレード・アップし、過去(既発曲)と現在(新曲)が摩擦して、より高みへと登り詰めていくパフォーマンスだった。今後もツアーは続くが、この日披露していない新曲(「ウミガラスとアザラシ」、「HONE SKA feat.東京スカパラダイスオーケストラ」など)もまだまだある。早く次回のライヴを観たいという衝動を抑えられなくなってきた。

【取材・文:荒金良介】
【撮影:HayachiN】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル 10-FEET

リリース情報

Fin

Fin

2017年11月01日

EMI records

1 size FITS ALL
2.Fin
3.fast edge emotion
4.ウミガラスとアザラシ
5.ヒトリセカイ
6.十二支
7.HONE SKA feat.東京スカパラダイスオーケストラ
8.月 〜sound jammer せやな〜
9.夢の泥舟
10.火とリズム
11.way out way out
12.アンテナラスト
13.STANDin
14.太陽4号
15.何度も咲きました

お知らせ

■ライブ情報

10-FEET "Fin" TOUR 2017-2018
03/01(木) さいたま新都心HEAVEN’S ROCK(埼玉)
03/03(土) 熊谷HEAVEN’S ROCK(埼玉)
03/05(月) 千葉LOOK(千葉)
03/07(水) 横浜F.A.D(神奈川)
03/09(金) 静岡SOUND SHOWER ark(静岡)
03/11(日) 浜松 窓枠(静岡)
03/19(月) 松阪M’AXA(三重)
03/21(水・祝) 岐阜club-G(岐阜)
03/23(金) 福井響のホール(福井)
03/25(日) 富山MAIRO(富山)
03/27(火) 金沢EIGHT HALL(石川)
04/04(水) 苫小牧ELLCUBE(北海道)
04/06(金) 帯広MEGA STONE(北海道)
04/08(日) 釧路NAVANA DANCE STUDIO(北海道)
04/10(火) 北見ONION HOLL(北海道)
04/12(木) 旭川CASINO DRIVE(北海道)
04/14(土) 函館club COCOA(北海道)
04/20(金) 長崎DRUM Be-7(長崎)
04/22(日) 熊本B.9 V1(熊本)
04/24(火) 佐賀GEILS(佐賀)
04/26(木) 大分DRUM Be-0(大分)
04/28(土) 宮崎WEATHER KING(宮崎)
04/30(月・祝) 鹿児島CAPARVO HALL(鹿児島)
05/07(月) 山形MUSIC 昭和 SESSION(山形)
05/09(水) 酒田MUSIC FACTORY(山形)
05/11(金) 秋田CLUB SWINDLE(秋田)
05/13(日) 青森Quarter(青森)
05/15(火) 盛岡Club Change WAVE(岩手)
05/17(木) 郡山CLUB #9(福島)
05/19(土) いわきclub SONIC(福島)
05/25(金) 松山W STUDIO RED(愛媛)
05/27(日) 高知CARAVAN SARY(高知)
05/29(火) 徳島club GRINDHOUSE(徳島)
06/09(土) 宜野湾HUMAN STAGE(沖縄)
06/11(月) 沖縄 桜坂セントラル(沖縄)

BRAHMAN Tour 2018 梵匿 -bonnoku-
03/17(土) Zepp Sapporo

JAPAN JAM 2018
05/04(金・祝)蘇我スポーツ公園(千葉市)

VIVA LA ROCK 2018
05/05(土・祝) さいたまスーパーアリーナ

百万石音楽祭 2018~ミリオンロックフェスティバル
06/02(土)、03(日) ※出演日未定
石川県産業展示館 1~4号館(金沢市)

SATANIC CARNIVAL ’18
06/16(土)、17(日) ※出演日未定
幕張メッセ国際展示場9~11ホール

MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL 2018
06/23(土) 宮古島コースタルリゾートヒララ トゥリバー地区ヘッドランド特設会場(沖縄県宮古島)

京都大作戦2018~去年は雷雨でごめんな祭~
07/07(土)~08(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ(京都府宇治市)

NUMBER SHOT 2018
07/21(土)、22(日) ※出演日未定
国営 海の中道海浜公園 野外劇場・子供の広場(福岡市)

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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