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O-EASTにJKが集結?! ENTH、エントリー制フリーライブ『ブチアゲJKナイト』

ENTH | 2018.03.30

 すげぇ!! いざ、始まっちゃたら、なんらいつものヤツらのライブの光景と変わってない…。
これはENTHのこの日のライブ序盤での私の率直な感想だ。もちろん、この場合の「いつもの」は褒め言葉。この大舞台やシチュエーションだろうが気負いなく自然と、彼ららしいライブを終始展開していたことを指す。

 ENTHが渋谷TSUTAYA O-EASTにて、『ブチアゲJKナイト』と銘打ったワンマンライブを大成功させた。このライブはフリーライブ形式で行われたもの。タイトルのJKは、そう、あの女子高生のことだ。そこには、「1300人のJKを集めたい」とのメンバーの願望を満たす裏テーマもあったと聞く(笑)。

 かくして大勢の女子高生たちに埋まった光景を妄想し会場に入るも、ちょっと、がっか…いや、安心。もちろん制服姿の女子も多く見れたが、男子キッズや女子高生以外の男女も多く。中にはJKコスの男子も混じっていた。しかし、始まってしまえば、それらは全てお構いなし。いつもと変わらない光景が繰り広げられ、いささか、がっかり…いや、しっかりと堪能させてもらった。

 意外にも彼らにとって東京では初ワンマンであった、この日。学校というコンセプトの下、スタッフも学ランや学生服、「私立ブチアゲ高校」の校門と校舎を臨むバックドロップを背に、ステージ上もJK制服モデルが2体置かれ、ステップ替わりに学習机(学校専用の)、学校内外を彷彿とさせる装飾も施されていた。

 この日、開演待ちのBGMは、いつもと違っていた。クラブを彷彿とさせる場内照明とミラーボール、そして、次々とかかるアッパー&アップリフティングなハイパーユーロやEDMが我々を出迎えてくれた。

 SEに乗り、学ラン姿のメンバーが登場。「おはようございま~す! 今日はぶち上げていこうゼ! マジでやばい夜にしよう! 名古屋のENTH始めま~す!!」とベース&ボーカルのdaiponのひと言からライブは口火を切った。1曲目は「Voo-Doo Shangrila」。疾走感溢れる曲で来る予想をいい意味で裏切ってくれた。ダイナミズムと不穏さ、スリリングさ、はたまたストーナーロックさも混じった同曲が、早くも彼ららしい「何でもあり」なブレンドっぷりを体感させてくれる。「端から端までENTH好きの集まりだろ?遊ぼうぜ!!」とdaiponが煽る。続いては疾走感溢れる「HAHA」に突入。ハーフになる箇所では早くもモッシュサークルが生まれ、その中ではテコンドーモッシュやウィンドミルを起こす制服姿のJKも見受けられ、「because you alive」ではストレートさも手伝い、開放的が我々をここではないどこかへと連れ出してくれた。
ドラムのtakumiによる疾走激走2ビートの「Grimm」の炸裂を境にライブは、さらにシフトアップ。ギター&コーラスのNaokiのハーモニーも加わり、楽曲にふくよかさを加えていく。同曲中フロアでは制服お構いなしに、キャリア、リフト、クラウドサーフ等が起こり、阿鼻叫喚状態も印象深い。

「熱っつい!!今日は初ワンマンということでお金もかなり掛かってる。ENTHにお金を使わせるとろくなことがない(笑)」と、この日の装飾品類を指し笑うdaipon。続けて、「まだまだ寒いけど夏の曲演ります」と開放感と景色感溢れるジョイマイサマーな「SUMMER」、「学校で教えてくれないことを感じさせるのがこの学校(私立ブチアゲ高校)だ!!紳士なんてクソ喰らえ」と言わんばかりに攻めた「Gentleman Kill」では、会場も雄々しく呼応。同曲ではスカの裏打ちが軽快さを呼び込んでいった。また、みんなが声を合わせ一つになった「For our locked hearts」、モータードライブ感溢れる「“TH”」、また「BURNOUT」のような複雑な楽曲構成ながら、それを感じさせず、みなを楽しくその世界へと誘った彼ららしさも堪能させてもらった。

