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go!go!vanillas 『FOOLs Tour 2018~音楽馬鹿達と春のナイトピクニック~』ライブレポート

go!go!vanillas | 2018.05.15

自身がそれまで基盤としてきた音楽制作の在り方を根本から覆すことで、さらに“作りたい曲”が明確になった変化があったという3rdアルバム『FOOLs』。
彼らが新たに作り上げた、その音たちは、確実にgo!go!vanillasの世界を色濃くし、大きくその振り幅を広げた様に思う。
昨年7月にリリースした3rdアルバム『FOOLs』を引っさげた、自身最長となる全国24カ所25公演『FOOLs Tour 2017』を同年9月より実施し、全会場ソールドアウトさせた彼らは、アンコールツアーとして対バン形式でのツアーの開催を発表した。
しっかりと『FOOLs』を届けた後、『FOOLs』の音でみんなと純粋に遊びたかったのだろう。彼らのその想いは、『FOOLs Tour 2018~音楽馬鹿達と春のナイトピクニック~』と名付けたタイトル名からもひしひしと伝わってくる。
全国11箇所で開催されたこのツアーは、沖縄での単独公演を初日とし、フレデリック、フレンズ、KANA-BOON、04 Limited Sazabys、My Hair is Badといった、彼らが敬愛する“音楽馬鹿達”を対バン相手に招き、オーディエンスと共にライブを盛り上げ、5月5日、ファイナルとなった新木場Studio CoastでのBLUE ENCOUNTとの対バンへと繋げられた。

5月5日の新木場Studio Coastでのファイナルライブは、言うまでもなく、最高で最強の盛り上りを魅せた。
先陣を切ったのはBLUE ENCOUNTだった。

「すげぇいい感じじゃん、オマエたち! 音楽馬鹿達が集まってるんでしょ? はじめるよ~! BLUE ENCOUNTです! よろしく!」

ヴォーカルの田邊が、緩くも熱い一言をフロアに投げかけ、BLUE ENCOUNTは「Waaaake!!!!」からライブをスタートさせた。1曲目から後方にサークルが出現するほど、フロアの温度を一気に上げた彼らは、間髪入れず、自らが進むべき道への想いを真っ直ぐに歌った「DAY×DAY」へと続けていった。
「NEVERT ENDING STORY」への導入では“go!go!vanillas”でオーディエンスとコール&レスポンスを行い、自らのファンとgo!go!vanillasのファンとの一丸をはかり、“九州魂が流れる2組(BLUE ENCOUNTは辻村、go!go!vanillasは柳沢以外は九州出身)が東京で一緒にライブをできていることが奇跡! 今日は豚骨魂でいこうと思う!”と叫び、4曲目に届けられた「LIVER」では早くも牧と柳沢をステージへと呼び込み、ステージを盛り上げた。
そして。ラストの「灯せ」が届けられる前のMCで、田邊は“正直、バニラズのこと嫌いでした”と衝撃の告白をした。会場から沸き上がった驚きの声を遮り田邊が語った先には、自分達がまだ無名で、自身がライブハウスでバイトしていた過去に潜む感情があった。ライブハウスのブッキングでことごとく名前が上がってくるgo!go!vanillasというバンドを妬み、その悔しさからgo!go!vanillasの音楽を聴くことができなかった葛藤があったのだと語った。“自分の心が弱かったからなんだけど、聴かないことが最高の抵抗だと思っていた”と、正直すぎる想いを吐露したのだ。そして、必死に頑張り続け、自分達だけで武道館公演ができるようになった2016年に、やっとgo!go!vanillasの音が聴けたことを告白したのだった。

「俺たちには絶対できない音楽を持ってて、俺たちには絶対に発することのできないメッセージを持ってて、すごかった。すげぇ悔しくなった。余計に悔しくなった。でも、いつかコイツらと一緒にライブをやって勝ってやるぞ! って思った」

