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モン吉 ステージとの距離だけでなく、心の距離もより近く感じた『猿旅2018』東京

モン吉 | 2018.03.05

 ステージとフロアとの距離、歌の親身さ、気持ちの同化……。
色々な意味で、モン吉本人や、彼が歌い届けた曲たちを「より近く」に感じられた一夜であった。

 モン吉による東名阪ツアー『猿旅2018』の東京公演が2月12日に行われた。場所は渋谷のCLUB QUATTRO。今回のツアーは、昨年末に発売されたニューアルバム『モン吉2』と共に回ったもの。この渋谷はその中間日でもあった。
 前述の『モン吉2』は、このEMTG MUSICのインタビューでもお伝えした通り、より身近で、そして「愛」という共通項で貫かれた楽曲集であった。その曲たちを近距離でダイレクト且つストレートに届けたかった主旨もあったのだろう。各地あえてスモールクラスの会場が選ばれていたのも今回のツアーの特徴であった。もちろん、この日のチケットもソールドアウト。みなが一身にどの曲も自分のことのように受け止め、現われる歌の主人公に自分を重ねたり、歌われる対象者に自分の身近な人や愛しい人を重ねたりした。

 まずは開演前にマネージャー&DJである兵頭氏からのオープニングを告げるアナウンスが入る。これまでザワザワしていた会場が、瞬時に歓声を上げる。
登場に相応しいアッパーなSEに乗り、まずはニューアルバムの初回限定盤と同様の丸型のサングラスをし、笠をかぶった上述の兵頭氏が、フロアからの大歓声の中、フラッグを持ちステージを無尽に駆け回る。この後、ステージ後方に配したDJブースに就くとブームマイクを掴み、「準備はできてるか? モン吉だ~!!」と勢いよくイントロデュース。1stアルバム『モン吉1』のオープニングを飾っていた「サヨナラREMEMBER」の四つ打ちのアッパーなビートに合わせ、いきなり会場の大合唱が始まる。そんな中、飛び出すかのようにステージに現れたモン吉。ステージ狭しと駆け回り、歌い、ライヴを走り出させていく。真冬にも関わらず、季節を夏にグッと引き戻すように、続いてFUNKY MONKEY BABYS(以下 : FMB)時代の「ナツミ」が歌われると、会場一体となって、おきまりのフリが現われる。同曲では、「届け!!」とばかりに、モン吉がフロアに手を伸ばした光景も印象深い。続く「FUU~!!!」では、弾んだポップさが会場に呼び込まれ、気楽に行こう、楽しんでいこう、のメッセージが心を軽くしてくれた。

「どうもモン吉です。思ってたより(会場中が)灼熱」と会場を和ませ、前述の兵頭氏を「かなり太ったでしょ?」と紹介。うーん、確かに。ベイマックスなみの弾力のありそうなお腹を見ながら頷く。「今日は地元なので漲ってます。ようこそ地元へ」と続け、「久しぶりに歌う曲」とFMBの初期曲「恋の片道切符」を紹介。歌い始めるやいなや、同曲特有の切なさを会場中に広げていく。

 続いて、ニューアルバムからの曲の中でも、ひときわスケール感溢れるダイナミックな曲が次々に歌われた。会場全体の大合唱から始まった「RINNE」では、時空さえ越えた大きなサークルを感じさせてくれ、琉球旋律も特徴的なゆったりした「愛の花」では、フリーダムさと悠久さを与えてくれた。また、自身の子供を想い書いたという「茜空」では、巣立っていくことを覚悟しながらも、この景色をいつまで一緒に見れるんだろう? いつまでも覚えていてもらえると嬉しい気持ちといつか来る巣立ちへの寂しさの反面、君のおかげで親にしてもらったとの感謝と愛しさの同居を見せ、父親・モン吉像が伺い知れた。
同じしっとりとした曲でも、「すぐには会えない人を思い出しながら聴いて欲しい」との言葉のあと歌われた「遥か」では、モン吉の場合は、亡くなったおばあちゃんに捧げて歌われていたことが告げられ、その後も心で繋がり続けている安心感と力強さ。今ここに立てるのもその人がいるからこそ、という感謝の気持ちがフロアへと伝心した。

 また、中盤でも幾つかのFMB時代の楽曲が歌われた。「大好きだ!」との溢れ出て止まらない気持ちをストレートに届けた「告白」、「夢で逢えたら」では、夢の中なら、この会いたいとの願いも叶うかもしれない…と本気で信じさせてくれた。また、「当時、歌っていても自分でもグッときていた曲」と語り歌った「大切」では、会場も自身の大切な人を思い浮かべながら聞いているかのような光景と出会えた。