 中盤ではステージにJKと制服を着た男子の「自称JK」がフロアからステージに呼び込まれ、その中で「HENT」「HANGOVER」がプレイされ、駆け抜けるかのような、速いながらもキチンとリズムキープに徹していたtakumiのドラミングも印象的であった「NOW’S MY EX」、一緒に楽しく歌い暴れた「Get Started Together」が、学校や授業では教えてくれない、この場、この瞬間ならではの楽しさや楽しみ方を楽曲を通し教示してくれた。

 この日はワンマンならではの曲や、この時期ならではの久々の曲もプレイされた。4年前の丁度この時期に亡くなった大好きだった先輩に捧げた「Hailsham」では、センチメンタルさが場内に広がり、「Before Sunrise」では、空に吸い込まれて行きそうな光景やダイナミズムも味あわせてくれた。

 当初、喋る場面ではなかったらしいが、どうしても言葉として伝えたいことがあったのだろう。後半に入る際のdaiponの言葉は感動的であった。
「ライブハウスは何か足りなくなった時に来る場所。刺激を求めたり、寂しかったり、詰まらなかったり、そんな気持ちを全てそこに持って来ればいい。そういうヤツらが集まる場所だし、でなければ、(信頼して)こんなに人の上に人が乗ったり、ぶつかったり出来ない。痛いし、汗臭いし、音もデカいし、汗まみれになるし、めっちゃ暴れるヤツは居るし、ちょっと怖いし、だけどその感じが日頃じゃ味わえなくて、なんかとても生きてる感じがする中、俺は当時、そのライブハウスでライブを観てました。当時、自分たちがフロアから観ていたものを、今度は当時の自分たちと同年齢の人たちに観てもらえるのは凄く嬉しい。ENTHに出逢ってくれてありがとう!!」的な気持ちの込もった言葉が、更にステージとフロアを近づけ、一心へと導いていく。そして、その言葉を受け、後半はより会場が一体感を帯び、信頼関係が一層強くなったように映った。
会場の大合唱から入った、「死に場所は決まった。それがこのステージ」と言わんばかりに放たれた「ムーンレイカー」、襲いかかる様な疾走ナンバーが「Will」が会場を飲み込んでいけば、ラスト3曲は幾つものこの日の新記録を生み出していく。最多ダイバー数を記録した「NO FATE」、最多の肩車と2ステップを生み、モッシュピットを作った「Bong! Cafe’ au lait! Acoustic guitar!」、そして、本編ラストにて放たれた「TEARS」では、光を射すように大円団を迎え、それはさしずめ「また会おう」との誓いのようにも響いた。最後は客電も全開。それが神々しくも、とてもグローリーな忘れられない光景を生み出していたのも想い出深い。

 アンコールでは、Naoki、takumiが体操着に着替え登場した。会場も汗だくになるのを覚悟し、ファストナンバーの3連射に突入する。
フロアに巨大なモッシュピットを作り出した「Let it die(t)~まこっつ走れ~」、この日、最大のファストを記録した「START LINE」、そして、会場中に無数の誇らしげなコブシが上がらせた「Crime in my mind」が逞しくも力強い、美しい場面を作り出していった。

 何度も書いたが、この日は無数の制服姿のモッシュする者やダイバーの姿が見られた。中にはパンツが見えるのもお構いなしに、何度も何度もダイブを繰り返す制服のJKの姿も…。しかし振り返ると、この制服でのダイブの第一回目はなんとも勇気が要ったのではないだろうか。だって制服だぜ。汚れちゃいけないし、なんとなく神聖な印象もあり、その姿でそのような行為をすることはご法度や言語道断なイメージがある。その自制心を振り切るには、かなりの覚悟が要ったことだろう。しかし逆に一度、ダイブやキャリアをキメた後はどうだろう? なんかそのハードルを越えられた分、これまで見れなかった景色や解放感、感動や快感が待っていたのではないだろうか。その証拠に、後半に向かうに従い、同じ制服姿の子たちがバンバン繰り返しダイブをキメている光景を目の当たりにした。

 既成概念や常識、自制心や抑圧。それらから自身を開放し飛び込む勇気を持て。「我慢できない時は、人に迷惑をかけない範囲で自分のやりたいことをすればいい」もしかしたらENTHは、そんなことをこの日のライブで伝えたかったのかもしれない。と、思いつつも、実際はただ、JKに集まってもらい、パンツが見れてラッキーって感じだったのかもしれない。終演後、「なんかいいものいっぱい見れちゃったっすよ♡」との報告と、いつもより満足で嬉しそうなメンバーの表情を見たら、どちらにもとれてきた。やっぱこの日も、ENTHはいつものENTHであった。