と、共に音楽を愛し、その想いを重ね、関係性を築き上げてきての今日。田邊は、“この日”に賭けた想いのすべてをぶつけたのだった。最後に届けられた「灯せ」に贈られたオーディエンスからのハンドクラップは力強く彼らの音を支えた。それは、気持ちが通い合った瞬間が映し出された、とても素晴しい景色であった。
BLUE ENCOUNTが歌詞と楽曲に託す想いは、全身全霊のライブパフォーマンスそのものにあると感じた。ただただライブを対バン相手とオーディエンスと共に楽しみたかったという意図で企画されたこの対バンツアーであったが、go!go!vanillasがこの対バンツアーに込めた、もう一歩踏込んだ深い想いは、田邊が語ったこの言葉の中にあったと思う。

最高の花道を作ってくれたBLUE ENCOUNTとオーディエンスへのお返しをしなくてはならない、ということで、いつも以上に気合いが入っていたことだろう。go!go!vanillasの登場はいつも以上の熱を放っていた様に思う。
「We are go!」をSEに、オーディエンスの手拍子に乗ってお待ちかねのgo!go!vanillasがステージに姿を現すると、“待ってました!”と言わんばかりの大きな声援が彼らを包み込んだ。彼らが1曲目に選んでいた曲は「サクラサク」。鮮やかに飛び散る音像に、go!go!vanillasが掲げるハッピーが充満するのが見えた気がした。ケルトっぽい軽快さを宿す「マジック」では、会場全体が揺れるほど、オーディエンスは音に体を委ねて躍って応えた。“こんなもんじゃないよな! もっといこう!”という牧の叫びから、インディーズ時代の人気曲「エマ」のイントロが始まると、オーディエンスは歓喜の声を上げ、そのイントロの後に、おキマリの“1、2、3”のカウントを叫び曲を誘導した。最高のロックンロールが、さらに会場を揺らした。とにかく楽しい。純粋に音楽を楽しめる空間を彼らはくれた。 「ヒンキーディンキーパーティークルー」では、柳沢はファイヤーバードに持ち替え、ジェットセイヤとプリティが支えるスピーディなリズムワークに華やかかつロックなギターフレーズを乗せ、会場を掻き回していった。この曲ではスティックを2本とも飛ばし、素手でドラムを叩くというジェットセイヤのヤンチャぶりも炸裂し、オーディエンスは完全に手放しな状態でライブを楽しんだ。 MCでは牧によって、go!go!vanillas 側からBLUE ENCOUNTへの想いが語られた。田邊に、go!go!vanillasの音を認めてもらって一緒にライブができていることを幸せに想うという牧の言葉にもまた、素晴しいミュージシャンシップを感じた瞬間でもあった。
“みんなの生活の一部になって欲しいと想って書いた曲です”という曲紹介を挟んで届けられたのは、『ヨーグリーナ&サントリー天然水』とのコラボレーションMVが話題の新曲「スタンドバイミー」。“乳酸菌の気持ちになって書いた”という歌詞とスタッカート気味の跳ね感あるサウンドが、爽やかに会場を盛り上げたのだった。そっと見守ってもらっているような感覚になる多幸感溢れるこの曲は、go!go!vanillasの原点であるような気がしてならなかった。 浮遊感のある心地よいサウンドを漂わせた「サウンドエスケープ」では、そこに流れる空気に身を任せたオーディエンスが脱力気味に体を揺らした。美しいコーラスワークを響かせたアカペラから始まった「おはようカルチャー」では、オーディエンスも声を重ね、途中、ジェットセイヤがスティックを指揮棒にみたて、オーディエンスのコーラスの指揮を取るなど、“バニラズにしかできないライブ”でライブを進めていったのだが、この曲のサビで聴かせてくれた4人とオーディエンスとのコーラスは圧巻だった。
プリティ、牧、ジェットセイヤ、柳沢と、順にヴォーカルを担っていく「デッドマンズチェイス」では、立ち上がってドラムプレイするジェットセイヤや、下手に柳沢、中央にプリティ、上手に牧というフォーメーションで、中央のマイク前に集まって歌うステージングを魅せてくれたのも、とても鮮やかだった。
「デッドマンズチェイス」から繋げられたのは、夏全開の新曲「SUMMER BREEZE」。音源で聴くよりもスパーク感が増した最高のロックンロールが、会場に一足早い夏を運んだ。それぞれの音と牧の声が甘酸っぱく弾ける爽快感は、彼らの“今”を、とても素直に映し出していた様に思う。