 そこから「八王子の愉快な仲間達」こと、マサとナリナリが呼び込まれ、3曲を立て続けに歌&ラップしてくれた。レペゼン八王子を歌った「夢の足跡」。ナリナリの結婚式に向けて作ったのが成り立ちであった「ハレルヤ」では、レゲエのゆったりした裏打ちの上、祝福感たっぷりにうたわれた歌が、《これからもよろしくね》《2人で歩いて行こう》の印象的なフレーズと共に、会場いっぱいに愛が広がっていくのを見た。また、「八王子 ~地元愛の賛歌~」では、地元愛が場内に満ち、気づけばすっかり渋谷を八王子へとテレポーテーションさせていた。

 後半に入ると、「ONE DAY」「EVERYDAY」といったニューアルバムからの軽快なチューンに、会場中が身を委ねた。

 ラストスパートは、FMB時代の曲が連射され、会場も更に盛り上がっていく。人差し指を天に突き上げ、会場も大合唱した「あとひとつ」、アッパーなドラムンベースに乗り、モン吉本人もステージ狭しとアクティブに動きながら歌った「メロディーライン」、また、前のめりなダンスホールチューン「ちっぽけな勇気」では、ステージ、フロア共に、最後に拳を力強く天に突き上げ、掲げていた景色も思い出深い。そして、本編ラストのタオル大旋回ナンバー「悲しみなんて笑い飛ばせ」が現われると、再び一体感が生み出されていく。繚乱したタオルの光景はまさに壮観。場内にとてつもない一体感が生み出され、リリックにもある「不可能なんてない」と何度も信じさせてくれた。同曲では会場も力の限り呼応。また不可能の壁を一つ越えていった瞬間を見た。

 アンコールでは、再登場したモン吉のMCから入った。「みなさんがキチンとアルバムを聴いて、ここにきてくれたことが伝わってきて凄く嬉しい。これからも捨て曲なしで、作り出していく!」と宣言。また、締めには「今後もいろいろと挑戦していきたい」と、以後へと期待を膨らませる言葉も残してくれた。

 アンコールで歌われたのは3曲だった。桜が舞い散り、降り注いでいるかのような光景の中に居る自身を思い浮かべたFMB時代の「桜」、ニューアルバムの1曲目を飾っていた、FMBのことを思いながら書いたと語った「空唄」が歌われる。同曲では、フロアからも無数のワイパーが現われ、FMBの結成から今までが地続きであることを改めて証明してくれた。
正真正銘のラストは、FMB時代の「西日と影法師」。会場中がビートに合わせて跳ね、明日も頑張ろうといった気持ちにさせてくれた。それは同時に会場中に、何かを成し遂げたあとのような、気持ちの良い帰り道への光景を浮かばせてくれるものでもあった。

 実際、この日はステージからフロアまで、かなりの至近距離だったこともあり、常にモン吉を近くに感じることが出来た。しかし、感じた近さは決して距離だけに留まっていなかったように思う。いわば心の近さが感じさせた、更なる近さとでも言うか…。彼は今後も作品やライヴを通し、距離に関係ない「近さ」を我々に伝えてくれることだろう。そんな時は、遠慮せずに彼の歌に手を伸ばしたり、想いを重ねたりして欲しい。きっとそこには、温かく、優しく、そして愛溢れる「モン吉ならではの身近さ」が、両腕を広げて受け入れてくれるはずだから。

【取材・文:池田スカオ和宏】
【撮影:井手康郎】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル モン吉

リリース情報

モン吉2

モン吉2

2017年12月13日

ドリーミュージック

1. RINNE
2. 愛の花 feat.前川真悟(かりゆし58)
3. HAPPY
4. 八王子〜地元愛の賛歌〜 feat.LITTLE(KICK THE CAN CREW)
5. EVERYDAY
6. 夢の足跡 feat.八王子の愉快な仲間達
7. ONE DAY
8. Dear Mama
9. サヨナラ涙
10. 空唄
11. 茜空

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セットリスト

猿旅2018
2018.2.12@渋谷CLUB QUATTRO

  1. 1.サヨナラREMEMBER
  2. 2.ナツミ
  3. 3.FUU~!!!
  4. 4.恋の片道切符
  5. 5.RINNE
  6. 6.愛の花
  7. 7.告白
  8. 8.なると
  9. 9.夢で逢えたら
  10. 10.茜空
  11. 11.遥か
  12. 12.大切
  13. 13.夢の足跡
  14. 14.ハレルヤ
  15. 15.八王子 ~地元愛の賛歌~
  16. 16.ONE DAY
  17. 17.EVERYDAY
  18. 18.あとひとつ
  19. 19.メロディーライン
  20. 20.ちっぽけな勇気
  21. 21.悲しみなんて笑い飛ばせ
  22.  Encore
  23. En-1.桜
  24. En-2.空唄
  25. En-3.西日と影法師

お知らせ

■ライブ情報

みんなあつまれ
03/18(日) 横浜赤レンガパーク

ハルナバル2018
04/01(日) 舞鶴公園 鴻臚館跡展示館横

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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