【取材・文:池田スカオ和宏】
【撮影:Akira”TERU”Sugihara】
【撮影:タマイシンゴ 】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル ENTH

リリース情報

HENT

HENT

2017年07月12日

LD&K

1.HENT
2.HAHA
3.SUMMER
4.TEARS
5.SUPER HAPPY TIME
6.ムーンレイカー
7.HANGOVER
8.NOW’S MY EX
9."TH"
10.Somewhere We Hope
11.LOVE ME MORE
12.ひじき

セットリスト

ブチアゲJKナイト
2018.3.15@TSUTAYA O-EAST

  1. 1.Voo-Doo Shangrila
  2. 2.HAHA
  3. 3.because you alive
  4. 4.Grimm
  5. 5.SUMMER
  6. 6.LOVE ME MORE
  7. 7.Gentleman Kill
  8. 8.For our locked hearts
  9. 9.“TH”
  10. 10.BURNOUT
  11. 11.HENT
  12. 12.HANGOVER
  13. 13.NOW’S MY EX
  14. 14.Get Started Together
  15. 15.Hailsham
  16. 16.Before Sunrise
  17. 17.ムーンレイカー
  18. 18.Will
  19. 19.NO FATE
  20. 20.Bong! Cafe’ au lait! Acoustic guitar!
  21. 21.TEARS
  22. 【ENCORE】
  23. En-1.Let it die(t)~まこっつ走れ~
  24. En-2.START LINE
  25. En-3.Crime in my mind

お知らせ

■ライブ情報

ヒステリックパニック presents 全日本ぬるぬる祭り〜ヒステリックパニック メジャーデビュー3周年〜
04/01(日)川崎CLUB CITTA’

ROTTENGRAFFTY PLAY ALL AROUND JAPAN TOUR 2018
04/04(水)長崎Studio Do!
04/05(木)佐賀GEILS

POTxENTH presents ”PONTH!!TOUR2018”
04/06(金)金沢AZ
04/24(火)福岡CB
04/25(水)岡山IMAGE
05/16(水)静岡UMBER
05/18(金)仙台MACANA
05/28(月)高松DIME

YON FES 2018
04/08(日)モリコロパーク(愛・地球博記念公園)

FEELFLIP presents Fiesta Carnival I
04/20(金)下北沢SHELTER

wata presents TRUST YOUR SOULS ROAD TO FREEDOM NAGOYA
04/26(木)大須RAD HALL

ENTHxNorthern19 presents 三度目の正直〜2MAN企画最終編!?〜
05/03(木)郡山#9

VIVA LA ROCK 2018
05/05(土)さいたまスーパーアリーナ

SPACE SHOWER x Monster Energy presents モンスターロックLIVE2018
05/09(水)名古屋DIAMOND HALL

りんご音楽祭 10years Kick Offパーティー名古屋編
05/19(土)新栄CLUB MAGO/Live&LoungeVio

SUMMER CAMP 2018
05/20(日)お台場野外特設会場

10-FEET "Fin" TOUR 2017-2018
05/27(日)高知CARAVAN SARY

ハルカミライ 赤く青く燃えてツアー / Danablu Rockfalling TOUR
05/31(木)水戸LIGHT HOUSE

SAKAE SP-RING 2018
06/02(土)-06/03(日)
名古屋・栄一帯のライブハウス&クラブで行う 東海地区最大のオムニバスライブサーキット

百万石音楽祭2018〜ミリオンロックフェスティバル〜
06/03(日)石川県産業展示館

SATANIC CARNIVAL’18
06/16(土)-06/17(日)
幕張メッセ 国際展示場 9-11 ホール

FREEDOM NAGOYA 2018
06/23(土)愛知県名古屋大高緑地特設ステージ

ENTHニューシングルレコ発イベント
07/13(金)大阪MUSE
07/24(火)恵比寿LIQUID ROOM
07/27(金)名古屋CLUB QUATTRO

rockin on presents JAPAN’S NEXT 渋谷JACK 2018 SUMMER
07/15(日)TSUTAYA O-EAST / TSUTAYA O-WEST / TSUTAYA O-Crest TSUTAYA O-nest / duo MUSIC EXCHANGE / 渋谷7th FLOOR clubasia

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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