ライブの空気感を一変させたのは「ストレンジャー」。go!go!vanillasっぽくないアンダーグラウンドが匂うこの曲は、go!go!vanillasの中でこそ、より強い印象を残すと感じさせられた。それを確信させたのは、この曲の後に繋げられた「バイバイカラー」への流れだった。コール&レスポンスを挟み、「バイバイカラー」へとオーディエンスを誘ったのだが、この曲も、アンニュイな空気感を宿していた音源での印象から、照明使いも手伝ってか、ディスコ的サウンド感へと変化していたライブマジックを感じた。
本編ラストに届けられた「平成ペイン」では、MVで覚えた振り付けで盛り上がるオーディエンスの姿が、とても印象的だった。

そして、go!go!vanillasは「ナイトピクニック」で始めたアンコールで、自身初となる東京・大阪野音のワンマンライブ(9月22日・30日「秋のハーベストツアー」~野音狩り編~)と全国対バンツアー(9月28日富山MARIOから全国10ヵ所10公演「秋のハーベストツアー」~ハンター編~)を行うことを発表し、アンコールのラストに届けた「スーパーワーカー」でBLUE ENCOUNTをステージに呼び込み、『「FOOLs」Tour 2018~音楽馬鹿達と春のナイトピクニック~』を締めくくったのだった。
集まった音楽馬鹿達と、ステージの上の音楽馬鹿な8人が、屈託の無い笑顔に包まれていた3時間は、とても美しい景色だった。と、同時に、“ゴーゴーの日”こと5月5日に毎年開催されているgo!go!vanillas主催の対バン型ライブが、この先も続いていきますようにと、切に願った自分が居た。

物や音楽がどんどんと消費されていってしまう風潮にある、少し哀しい現代。
彼らの音楽が、この道の行く末を末永く灯してくれますように---。

【取材・文:武市尚子】
【撮影:ハタサトシ】

tag一覧 J-POP バンド 男性ボーカル go!go!vanillas

リリース情報

SUMMER BREEZE / スタンドバイミー

SUMMER BREEZE / スタンドバイミー

2018年05月23日

ビクターエンタテインメント

1. SUMMER BREEZE
2. スタンドバイミー
3. Penetration

セットリスト

FOOLs Tour 2018〜音楽馬鹿達と春のナイトピクニック〜
2018.05.05@新木場SUDIO COAST

    ■BLUE ENCOUNT
  1. SE
  2. 01.waaaake!!!!
  3. 02.DAY×DAY
  4. 03.NEVER ENDING STORY
  5. 04.LIVER
  6. 05.ロストジンクス
  7. 06.LAST HERO
  8. 07.VS
  9. 08.コンパス
  10. 09.灯せ
    ■go!go!vanillas
  1. SE:We are go!
  2. 01.サクラサク
  3. 02.マジック
  4. 03.エマ
  5. 04.FUZZ LOVE
  6. 05.ヒンキーディンキーパーティークルー
  7. 06.スタンドバイミー
  8. 07.サウンドエスケープ
  9. 08.おはようカルチャー
  10. 09.デッドマンズチェイス
  11. 10.SUMMER BREEZE
  12. 11.ストレンジャー
  13. 12.バイバイカラー
  14. 13.カウンターアクション
  15. 14.平成ペイン
【ENCORE】
  1. 01.ナイトピクニック
  2. 02.Ready Steady go!go!
  3. 03.スーパーワーカー

お知らせ

■ライブ情報

<go!go!vanillas「秋のハーベストツアー」>
~野音狩り編~
09/22(土) 日比谷野外大音楽堂
09/30(日) 大阪城野外音楽堂

~ハンター編~
09/28(金) 富山 MAIRO
10/08(月・祝) 松山 WstudioRED
10/10(水) 名古屋 CLUB QUATTRO
10/11(木) 静岡 SOUND SHOWER ark
10/16(火) 札幌 PENNY LANE 24
10/18(木) 仙台 darwin
10/19(金) 山形 ミュージック昭和セッション
10/25(木) 岡山 YEBISU YA PRO
10/27(土) 鹿児島 CAPARVO HALL
10/28(日) 福岡 DRUM LOGOS
(~ハンター編~の対バン相手は後発表)

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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