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超満員の新木場STUDIO COASTを完全掌握! SiM“A / The Sound Of Breath”発売記念特別ライブ

SiM | 2018.03.13

 昨年12月に出たSiMの両A面シングル「A / The Sound Of Breath」は、PlayStation4ソフトウェア『龍が如く 極2』のテーマ曲「A」、エンディング曲「The Sound Of Breath」のWタイアップ音源だった。もともと「龍が如く」シリーズの大ファンだというMAH(Vo)が2曲とも書き下ろしたもので、その意味でも相思相愛の理想的なコラボと言っていいだろう。曲調のタイプもきっちりと振り分け、一聴するだけでSiMとわかる固有の音色を提示し、楽曲も申し分のないクオリティだった。

 今回はその発売記念特別ライブということで、凝った演出もありつつ、現在のSiMのモードがリアルに浮かび上がるパフォーマンスだった。これまでと同じようで、何かが違ったのだ。「2018年、2本目のライブ」とMAHは口にしていたけれど、そんなブランクを微塵も感じさせないどころか、蟻の入る余地もないほどぎっしり埋まった観客を、フロアを完全掌握していた。

 19時10分、『龍が如く』シリーズの主人公・桐生一馬が場内アナウンスを務め、「特に女の子を傷つける奴は許さん!」などライブの諸注意を促す演出が施された後、場内にけたたましいサイレン音が鳴り響く。すると、SHOW-HATE(Gt)、SIN(Ba)、GODRi(Dr)、最後にマイク・コードをムチのごとく何度もしならせて、MAHが登場。割れんばかりの歓声を切り裂くように、いきなり「A」で本編スタート。“ABRACADABRA”と呪文めいた歌詞で幕を開け、英語詞の中に“命の祈りを”という日本語フレーズを挟む場面ではスクリーンに両手を合わせた祈りのシーンが挿入されたりと、楽曲とリンクした映像も効果的。重厚なブレイクダウンを挟み、メロディが立体的に浮かび上がる歌声にも耳を奪われた。以前と比べ、伝えたいポイントを明瞭にした曲調はライブでも格段に映えている。それから「THE KiNG」をやり終えると、観客の熱気を受けて、MAHは「暑い!」と言いながら上着をすぐに脱ぎ、戦闘モードにさらにギアを入れる。サビでポップに開けた「NO FUTURE」、ドッシリと聴かせる「Abel and Cain」と4thアルバム『THE BEAUTiFUL PEOPLE』収録曲を3連打で放ち、観客は興奮のるつぼと化す。

「Fallen Idols」ではスクリーンが4分割され、メンバー4人の演奏シーンが映されたりと、視覚に訴える手法をバンバン取り入れるあたりも新鮮だった。続いてモンキーダンスでフロアをひとつに束ねる「GUNSHOTS」においてはSHOW-HATEが鍵盤も弾きこなし、ポップな音色で曲調を鮮やかに色付けると、人気曲「Amy」へと繋ぐ。メンバーの動きはより一層活発になり、牙を剥いた音像で激しく襲いかかってきた。曲が終わると、「あちーよー!」と叫ぶ男性ファンの声が耳に飛び込んできたが、そこで攻撃の手を緩める彼らではない。「T×H×C」ではフロアに5つのサークル・モッシュの渦を作り上げる剛腕ぶりを発揮。また、赤いレーザー光線が舞う中で「FUCK iT ALL」に移行すると、曲中に「2階、ムービー撮っていいよ」とMAHが呼びかけ、フロアの荒ぶるカオスっぷりを撮影させるイキな計らいもあった。

 ここでGODRiのドラムソロを挟み、中盤の折り返し地点で披露したのは「The Sound Of Breath」だ。この曲の前に「深いところで繋がっている人との歌」とMAHは説明し、ゲームにインスパイアされながらも、人生のパワーにしてくれたらと楽曲に込めた思いを付け加え、「A」とはまた質感の異なる祈りにも似たヴォーカルの求心力と説得力に感動を覚えた。加えて、MAHの背後からは明るいライトが照らされ、神々しいオーラをステージ上から感じるほどだった。

 その後は「ANTHEM」、「MAKE ME DEAD!」と畳み掛けると、会場の温度は右肩上がりに上昇。ここで咄嗟に「リクエストは?」とMAHが観客に声をかけると、あちこちから様々な曲名が飛び交う。「(セットリストは)俺が決めます!」と自分から振っておいて撥ね返すドSっぷりに会場も沸く。

 後半はライブ鉄板のキラー・チューン「KiLLiNG ME」を見舞い、観客を一度坐らせてジャンプ(※フロアがギュウギュウ過ぎて、坐れない観客多数)させると、2階席も揺れる灼熱の盛り上がり。すかさず「Fall In Love With You」、「Murderer」、「Blah Blah Blah」と立て続けにプレイした後、「生きることは、強い奴に会っても負けないこと。何度でも立ち上がって、強く生きてください!」とMAHは熱く語りかけ、本編ラストに「Get Up,Get Up」を披露。その不屈の魂を宿した歌と演奏は胸の奥深くまで突き刺さるようだった。

 そして、アンコールでMAHがお遊びで首からギターを下げ、リフを搔き鳴らすと、「マジ、リアクション取れないくらいヘタなんだけど!」とSHOW-HATEから笑いながらツッコまれるほっこりするシーンもあった。それから「EXiSTENCE」でウォール・オブ・デスの狂乱図を作り上げ、「f.a.i.t.h」で鮮やかなフィニッシュを決めて終了。

 彼らは「湘南発の4人組レゲエ・パンク・バンド」と銘打っているが、その音楽性は凄まじく幅広い。ラウド、ハードコア、ダブ、R&B、ポップスなど多ジャンルを柔軟に溶かし込んだ無類のミクスチャー・サウンドである。この日は切っ先鋭いヘヴィネスはそのままに、MAHは繊細な歌心に磨きをかけ、演奏陣もディープかつしなやかな音像を搔き鳴らし、独自のグルーヴと壮大なスケールで聴く者を手玉に取っていた。

 今年もバンド主催による野外フェス「DEAD POP FESTiVAL」が6月30日、7月1日の2デイズに渡って開催される。"壁を壊す"をテーマに掲げた同フェスだが、なによりも彼ら自身がどんどんジャンルの壁を飛び越え、音楽的な高みへ登り詰めていることを実感したショウだった。SiMの進化=深化に終着駅はない。  

【取材・文:荒金良介】
【撮影:鈴木公平】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル SiM

リリース情報

A / The Sound Of Breath

A / The Sound Of Breath

2017年12月06日

ユニバーサル ミュージック

1. A
2. The Sound Of Breath

セットリスト

“A / The Sound Of Breath”発売記念特別ライブ 2018.03.01@新木場STUDIO COAST

  1. 01.A
  2. 02.THE KiNG
  3. 03.NO FUTURE
  4. 04.Abel and Cain
  5. 05.Fallen Idols
  6. 06.GUNSHOTS
  7. 07.Amy
  8. 08.T×H×C
  9. 09.Paint sky blue
  10. 10.FUCK iT ALL
  11. 11.The Sound Of Breath
  12. 12.ANTHEM
  13. 13.MAKE ME DEAD!
  14. 14.KiLLiNG ME
  15. 15.Fall In Love With You
  16. 16.Murderer
  17. 17.Blah Blah Blah
  18. 18.Get Up, Get Up
  19.  【ENCORE】
  20. EN 01.EXiSTENCE
  21. EN 02.f.a.i.t.h

お知らせ

■ライブ情報

SiM ASiA TOUR 2018
03/16(金) Taiwan SYNTREND, CLAPPER STUDIO
03/18(日) Honkong Music Zone @ E-Max
03/24(土) Korea West Bridge Live Hall
03/25(日) Korea West Bridge Live Hall

OVER ARM THROW “Pressure TOUR 2017-2018”
03/29(木) 大阪BIG CAT

TRIPLE AXE TOUR’18
04/07(土) Taiwan LIVE WAREHOUSE
04/12(木) 新木場STUDIO COAST

VIVA LA ROCK 2018
05/05(土) さいたまスーパーアリーナ

OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2018
05/19(土) METROCK大阪特設会場(大阪府堺市・海とのふれあい広場)

10-FEET "Fin" TOUR 2017-2018
05/25(金) 松山W STUDIO RED

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2018
05/26(土) 新木場・若洲公園

P!!! TOUR 2018
05/28(月) 四日市 CLUB ROOTS
05/29(火) 柳ケ瀬ants
05/31(木) 名古屋 DIAMOND HALL
06/01(金) 静岡 SOUND SHOWER ark
06/12(火) 長野CLUB JUNK BOX
06/13(水) 甲府CONVICTION

百万石音楽祭2018〜ミリオンロックフェスティバル〜
06/02(土) 石川県産業展示館1〜4号館
06/03(日) 石川県産業展示館1〜4号館

BLAZE UP NAGASAKI 2018 in HUIS TEN BOSCH
06/09(土) 長崎ハウステンボス ロッテルダム会場

DEAD POP FESTiVAL 2018
06/30(土) 神奈川県川崎市 東扇島東公園特設会場
07/01(日) 神奈川県川崎市 東扇島東公園特設会場

THE RAiSED FiST TOUR 2018
07/10(火) 秋田Club SWINDLE
07/12(木) 青森Quarter
07/14(土) 盛岡CLUB CHANGE WAVE
07/15(日) KLUB COUNTER ACTION MIYAKO
07/17(火) 大船渡KESEN ROCK FREAKS
07/19(木) 石巻BLUE RESISTANCE
07/21(土) 山形ミュージック昭和SESSION
07/22(日) 郡山Hip Shot Japan

THE WEST END TOUR 2018
09/20(木) 岡山EBISU YA PRO
09/22(土) BLUE LIVE 広島
09/23(日) 周南RISING HALL
09/25(火) 出雲APOLLO
09/26(水) 米子 AZTiC laughs

GODRiの姫路凱旋 TOUR 2018
10/11(木) 大阪BIGCAT
10/12(金) 京都KBSホール
10/14(日) 姫路Beta
10/16(火) 滋賀U-STONE
10/18(木) 奈良NEVERLAND
10/19(金) 和歌山SHELTER

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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